週中の巷ではエフフォーリアに熱視線が集まっていたが、フタを開けてみれば金曜日時点で人気から穴馬までオッズが割れており、波乱の予感が漂っている。
人気割れの元凶は週末の天気である。
17日の夕方から18日にかけてそれなりの予測降水量が発表され、良馬場で開催される可能性が低くなってしまったからだ。
そのため、渋ってタフさが求められる中山で好走するのがどの馬なのか、迷っている方が多いのではないだろうか。
そこで、今回は「皐月賞での穴馬をお探しの方」や「皐月賞の各ステップレースをざっくり見直したい方」、「いちいち各ステップレースを見直すのがメンドイ方」向けに、記事前半では出走各馬のステップレースをざっくりまとめ、後半では巻き返しに期待がかかる穴馬をピックアップすることで、予想作業の手間を省くことを目的にしている。
この記事が何らかの形で参考になれば幸いである。
この記事で分かること
- 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
- ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる
- 巻き返しに期待がかかる1頭が分かる
筆者の自己紹介
筆者の自己紹介
- 筆者名
ロールス
- 趣味
競馬、麻雀、読書
- 競馬歴
14年0ヵ月(2022年3月現在)
- 予想スタイル
水族館や動物園で生き物をじっくり観察するのが楽しみの1つ。
最近は、YouTubeで『ナショナルジオグラフィックTV』の動物動画を見るのがマイブーム。
そんな性質から、各馬の調教とステップレースの内容、土曜日の馬場傾向に注目し、穴馬を選んでいくスタイルが好み。
- 2021年度の主な指名穴馬
ラストドラフト(AJCC 6人気)
カテドラル(東京新聞杯 12人気) ※『東京新聞杯の出走全馬の前走まとめ』の記事にて紹介
ギベオン(金鯱賞 10人気) ※『金鯱賞の出走全馬の前走まとめ』の記事にて紹介
スーパーフェザー(小倉記念 8人気) ※『小倉記念の出走全馬の前走まとめ』の記事にて紹介
エイシンヒテン(ローズS 12人気) ※『ローズSの出走全馬の前走まとめ』の記事にて紹介
- 2020年度の主な指名穴馬
ソーグリッタリング(エプソムカップ 5人気)
キセキ(宝塚記念 6人気)
ディメンシオン(キーンランドC 9人気)
マジックキャッスル(秋華賞 10人気)
更なる穴馬をお届けするべく、現在は競馬予想本を読み漁って仕入れた知識を予想に取り入れるべく、鋭意修行中!
各ステップレースのまとめ
朝日杯FS(G1) 2020/12/20 阪神芝1600m(良)
出走各馬のレース内容
ステラヴェローチェ
平凡なスタートで中団10番手辺りに付けると、鞍上の横山典弘騎手ときっちり折り合って脚を溜める。
3~4コーナーでラチ沿いを立ち回ると、直線では内ラチから3頭程空けたインコースから末脚を伸ばして2着に好走。
この結果は、3~4コーナー及び直線でインコースを立ち回った鞍上の好騎乗のおかげだ。
レッドベルオーブ
まずまずのスタートを切ったが、3コーナーまでかかり通しだった。
3~4コーナーでは馬群の外を立ち回ると、直線では馬場の2、3分所から末脚を伸ばして3着を確保した。
レース序盤で折り合いを欠いたことと、直線で外に進路を求めてしまったのが主な敗因だ。
京成杯(G3) 1/17 中山芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
グラティアス
平凡なスタートだったが、グラティアスより外から先行してきた馬達がインコースを避けたことで、先団グループへの進路が確保出来、無理なく先行策を取ることが出来た。
バックストレッチでは、前半1000mが1.03.7秒というドスロー展開を先行3番手でゆったりと進めたことで、3コーナーからのペースアップに難なく対応し、直線ではラチ沿いから余力十分にスパートを開始。
結果は圧勝に終わったが、序盤で外から来た先行勢にインコースを取られなかったことと、先行勢に優しいドスローペースが味方した勝利に過ぎないので、京成杯の勝利は高評価出来ない。
きさらぎ賞(G3) 2/7 中京芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
ラーゴム
内枠からまずまずのスタートを切ると芝が荒れたインコースを通り、前から3番手のポジションを確保。
2コーナー~残り1200m地点まではかかっていたが、それ以降は折り合って引き続き先行3番手で脚を溜める。
直線では終始右手前のまま馬場の3分所からジワジワと加速し、きさらぎ賞を制覇した。
1周目のホームストレッチで各馬が芝が荒れたインコースを嫌う中、あえてそこを通って上手く先団ポジションを確保出来たのが勝因。
また、少数頭で序盤の先行争いが激化せず、比較的ゆったりと前目で運べた展開も味方した。
