ドウデュース、インダストリア、アスクビクターモアの3頭が上位人気だが、賞金が足りている馬が思わぬ敗戦を喫するのがトライアルレースの醍醐味だ。
人気馬に食い込める穴馬がいないか探した所、
1頭面白そうな穴馬を見つけたため、出走全馬の前走を振り返りつつ紹介していく。
この記事が何らかの形で参考になれば幸いである。
この記事で分かること
- 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
- ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる
- 巻き返しに期待がかかる1頭が分かる
筆者の自己紹介
各ステップレースのまとめ
京都2歳S(G3) 2021/11/27 阪神芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
ジャスティンロック
まるで歩き出すような平凡なスタートだったため、自然と後方2番手からのレースとなる。
レース序盤はゆったりとしたペースの中を後方待機すると、3コーナー後半で馬群外から捲って先行集団に付ける。
そして直線では内ラチから3,4頭分外のインコースで末脚を伸ばし、重賞を初制覇した。
馬場傾向通りの好走につき、特に評価点はなし。
朝日杯FS(G1) 2021/12/19 阪神芝1600m(良)
出走各馬のレース内容
ドウデュース
五分のスタートを切って出たなりに馬群外の中団9番手辺りに付けると、キッチリ折り合ってレースを運ぶ。
直線でスムーズに外に出すとオタルエバーの煽りを受けて外に膨らんでしまったが、馬場の5分所辺りから脚を伸ばすとセリフォスを捕らえて勝利した。
馬場傾向と展開は向いたが、直線で見せた
鞍上のゴーサインに対してすぐに反応して加速した従順さは評価出来る。
ホープフルS(G1) 2021/12/28 中山芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
ラーグルフ
スタートはあまり良くなかったが、内枠発走と周囲にテンが早い先行馬が居なかったおかげで、好位5番手辺りのインコースに付けることに成功。
道中は馬込みでキッチリと折り合うと、直線ではインコースから先頭を狙ったが、キラーアビリティを捕らえきれずに3着に敗れた。
終始インコースを立ち回った割には終いの加速がイマイチだった上に、スタートで出負けしたにもかかわらず前目のポジションが取れたことを考えると、
今回の3着は内枠を引けたことが大きな要因である可能性が高い。
したがって、この結果はレースのアヤと言わざるを得ず、ラーグルフに高い評価は出来ない。
ボーンディスウェイ
好スタートを切ったがハナには立たずに控え、逃げるグランドラインを前に置いてのレースとなる。
向こう正面では逃げ馬から約4馬身程離れた2番手で折り合いに専念すると、3コーナー地点からスパートを開始し、直線ではインコースで粘り込んで5着に入線。
馬場傾向に恵まれた好走につき、特に評価なし。
マテンロウレオ
平凡なスタートでゲートを出たが、周りの各馬より二の脚が遅かったので、中団10番手辺りに控える競馬となる。
道中はジッと脚を溜めると、3コーナー終いで鞍上からゴーサインが出てスパートを開始。
直線は大外から末脚を伸ばすも、4着から僅差の6着に追い上げた所でゴール板を通過した。
前に居た馬とインコースの馬が比較的有利な馬場傾向が味方しなかった敗戦につき、このレースは
度外視可能だ。
アケルナルスター
五分のスタートだったが、後方2番手に控える競馬を取る。
道中は後方でジッと待機すると、3,4コーナーでインコースを立ち回り、そのまま直線を向く。
そして直線ではすぐ内側にフィディルがいたので馬場の3分所辺りに進路を求めたが、鞍上が外の進路が開かないと見るや内に切り替えて脚を伸ばし、7着入線。
このレースでの敗戦理由は、後方からの競馬になってしまったせいで、前に居た馬とインコースの馬が比較的有利な馬場傾向を味方に出来なかったからだ。
直線で進路を内に切り替えた後のムチに対しては抜群の反応を示したため、もしも直線で最初からインコースを突いて上手く捌けていれば、
ひょっとすると3着入線くらいはあったかもしれない。
だが、アケルナルスターよりも外を回して6着入線したマテンロウレオには見劣りする結果なので、タフな条件下におけるアケルナルスターの終いの決め手に関しては高い評価は出来ない。
3歳1勝クラス 1/5 中山芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
