これで競馬が見えてくる!レース映像で注目すべき5つのポイント

ノウハウ

 一言で競馬予想と言っても、見るべき項目はたくさんあります。

 中でも出走馬の過去レースを見ることは特に大事な予想作業の1つですが、

  • 競馬初心者で、レース映像でどこに注目すればいいのかが分からない
  • 過去のレースから狙い目の馬を見つけられるようになりたい
  • 気になる馬の過去のレースを見たが、そのレースぶりをどう評価すれば良いか分からない

という悩みを持つ方が多いと思います。

 そんな悩みを解決するために、この記事では過去レースで見るべきポイントを筆者が過去に体験した事例を織り交ぜながら説明します。

 この記事を読めば、過去レースをより深く見れるようになり競馬ファンの大多数が拾えない穴馬を拾えるようになるでしょう

 そして、この記事を通じてみなさんに「自分で穴馬を見つけ、予想を当てる楽しさ」を伝えられたらいいなと思います!

この記事で分かること

  • 過去レースを見る前に意識すること
  • 過去レースで注目して見るべきポイント
  • 過去レースを見れるようになったら出来ること

筆者の自己紹介

競馬歴:16年
趣味:競馬、麻雀
好きな競走馬:メイショウマンボ、スリーロールス
競馬予想で最も重要視する項目:追い切り
これまでに見た追い切り本数:2000本以上

ブログを通じてやりたいこと:
これまで見てきた追い切りに関するノウハウをお届けし、
追い切り診断が上手くなりたい方のお役に立ちたいです。

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過去レースを見る前にチェックすべき項目

 ハッキリ言って、「過去レースを見る=同じレースを何度も見返す作業」なのでメッチャ疲れます。

 そんな疲れる作業をしながら当日の馬場傾向を掴む作業をやっていては、どちらも中途半端な成果に終わるでしょう。

 そのため、少しでも楽に過去レースを見るためにあらかじめ過去レース当日と同じ日に行われたレースの結果画面とレース映像から大まかなレース状況を掴んでから実際のレース映像からしか得られない、馬の一挙手一投足いっきょしゅいっとうそくを拾うことに集中すべきなのです

 そこで、この項目では過去レースの映像を見る前にチェックすべき項目――平たく言えば注意点をざっくり説明していきます。

 どーでもいい箇所は「ふーん」みたいに流し読みでも良いですし、「私はさっさと注目ポイントが見たい!」って人は、この項目を飛ばしても構いません。

①過去レース当日の馬場傾向(トラックバイアス)を把握する

 まずは過去レース当日と同じ日に行われた他のレース結果を見て、過去レース当日の大まかな馬場傾向を把握しましょう

 馬場傾向の把握とは、言い換えれば「好走した馬の共通点を探すこと」です。

 好走した馬が何故好走出来たかを理解すれば、「どの馬が強いレースをしたか」が分かるようになります。

 そして注目すべき共通点は、次の3つになります。

  1. 特定の枠順の馬ばかりが上位に入線していないか(※14頭以上(多頭数)のレースのみ参考にする)
  2. 特定の脚質の馬ばかりが上位に入線していないか(※14頭以上(多頭数)のレースのみ参考にする)
  3. 特定の進路を通った馬ばかりが上位に入線していないか

 そして上の3つの共通点に当てはまる馬が人気薄の馬だった場合は、「その人気薄の馬が馬場傾向を味方につけて好走した可能性が高い」と判断出来ます。

※少頭数のレースの枠順及び脚質は、それぞれ多頭数のものに置き換えた場合、いずれも出走数が少ないので「内枠、中枠」または「逃げ、先行、好位、差し」というふうになってしまいます(例:「8枠8番」の枠順や前から9頭目で「追い込み脚質」等)。

 そのため、 少頭数のレースは枠順と脚質の偏りを測るのに向いていません

1.特定の枠順の馬ばかりが上位に入線していないか

 まずは好走枠順の偏りについてですが、「内枠の馬ばかりが好走=インコース有利」、「外枠の馬ばかりが好走=インコース不利」と認識して構いません。

 好走枠順の偏りから分かることは「インコースの芝の傷み具合」です。

 競馬において、基本的に外枠は内枠より不利です

 その理由は、コースの外側を走る馬は内を走るよりも距離ロスが発生してしまうからです。

 JRAの競馬場の殆どのコースが円形または半円を描いているため、内ラチから離れた位置で走る馬は内ラチ沿い(いわゆるインコース)を走る馬よりもより長い距離を走らねばなりません。