したがって、今回の勝利はラーゴムの荒れ芝適性と荒れたインコースから先行策を取った北村騎手のファインプレーによる恩恵が大きいので、本番で再現性がある展開かどうかは疑問が残る内容だ。
ヨーホーレイク
平凡なスタートを切るとすぐに芝の状態が比較的良い馬場の3分所へ進路を変えた。
また、バックストレッチでは内ラチから5、6頭分程外のコースでジックリと脚を溜めると、4コーナー地点から大外を通ってスパートを開始。
直線では馬場の5分所付近から終始右手前で追い込み、ラーゴムからクビ差の2着に終わった。
レース序盤でラーゴムに上手く先行されたのが敗因。
また、1回中京最終日でインコースより外を回した方が好走しやすいとはいえ、末脚の勢いは悪くなかったので、上がりがかかる馬場でなら見直す手がある。
したがって、本番の馬場状態が重くなるかどうかは要チェックだ。
共同通信杯(G3) 2/14 東京芝1800m(良)
出走各馬のレース内容
エフフォーリア
まずまずのスタートを切ると危なげなく好位に付け、かかりながらも末脚を溜める。
直線に差し掛かった途端に鞍上から一杯に追われた時には馬場の2分所から大飛びのフォームで加速したかと思うと、残り400mを過ぎた辺りで鞭を打たれた時にはさらに鋭い加速を見せ、2着馬に2馬身以上の差をつけて圧勝。
馬場傾向は味方したものの、ゴーサインへの反応の良さと瞬発力は評価に値する。
ただ、直線で終始右手前で走っていたのは、重馬場をこなす上では気がかりだ。
ヴィクティファルス
平凡なスタートだったが、出たなりで前から7、8番手辺りのポジションを確保する。
直線では残り4ハロン棒の手前からゴーサインに応じて反応良く加速。
そして、終いは外から襲い掛かったシャフリヤールの追撃をアタマ差で退けた。
馬場傾向は向いたが、終いの脚色が若干鈍っていたので、軽い馬場に泣いた印象だ。
ステラヴェローチェ
好スタートを切ったが先行策は取らず、前から5、6頭目で脚を溜める作戦に出る。
3コーナー地点では若干かかったが、すぐに持ち直して直線に臨んだ。
直線ではエフフォーリアの後を追うように末脚を伸ばす際に外から来たヴィクティファルスと併せ馬になったが、これに競り負けて5着に終わった。
ヴィクティファルスと競り合った区画のラップは10.8秒とかなりの瞬発力が求められていたことと、ステラヴェローチェのゴール際の脚色が悪くなかったのを見るに、斤量57kgと瞬発力勝負の分が若干悪かったことが敗因か。
ただ、ゴール際は脚を余し気味だったので、急激にラップが早くなる展開ではなく、残り3ハロンからゴールまでジワジワとペースが遅くなる展開ならば見直す手がある。
すみれS(L) 2/28 阪神芝2200m(良)
出走各馬のレース内容
ディープモンスター
スタート直後に大きく外に膨らんでしまい、後方からの競馬となる。
バックストレッチでは特に目立った動きはなかったが、4コーナーでは外から追っ付けられてスパートを開始。
そして、直線では馬場の3分所からストライド走法でジワジワ加速をし、すみれSを圧勝した。
決め手が活きる馬場は向いたものの、最後は余力を残していた点は評価出来る。
弥生賞ディープ記念(G2) 3/7 中山芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
タイトルホルダー
内枠から好スタートを切るとハナに立つ。
道中は前半1000mが1.02.6秒のドスロー逃げで馬群を引っ張ると、直線は最内で逃げ粘って余力十分に1着入線。
少数頭のレースで他に競りかける馬がいないおかげでマイペースに走れたレースだったので、特に評価点はない。
ダノンザキッド
内枠から好スタートを切ったが先行争いには加わらず、前から5番手辺りで末脚を溜める。
3~4コーナーで馬群の外を通り、直線の馬場の2分所へ進路を取るとジワジワ末脚を伸ばしたが3着に終わった。
ホープフルS時同様、直線の急坂で末脚が鈍っていたのが気になるが、ドスローな展開の中、終いはよく差を詰めていたので評価出来る。
若葉S(L) 3/20 阪神芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
アドマイヤハダル
若干伸びあがるようなスタートだったが、少数頭のおかげか先行争いが激しくならず、自然な形で先団グループに取り付くことが出来た。
バックストレッチではスローペースできっちりと折り合い、3コーナーでは徐々に馬群の外から進出を開始。
そして余力十分で馬場の2分所へ駆け込み、残り300m付近で松山騎手に追われ出すと抜群の反応で加速して圧勝。
先行策と序盤3~4ハロンが緩んだペースこそハマったものの、後半5ハロン以降のペースは58秒と比較的淀みなく、悪くないものだった。
また、道中の折り合いやゴーサインにすぐさま反応する操縦性の高さ、そして直線ではステッキを一発しか打たれなかった上に終いは流したにもかかわらず、ラスト1ハロンを11.3でまとめる瞬発力は重賞級の器の為せる業だ。
