【ローズS2022】5分で分かる！出走全馬の前走のまとめ

　良血馬3頭が人気を集めているが、いずれもスローペースで結果を出してきた馬ばかりであり、「逃げ馬が多数集まった今回はいかに？」という疑問符が付きまとう。

　しかも、レース当日は台風14号の影響で多少の降雨が発生するため、「馬場がどれ程悪化するか」も不明瞭である。

　そのため、どの馬を買うべきか狙いが定まらずにお困りの方が多いのではないだろうか。

　

　そこで、今回は「ローズSでの穴馬をお探しの方」や「ローズSの各ステップレースをざっくり見直したい方」、「いちいち各ステップレースを見直すのがメンドイ方」向けに、前半では出走各馬のステップレースをざっくりまとめ、後半では巻き返しに期待がかかる穴馬をピックアップすることで、予想作業の手間を省くことが目的の記事を作成した。

　この記事が何らかの形で皆様の参考になれば幸いである。

この記事で分かること

• 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
• ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる
• 巻き返しに期待がかかる2頭が分かる

筆者の自己紹介

各ステップレースのまとめ

優駿牝馬(G1) 5/22 東京芝2400m(良)

出走各馬のレース内容

アートハウス

　若干煽ったようなスタートで外に膨らんだが、他の馬達で好スタートを切った馬が少なかったので、出たなりにインコースの先団3番手辺りに取り付くことに成功。

　向こう正面ではやや行きたがるのを鞍上に宥められながら脚を溜めると、直線では馬場の3分所辺りに出されてスパートを開始したが、残り300m辺りで脚が上がってしまい、7着に敗れた。

　芝2400mの距離が少し長かったせいでスタミナ切れを起こしたのが敗因だ。

パーソナルハイ

　7枠13番から五分のスタートを切ると鞍上に促されて先行策に出る。

　向こう正面では逃げるニシノラブウインクから少し離れた2番手で折り合ったが、4コーナー終い辺りで手応えが悪くなり、直線では早々に馬群に沈んでしまい大敗。

　パーソナルハイにとって、芝2400mという距離が長くてスタミナが持たなかったのが敗因だ。

3歳以上1勝クラス 6/4 東京芝2000m(良)

出走各馬のレース内容

サリエラ

　スタートがあまり良くなかったので、前から7番手辺りで控えてレースを進める。

　前半1000mの通過タイムが1.03.8秒というドスローペースで折り合うと、直線入り口地点から鞍上に手綱をしごかれて徐々にスパートを開始。

　そして、残り400m地点でムチが入るとさらにスピードを上げ、馬場の3分所辺りから末脚を伸ばしてテイエムオードリーをクビ差で捉え勝利した。

　確かに前有利な展開で脚を伸ばして勝利したものの、実際は「インベタしにくい程インコースの馬場が傷んだおかげで馬群が上手くバラけ、何とか差し切れた」というレースであったため、高評価は出来ない。

　また、直線でのエンジンのかかりも早くはなく、「多頭数＋東京よりも直線が短い中京コース」がプラスに働くとは思えないので、ローズSで人気になるのなら軽視したい。

北海ハンデキャップ(2勝クラス) 6/11 函館芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

メモリーレゾン

　スタートが平凡でダッシュも付かなかったので、1周目のホームストレッチから2コーナーにかけては
ラチ沿いを立ち回る。

　向こう正面に差し掛かると馬群外に出して脚を溜め、3コーナーから鞍上に追われて進出を始める。

　すると、直線では大外から各馬を呑み込み、2着に1馬身1/4差を付けて快勝した。

　確かに、斤量51kgと逃げ・先行馬がことごとく着外に敗れた展開に恵まれた上に、向こう正面でポジションを馬群外に移した古川騎手の好判断も光った一戦だった。

　だが、直線で馬場の3分所から各馬をねじ伏せた勝ちっぷりは悪くなく、ローズSでも淀みないペースで流れて持久力と多少の馬力が問われる展開になれば、引き続き期待出来るだろう。

遊楽部特別(1勝クラス) 6/12 函館芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

ブルトンクール

　好スタートを切るとすかさず馬なりで加速してハナに立つ。

　道中は平均ペースで馬群を引っ張ると、直線ではラチ沿いで粘り、2着に1/2差を付けて逃げ切った。

　馬場傾向には恵まれたが、テンの速さに関しては少し評価出来る。

三木特別(2勝クラス) 6/19 阪神芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

ヴァンルーラー

　まずまずのスタートを切ると二の脚を活かして先行3番手の位置を確保する。

　道中で折り合ってレースを進めると直線では馬場の2分所辺りから末脚を伸ばしたが、ゴール前でロングランにハナ差を付けられて2着に惜敗。

　少頭数で前有利な流れに恵まれた好走だったが、ミスフィガロ相手に善戦した内容は少し評価出来る。

都井岬特別(1勝クラス) 7/16 小倉芝2000m(良)