 また、サラブレッドは個体差こそあるものの、人を乗せた状態では大体の馬が時速60~70㎞程度のスピードしか出せません。

 そのため、競走馬同士の能力に余程の差が無ければ、競馬場のコーナーで馬場の内と外を同じスピードで並走した場合にインコースを走れない距離ロスが着順に影響しやすいのです

 したがって、外枠に入った時点でコースロスを免れない厳しいレースになると言えるでしょう。

 ところが、競馬ではそんなインコース有利な条件が嘘のようにくつがえることがあります

 その覆る条件こそが、「インコースの芝の傷み」なのです。

 インコースの芝が傷むメカニズムは、「レースに有利なインコースを確保するために競走馬達が殺到→アウトコースよりもインコースの芝の方が馬達に踏みしだかれ、インコースの芝がアウトコースよりも早く傷み始める→やがてインコースの芝が傷み切ったせいで路面がデコボコになり、新鮮なアウトコースの芝よりも脚部への負担が大きい状態になる→インコースを走ることが不利になってしまう」という具合になります。

 これは裏を返せば「インコースを避けた馬に有利」ということを意味します。

 他の馬達に芝の傷んだインコースへ閉じ込められる内枠よりも、新鮮な芝を走れる外枠が有利になるのです。

 そのため、枠順の偏りを見ることで「現状の馬場状態でインコースが有利か否か」が把握出来るのです。

2.特定の脚質の馬ばかりが上位に入線していない

 次に好走脚質の偏りについては、「逃げ、先行馬ばかりが好走=前に行った馬が有利」、「差し、追い込み馬ばかりが好走=後ろに付けた馬が有利」と判断出来ます。

 特に、見るべき過去レースと同日に行われたどのレースでも逃げ馬や追い込み馬がことごとく好走したかどうかは絶対に見逃してはなりません

 逃げや追い込みといった極端な脚質の馬が次々と活躍する馬場傾向は、「どのレースでも逃げ馬が上位入線=前に行った馬がとても有利」、または「どのレースでも追い込み馬が上位入線=後ろに付けた馬がとても有利という大きな偏りが発生している可能性が高いからです。

 そのため、脚質の偏りからは「その日のレースで有利なポジション」を知ることが出来るので、実際に過去レースを見た時に対象馬を評価する物差しに利用出来るでしょう。

3.特定の進路を通った馬ばかりが上位に入線していないか

 そして、過去レース当日と同じ日に行われた他のレースからは、「上位入線した馬が直線でどこを通ったか」を見るようにしましょう。

 例えば、枠順や脚質、展開に構わず直線で馬場の2分所より内側(いわゆるインコース)を通った馬ばかりが上位入線したレースだらけだったなら、その日の馬場は「インコースしか伸びない馬場」だったと言えます。

 反対に、直線で外を回した馬しか伸びきれない馬場は、「インコースが伸びない馬場」だったと言えます。

 このように、枠順や脚質、展開に構わず特定の進路しか伸びない馬場傾向を掴むことは、「直線での進路に恵まれたか」が分かるので、覚えておいて損はないでしょう。

過去レース当日の馬場傾向を把握するために注目すべきポイント

  1. 上位入線馬の枠順に偏りがないか→インコースの有利不利が分かる
  2. 上位入線馬の脚質に偏りがないか→ポジションの有利不利が分かる
  3. 上位入線馬の進路に偏りがないか→直線での進路の有利不利が分かる

もしも、好走した馬の共通点が見つからなかった場合は?