ただし、直線では終始左手前で走っていたのが若干気がかりだ。
また、ストライドの大きな走法が渋った中山の馬場で通用するかは、一考の余地がある。
シュヴァリエローズ
スタートで北村騎手の体制が若干崩れたが、序盤のポジション争いには響かず、無事に好位のインコースを確保した。
だが、バックストレッチではややかかり気味で、手綱を押さえられていた。
3コーナー手前でようやく折り合うと、3~4コーナーにかけてアドマイヤハダルの直後に忍び寄る。
そして、直線入りした途端にステッキを交えて必死に終われるも、勝ち馬には大きく水を開けられた2着に終わった。
バックストレッチで折り合いを欠いたのも痛かったが、今回の敗戦は相手が悪かったとしか……。
スプリングS(G2) 3/21 中山芝1800m(重)
出走各馬のレース内容
ヴィクティファルス
外枠から好スタートを切ると出たなりで中団8、9番手辺りのポジションを確保した。
3コーナー終点辺りから鞍上の池添騎手の手綱が動くと反応良く加速し、直線の馬場の5分所付近へなだれ込んだ。
すると、急坂を物ともせずに力強く駆け上がり、アサマノイタズラをアタマ差で退けて優勝した。
馬場傾向は向いたものの、ゴール時にはまだ余力があった点と中山の急坂を苦にせず加速した馬力は評価に値する。
アサマノイタズラ
好スタートを切るとやや追っ付けられて好位7番手辺りのポジションを確保。
3コーナーに差し掛かると馬なりのまま馬群の外を通って進出を始めた。
そして直線では馬場の3分所からスパートを始めたが、鞍上の嶋田騎手の右ムチで馬場の4分所に進路を変えながら粘り込み、2着に好走した。
1着のヴィクティファルス同様に馬場が向いたが、終いの脚色はヴィクティファルスより劣っていたので、距離延長が歓迎とは言えないかもしれない。
イルシーヴパンサー
外枠から好スタートを切ったものの、バックストレッチ入り口では鞍上と折り合わずに手綱を引かれてブレーキをかけられていた。
直線では先に抜け出したアサマノイタズラの後を追うように末脚を伸ばしたが、4着に終わった。
直線では馬場が良い所を走れたのに脚色がやや鈍かったので、渋った馬場はあまり得意ではないかもしれない。
ワールドリバイバル
好スタートで2番枠を飛び出すと1コーナーでハナに立つ。
3~4コーナーでは馬場の荒れたラチ沿いを立ち回り、直線では最内から逃げ込みを図った。
だが、外から末脚を伸ばした馬達に屈し、6着に終わった。
レース後半で馬場の悪いインコースを立ち回ったのが敗因。
3歳1勝クラス 3/27 中山芝1800m(良)
出走各馬のレース内容
ルーパステソーロ
平凡なスタートだったが先行争いが激しくなかったので好位6番手辺りに付けることが出来た。
バックストレッチ半ばではややかかり気味に追走していたが、3コーナー手前ではきっちりと折り合っていた。
4コーナーでは馬群の外からスパートを開始して直線の馬場の2分所から末脚を伸ばしたが、3着に終わった。
確かに4コーナーと直線で外を回った不利はあったが、メンバー最軽量の53kgをもらっておいてこの内容では……。
巻き返しに期待がかかる穴馬
今回は、ヨーホーレイクに注目する。
注目する理由は、大まかに2つある。
まず、血統が中山の渋った馬場でも好走出来そうだからだ。
ヨーホーレイクの血統は、父ディープインパクト×母父フレンチデピュティという組み合わせだが、似た血統で渋った馬場を好走した馬は枚挙にいとまがない。
例えば、2016年ダービー馬のマカヒキはやや重の札幌記念で2着や重馬場のジャパンカップで上がり3ハロン最速の末脚で4着という実績がある。
また、メイショウテンゲンに至っては重馬場の弥生賞を勝った馬だし、全兄のマウントシャスタは2012年に重馬場で行われた毎日杯で2着に好走している。
このように重馬場で活躍した馬が多数いることから、父ディープインパクト×母父フレンチデピュティという血統のヨーホーレイクは重馬場が得意な馬な可能性が高い。
そして2つ目の理由が、ヨーホーレイク自身が開幕最終週の上がりがかかる馬場で高いパフォーマンスを発揮している馬だからだ。
前走のきさらぎ賞では、第1回開催の中京で人気薄の逃げ馬が4着に粘る前有利な展開で上がり最速の末脚を披露し、勝ったラーゴムにクビ差まで迫った内容は負けて強しの内容だった。
また、2走前のホープフルSの時も、第5回開催の中山7日目という芝が傷んで上がりがかかる条件且つ先行馬に有利な展開で、中団から末脚を伸ばして3着に好走している。
さらに、外差しが決まりまくった秋華賞の前日に行われた3走前の紫菊賞では、重馬場をピッチ走法で力強く駆けていた。
これらの過去成績から、ヨーホーレイクは開幕週後半のパワーが求められる展開を得意とする可能性が高いので、開幕最終日且つ馬場が渋った中山ならば好走は可能と考えている。
以上が、ヨーホーレイクに注目する理由である。
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