出走各馬のレース内容

ラリュエル

　まずまずのスタートを切ると出たなりにハナに立つ。

　道中はマイペースで逃げて脚を溜めると、直線ではラチ沿いで鋭く伸びて逃げ切りを決めた。

　斤量52kgと小頭数によるスローペースに恵まれた勝利のため、特に評価点はない。

エグランタイン

　スタートで出遅れてしまったため、前から6,7番目の位置で脚を溜める競馬に出る。

　3コーナー終いで馬群外から進出したものの、逃げたラリュエルを捕らえ切れずに2着に終わった。

　終いは良い脚を使っていたため、スタートで出遅れずに先行出来ていれば勝ち負けだっただろう。

3歳未勝利 7/30 新潟芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

ミナモトフェイス

　まずまずのスタートを切ると出たなりに先行する。

　道中は先行集団のインで脚を溜めると、直線ではインコースで馬群から抜け出して勝利した。

　馬場傾向通りの好走な上にゴール前の余力もさほど残ってなかったため、特に評価点はない。

月岡温泉特別(2勝クラス) 8/7 新潟芝2000m(良)

出走各馬のレース内容

セントカメリア

　まずまずのスタートを切ると鞍上は前から5番手辺りに付けようとしたが、セントカメリアがかかって先行2,3番手辺りまでポジションを上げることになる。

　道中は逃げるタガノカイの後ろで脚を溜めると、直線ではこれを楽な手応えでかわす。

　しかし、インコースから来たラーグルフと叩き合いになるも、1/2馬身及ばずに2着に敗れた。

　先行有利な展開に上手く乗じたとはいえ、序盤にエキサイトしてしまってポジションを上げた点はいただけない。

　だが、その後に馬を宥めて脚を溜めた鞍上の手腕と、直線で鞍上のゴーサインに対してすかさず加速した馬の素直さは少し評価出来る。

3歳上1勝クラス 8/14 小倉芝2000m(良)

出走各馬のレース内容

エグランタイン

　まずまずのスタートを切ると出たなりに先行2,3番手辺りに取り付く。

　道中はベリーヴィーナスの直後で折り合うと、3コーナー半ばから鞍上の手綱が動き、徐々にスパートを開始。

　直線入り口でベリーヴィーナスをかわすとラチ沿いで突き抜け、2着と3馬身差で圧勝した。

　斤量52kgと馬場傾向には恵まれたが、2着に3馬身付けた勝ちっぷりは少し評価出来る。

　そのため、ローズSでも展開に恵まれるならば再びの好走に期待したい。

ベリーヴィーナス

　五分のスタートだったが、1周目のホームストレッチで徐々に加速すると1コーナー手前でハナに立つ。

　道中はマイペースで逃げたものの、3コーナー終い辺りで始まった各馬のスパートに付いて行けず、9着に大敗。

　基礎スピードが足りないせいでレース後半のスパートに対応出来なかったのが敗因だ。

3歳上1勝クラス 8/20 新潟芝1800m(やや重)

出走各馬のレース内容

ルージュリナージュ

　五分のスタートを切ると出たなりに好位5番手辺りに付ける。

　道中は行きたがったが馬込みで宥められて脚を溜めると、直線では馬場の真ん中から力強く伸びて勝利した。

　馬場傾向には恵まれたが、3着以下を3馬身離して突き抜けた内容は少し評価出来る。

3歳上1勝クラス 8/21 札幌芝2000m(良)

出走各馬のレース内容

ヒヅルジョウ

　五分のスタートを切ると二の脚を活かして逃げの手を打つ。

　前半1000mが1.00.7というペースを刻むと、3コーナーからは徐々に垂れ始めた他の先行勢を引き離しにかかり、そのまま逃げ切り勝ちを収めた。

　逃げ馬に有利な馬場傾向が味方した好走だったが、2着に2馬身1/2差で完勝したタフさに関しては少し評価出来る。

マイシンフォニー

　五分のスタートだったが、前目のポジションを取りに行かず、レース序盤は後方で脚を溜める。

　3コーナーに差し掛かると捲りを開始し、直線入り口で前から5番手辺りまでポジションを上げて逃げ馬を捕まえようとしたが、追走は届かずに2着に敗れた。

　道中でのポジション取りが後ろ過ぎたのが敗因だが、3コーナーから自ら動いて勝ちに行った機動力と、3着に3馬身差を付けたタフさに関しては少し評価出来る。