 もしも過去レース当日の枠順や脚質、進路に偏りがない場合は、「フラットな馬場(好走馬に偏った条件がない馬場)」と判断します。

 そのような馬場で対象馬のレースを評価する場合は、レースの展開や出遅れ等の不利を受けたかどうかで判断するようにしましょう

②過去レースの条件を把握する

 次に、実際に見ようとしている過去レースの条件を字面だけでも頭にインプットしておきます。

 インプットする条件は、次の通りです。

1.どのような斤量でのレースだったか

 まずは見ようとしている競走馬が、出走したレースで背負った斤量条件を掴みます。

 いわゆる、「定量」、「別定」、「ハンデ」などの条件のことです。

 競走馬にとって、背負う斤量が重ければ重い程レースで不利に働くため、見ようとしている馬が他の出走馬より重い斤量を背負ったレースだったのか、あるいは軽かったのかを事前に知っておき、レースを評価する材料として使用します

 特に、見ようとしている馬が「別定」や「ハンデ」でメンバー最重量を背負ったかは重要項目です。

 何故なら、出走メンバー中最重量の時点で、他の馬よりも実績や地力が評価され、斤量面で1番不利を被るのが確定するからです。

 そんな不利な条件下で上位に入線した場合、最重量を背負った馬は上位入線したそのレースで求められた能力について、それなりの良いものを持っていると判断することが出来ます。

 また、最重量を背負った馬が展開やトラックバイアスからも不利を受けていたにもかかわらず勝ち馬と差のない接戦を演じた場合その馬の地力の高さを示す動かぬ証拠となるでしょう

2.どのような馬場状態だったのか

 次に知っておくのは「馬場状態」です。

 先程述べた好走した馬の共通点の探す話と似たことを言うかもしれませんが、ここでは「不良」や「重」といったJRA発表の芝の湿り具合とレース平均上がり3ハロンをチェックします。

 この2つをチェックすることで、レースが行われた実際の馬場状態を知ることが出来ます

 例えば、2018年のヴィクトリアマイルが行われた馬場状態は、芝が「やや重馬場」、 レース平均上がり3ハロンが「34.0秒」というものでした。

 さらに、このレースの勝ちタイムは1.32.3で、2着のリスグラシューが記録した上がり3ハロンは32.9秒(出走メンバー最速)でした。

 やや重発表だったにもかかわらず、まるで良馬場のような早い走破タイムと上がり3ハロンのタイムで決着したレースからは、JRA発表の芝の湿り具合とレースが行われた実際の馬場状態に乖離かいりが生じる場合があることを示しています

 でも、この乖離は無理もありません。

 絶えずレースが行われる中で馬場の全ての地点の含水率を調べて馬場状態を決めるなんて、時間がなくて到底無理な話なんで……。

 また、渋った馬場状態の発表から芝が回復し、次の馬場状態が発表されるまでにタイムラグのせいで、発表された馬場状態と実際の状態に乖離が出るケースだってあるので、こればかりはJRAを責めることが出来ません。

 そのため、我々競馬予想者はJRAから発表された馬場状態と実際の馬場状態にそんな乖離がないかを、レース結果から判断する必要があります

 そして、正しい馬場状態を知った上で出走馬のレースぶりを評価するべきなのです。

 JRAから発表された馬場状態をすごくざっくりまとめると、「渋った馬場は、早い走破タイムや上がり33秒台の末脚が出ない馬場とは限らない」と認識しましょう。

 こう認識していれば、「あの馬は重馬場巧者だ」といった前評判を疑ってかかることが出来、他の競馬予想者の裏をかく一助いちじょになるでしょう

過去レースの条件を把握するために注目すべきポイント

  1. そのレースの斤量条件を認識し、見ようとしている馬が斤量面からの不利を受けていたかどうかに注目する
  2. 馬場状態とレースタイムから、実際の馬場がどんな状態だったかに注目する

③適度な休憩を取る

 いきなり殴られそうな見出しですが、レース映像を見る時の適度な休憩はとても大事なことです。

 何故なら、人間が集中力を保つ時間には限界があるからです。

 冒頭でも述べたように、「過去レースを見る=同じレースを何度も見返す作業」なのでメッチャ疲れます。

 疲れた状態で映像を見てもレース映像に集中出来ない上に注意力が散漫になり、映像から得られるはずだったレース攻略の手がかりをみすみす見逃すことに繋がってしまいます

 そのため、レース映像を見ていて疲れたら、すぐに運動や食事、入浴、睡眠などで体を休め、抜かりなく予想作業が出来るコンディションで臨むようにすることを覚えておいてください。

 それでは、次のページからは「実際に過去レースの映像を見る時に注目すべきポイント」を紹介していきます!

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