【スプリンターズS2021】5分で分かる！出走全馬の前走のまとめ

　驚異的な末脚で秋の短距離王のタイトルをかっさらっていったグランアレグリアが不在の今年は、新興勢力の台頭が著しく、まさに群雄割拠といった顔ぶれだ。

　そのため、どの馬を買うべきかお困りの方が多いのではないだろうか。

　

　そこで、今回は「スプリンターズSでの穴馬をお探しの方」や「スプリンターズSの各ステップレースをざっくり見直したい方」、「いちいち各ステップレースを見直すのがメンドイ方」向けに、前半では出走各馬のステップレースをざっくりまとめ、後半では巻き返しに期待がかかる穴馬をピックアップすることで、予想作業の手間を省くことが目的の記事を作成した。

　この記事が何らかの形で参考になれば幸いである。

この記事で分かること

• 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
• ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる
• 巻き返しに期待がかかる1頭が分かる

筆者の自己紹介

各ステップレースのまとめ

スプリンターズS(G1) 2020/10/4 中山芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

ダノンスマッシュ

　スタートで出遅れた上に隣のモズスーパーフレアに寄られたが、自身の周りにモズスーパーフレア以外でテンが早い馬が居なかったため、内枠から二の脚を使って先行4番手を確保した。

　道中で徐々に芝が傷んだインコースから傷んでいない外へ進路を調整すると、直線では馬場の3分所辺りから末脚を伸ばしたが、グランアレグリアの鬼脚に屈して2着に終わった。

　枠順と周囲の馬の作戦でスタートの出遅れが致命傷にならなかった展開のアヤがあったが、それ以外は完璧なレース運びだったので、相手が悪かったとしか言えない敗戦であった。

アウィルアウェイ

　道中は後方16番手を追走。

　直線は馬場の5分所辺りから追い込んで3着に滑り込む。

　馬場や流れが向いた好走につき、特に評価点は無い。

クリノガウディー

　まずまずのスタートを切るも、先行争いには加わらず後方からレースを進める。

　直線では馬場の4分所から追い込んで5着に好走したが、展開と馬場に恵まれた形なので、特に評価点はない。

モズスーパーフレア

　内枠から好スタートを切るが、直後にビアンフェにピッタリとマークされる。

　3コーナー手前で馬群を5馬身程引き離す逃げを打ち、直線は最内で逃げ込もうとするが、残り100m付近で力尽きてしまう。

　差し有利な馬場に加え、終始ビアンフェにマークされたせいで一息入れる事もままならない展開だったので、度外視可能。

エイティーンガール

　まずまずのスタートを切るが、先行策は取らずに後方に下げる。

　4コーナーでは少し手応えが悪かったものの、直線は馬場の4分所付近に上手く出して追い込みの体勢を取る。

　だが、ラスト200m付近で外からクリノガウディーに寄られたせいで進路がカットされ、思ったように末脚を伸ばすことが出来なかった。

　展開は差し有利だったが勝負所でスムーズさを欠いたので、このレースは度外視可能。

ビアンフェ

　6枠から好スタートを決めるとハナに立とうとしたが、内枠から先手を主張したモズスーパーフレアをピッタリとマークし、これと共に後続を突き放してレースを進める。

　しかし、直線に入ると早くもガス欠を起こしてしまい、16着に大敗。

　モズスーパーフレアをマークしたのが裏目になってしまったのが敗因だ。

チェアマンズスプリントプライズ(G1) 4/25 シャティン芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

ダノンスマッシュ

　スタートで出遅れてしまったが、二の脚でポジションを好位8番手辺りに押し上げた。

　しかし、4コーナーで追われた時の手応えは怪しく、直線で大外に持ち出されても末脚を伸ばせずに6着に敗北した。

　出遅れがあった上に前半600mが約34秒という芝1200mにしては緩い流れ、そして終始馬群外を回らされた不利があったため、このレースは度外視可能だ。

函館スプリントS(G3) 6/13 札幌芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

ビアンフェ

　発馬は5分だったが強目に追われるとハナを目掛けて二の脚を加速させる。

　すると、他にハナに立ちたい馬がいなかったため、狙い通り主導権を奪った。

　道中は1,2馬身後ろに後続を引き連れて逃げると、直線ではラチ沿いで粘り込み、3つ目の重賞タイトルを手に入れた。

　馬場傾向通りの好走なので、特に評価点はない。

ミッキーブリランテ

　スタートは悪くなかったが、ミッキーブリランテの二の脚がライバルたちの二の脚の速さには及ばなかったため、中団馬群10番辺りからの競馬になる。

　だが、道中でキッチリ折り合うと直線では馬場の2分所から末脚を伸ばし、2着のカレンモエにハナ差まで迫る3着に好走。

　道中でのポジションが若干後ろよりだったのが敗因だ。

パラダイスS(L) 6/27 東京芝1400m(良)

出走各馬のレース内容

シヴァージ

　平凡なスタートで後方からのレースとなる。

　直線は馬場の3分所辺りから追い込んだが、残り200m辺りで脚がアガってしまい、5着に敗北。

　前有利な展開と上がり33秒台前半が求められる末脚比べが向かなかったのが敗因だ。

北九州記念(G3) 8/22 小倉芝1200m(やや重)