アスクビクターモア
スタートを出ると鞍上の田辺騎手に前に行くように促されたが、なまじ勢い付いたばかりに行きたがってしまい、結局3コーナー付近まで鞍上に抑えられっぱなしだった。
だが、4コーナーから一杯に追われると直線ではレヴァンジルと併せ馬になり、これを競り落として優勝。
3コーナーまで終始折り合いを欠いてしまった点はいただけないが、
ノーステッキで勝利した点は着差以上に強い内容だったので少し評価出来る。
ジュニアC(L) 1/5 中山芝1600m(良)
出走各馬のレース内容
インダストリア
五分のスタートだったが鞍上の戸崎騎手に促されて先行集団に加わる。
道中ではやや行きたがるも鞍上に宥められながら脚を溜める。
すると、直線では鞍上から仕掛けられた瞬間に反応良く加速して外から脚を伸ばし、
ノーステッキで圧勝した。
確かに、今回の勝利は馬場傾向が味方した上に相手に恵まれた。
それから、道中での折り合いや直線で左にヨレてしまう点は課題だが、直線で
鞍上のゴーサインに瞬時に反応したのとノーステッキで勝利したのは評価出来る内容だ。
京成杯(G3) 1/16 中山芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
ロジハービン
スタートは出たが二の脚が付かずに後方集団に属してレースを進める。
2コーナー終いから前半1000mにかけては行きたがるのを抑えられていたが、1000mのハロン棒を通過した辺りで馬が我慢出来ずに馬群外から進出を開始。
すると、3,4コーナーでは上手く前から5,6番手に付けて先行勢を射程圏に捉え、直線では馬場の2,3分所からインコースでもがく各馬を呑み込みにかかる。
しかし、残り100m付近で外から伸びてきたオニャンコポンに捕まってしまい、2着でレースを終えた。
今回の好走は、
やや暴走気味に捲ったことが奏功したからだ。
そしてその捲りが実った理由は、前半1000mのペースが比較的緩かったことと、内の芝が荒れていたせいでインコースを走った馬達が苦しくなる外差し有利な馬場傾向だったこと、そして外枠発走だったおかげで1000mのハロン棒を通過後に前が壁にならずに
スムーズに捲れたことがハマっただけだったからである。
その上、ゴール前での余力もあまり残せていなかったため、今回のレースでは特に評価すべき点はない。
若駒S(L) 1/22 中京芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
リューベック
好スタートを切ると逃げるリアドの直後に付けるが、2コーナー終いで馬が我慢出来ずに先頭に立ってしまう。
その後はマイペースで逃げると、直線では抜群の手応えでラチ沿いから脚を伸ばし、2着に1馬身 1/4差を付けて勝利した。
前半1000mが1.02.6秒のドスローペースが味方した勝利なので、特に評価点はない。
きさらぎ賞(G3) 2/6 中京芝2000m(やや重)
出走各馬のレース内容
マテンロウレオ
平凡なスタートでゲートを出ると、出たなりに中団に控える。
向こう正面では中団馬群でジッと脚を溜めると、4コーナーのカーブから追い出しを開始。
直線では馬場の2,3分所から末脚を伸ばすと、ダンテスヴューとの追い比べを制して勝利した。
馬場傾向通りの好走につき、特に評価点はない。
メイショウゲキリン
五分のスタートを切ると徐々に二の脚を加速させてハナに立つ。
道中は比較的薄いマークを受けながらマイペースを刻むと、4コーナー中間から鞍上の手が動く。
直線ではラチ沿いで逃げ粘ったが、残り100m付近でマテンロウレオらにかわされてしまい、3着に敗れた。
比較的楽に逃げることが出来た展開は向いたが、直線で
芝が荒れたインコースを通って好走したタフネスさは少し評価出来る。
共同通信杯(G3) 2/13 東京芝1800m(やや重)
出走各馬のレース内容
アケルナルスター
好スタートを切ったが、後方に下げて追い込みの競馬を行う。
直線では馬場の5分所辺りからふらつきながら追い込むも、前に居た馬達をかわせる末脚を発揮出来ず、9着に敗北した。
差し有利な展開で上がり上位の末脚を繰り出せなかったのは不満だが、いくら外差し有利な馬場とはいえ、直線で馬場の5分所に出すのはさすがに距離ロスが大き過ぎるし、末脚の不発に関しては雨でぬかるんだ馬場のせいなため、このレースは
度外視可能だ。
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