出走各馬のレース内容

ファストフォース

　好スタートを切って強目に追われると、逃げるモズスーパーフレアから少し離れた3番手で馬群を率いる。

　直線では馬場の4分所辺りから末脚を伸ばして2着に好走。

　馬場傾向と展開に恵まれた好走なので、特に評価点はない。

モズスーパーフレア

　抜群のスタートで難なくハナを奪うと、前半400m地点で2番手のボンセルヴィーソを約3馬身程離して単騎逃げを打つ。

　3コーナーに差し掛かると、大抵の馬が芝が荒れたラチ沿いを避けて馬場の外側を走っていたのに対し、モズスーパーフレアはラチ沿いを立ち回り、直線もラチ沿いで逃げ粘り、3着に好走した。

　脚質的に見れば前目の馬に有利な馬場を味方に付けた好走だったが、実質58.5Kgのトップハンデだったことと3コーナーから芝が荒れたインコースを立ち回ったロスがあったことを考えると、モズスーパーフレアが着順以上に強い競馬をしたと言えるレースだった。

ジャンダルム

　スタートが悪かったせいで後方ポジションからの競馬を余儀なくされる。

　直線では馬場の5,6分所辺りから追い込んだが7着入線が精一杯だった。

　出遅れたアクシデントのせいで凡走したため、このレースは度外視してよい。

アウィルアウェイ

　まずまずのスタートで出たなりに中団10番手辺りで折り合い良く脚を溜める。

　だが、直線では馬場の4分所辺りから末脚を伸ばそうとしたが不発に終わり14着に大敗した。

　降雨で前が残りやすい馬場が向かなかったのが敗因なので、良馬場の小回りコースで見直したい。

キーンランドカップ(G3) 8/29 札幌芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

エイティーンガール

　やや煽ったスタートで出遅れたが、バックストレッチで徐々に加速すると、3コーナー地点で前から10番手辺りにまでポジションを上げた。

　直線では馬場の5,6分所へ進路を取るとグングン追い込み、勝ち馬とクビ差の2着に好走した。

　概ね馬場傾向の好走につき、特に評価点はない。

メイケイエール

　平凡なスタートだったが二の脚で先団4,5番手辺りへポジションを上げる。

　しかし、馬が勢い付いてさらに前へ行きたがり、手綱を引いて懸命に宥める武豊騎手の制止を振り切ってハナに立つ。

　直線ではラチ沿いで逃げ込みを図ったが、外から来た各馬の後塵を拝し、7着に敗れた。

　折り合いを欠いて暴走気味に逃げてしまったのが敗因だ。

ミッキーブリランテ

　まずまずのスタートで好位8番手辺りに付けると、3コーナー入り口で早くも鞍上が強く追い始める。

　その勢いのままコーナーで馬群大外からスパートしたが、直線で末脚は爆発せずに10着に敗北。

　直近で好走した函館SSや阪急杯のように、「3,4コーナーでは自身の前に馬を置いて直線でゴーサインを出す」といったパターンを踏まずに大外から追い通したのが敗因か。

ロードアクア

　1枠1番からまずまずのスタートを切ると、二の脚を使って先行集団に加わる。

　そのまま直線まで内ラチを立ち回ってコースロスを防いだが、直線では早々に失速して13着に大敗。

　内枠を引いたせいで開幕後半の荒れた馬場の恩恵を得られなかったのが敗因か。

セントウルS(G2) 9/12 中京芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

レシステンシア

　4枠8番から好スタートを決めると出たなりに先行2番手を確保。

　3,4コーナーでラチ沿いを立ち回ると直線でも最内から粘り込み、ピクシーナイトの追撃をクビ差凌いで勝利した。

　レース展開と馬場傾向には恵まれたが、3着以下に1馬身1/4差を付けたのは少し評価出来る。

ピクシーナイト

　8枠15番からまずまずのスタートを切ると、やや行きたがる素振りを見せながらも好位6番手辺りのポジションを確保する。

　直線では馬場の3分所辺りからジワジワ末脚を伸ばし、ゴール前で若干脚がアガりながらもレシステンシアにクビ差まで迫る2着に好走した。

　レース展開と馬場傾向には恵まれたが、3着以下に1馬身1/4差を付けたのは少し評価出来る。

クリノガウディー

　7枠14番から好スタートを切ると出たなりに先行4番手辺りに付ける。

　直線では馬場の2分所辺りから粘り込みを図ったが、ゴール前100m辺りで脚がアガり、3着に終わった。

　展開と馬場傾向は向いたが、早いアガリを使える脚が短かったことが敗因だ。

ジャンダルム

　煽ったスタートのせいで最後方からのレースとなってしまう。

　直線で馬場の3分所辺りに持ち出されると、坂を上った辺りから一杯に追われながら追い込み、クリノガウディーにハナ差の4着に好走した。

　致命的な出遅れがあった上に追い込み不利な展開と馬場傾向という明確な敗因がありながら、直線だけで勝ち馬から0.2秒まで差を詰めた末脚は高く評価出来る。

　この内容ならば、中京よりもさらに直線が短くなる中山1200mでも好勝負が期待出来る。

タイセイビジョン

　馬がゲートが開くタイミングを誤ったせいで出遅れてしまい、後方15番手辺りからの競馬を余儀なくされる。

　直線では馬場の4分所辺りから追い込んだが、上位入線は叶わずに7着に終わった。

　出遅れと追い込み馬に不利な馬場が向かなかった敗北なので、このレースは度外視可能だ。

ラヴィングアンサー

　平凡なスタートで後方12番手辺りからの競馬。

　直線入り口では馬場の3分所辺りから加速を始めると、徐々に馬場の4分所へ進路を切り替えながら末脚を伸ばし、8着に入線した。

　追い込み馬に不利な馬場が向かなかった敗北なので、このレースは度外視可能だ。