【高松宮記念2021】5分で分かる！出走各馬の前走のまとめ

　予想オッズではレシステンシアとダノンスマッシュが人気を集めているが、前者は主戦騎手の乗り替わりと初の1200m、後者は1200mの実績は申し分ないが鬼門の高松宮記念と、両者とも一抹の不安が付きまとう。

　また、その他のメンバーもマイル主戦場の馬が目立つもののやはりレシステンシア同様に1200mへの適性が未知数だったり、1200mが主戦場だがマイル路線組との力関係は如何にといった疑問が付きまとうため、買う馬の狙いが定まらずにお困りではないだろうか。

　そこで今回の記事は、「高松宮記念で狙う馬を探している人」や「出走各馬の前走をざっとおさらいしたい人」、「ステップレース分析が面倒な人」向けに、記事前半では出走各馬のステップレースをざっくりまとめ、後半では巻き返しに期待がかかる馬をピックアップすることで、予想作業の手間を省くことを目的にしている。

　この記事が何らかの形で皆様の役に立てば幸いである。

この記事で分かること

1. 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
2. ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる
3. 巻き返しに期待がかかる1頭が分かる

筆者の自己紹介

各ステップレースのまとめ

京阪杯(G3) 2020/11/29 阪神芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

シヴァージ(回避)

　まずまずのスタートを切ったが、後方15番手の待機策を取る。

　3コーナーに差しかかると馬なりのまま大外を進出すると、直線では馬場の4～6分所へなだれ込んで末脚を伸ばし、5着に入線。

　展開にはやや恵まれたが、外を回すより内を通った方が好走しやすい馬場だった。

　したがって、今回の追い込みに関しては外を回したロスがあったので、評価出来るレースぶりだ。

トゥラヴェスーラ

　まずまずのスタートを切ると、好位6番手に付ける。

　直線は馬場の3分所辺りから末脚を伸ばすが、ややバテ気味の6着に終わった。

　これといった不利は受けていないが、展開がやや差し馬に恵まれたのを考えると、今回のレースは展開が向かなかったと大目に見ることが出来る。

レッドアンシェル

　まずまずのスタートでゲートから飛び出すと、中団10番手以下で脚を溜める。

　3～4コーナーで進路を外に求めると、直線はフィアーノロマーノを追うように馬場の3分所からスパートを開始。

　だが、残り200mで脚が上がってしまい、14着に惨敗してしまう。

　序盤の位置取りが後ろ過ぎたのと、直線のコース取りが少し外目だったのが敗因だ。

香港スプリント(G1) 2020/12/13 シャティン芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

ダノンスマッシュ

　大外枠から好スタートを切ったものの、内枠から発走したライバル達のテンが早かったので先行策はあきらめて中団7番手辺りに付ける。

　前半600mの通過タイムが約32秒5という超ハイペースの中、ダノンスマッシュは徐々に馬群の外から加速体制を取る。

　直線を向いてゴーサインが出ると馬場の3分所から抜群の手応えで末脚を伸ばし、2着ジョリーバナーらの追撃を退けて勝利した。

　国際レース勝利は見事だったが、香港スプリントにしては実績のある馬の出走が少なかった上に、超ハイペースで差し馬に展開が向いた中での勝利につき、トラックバイアスに反した走りとは言い難い。

阪神カップ(G2) 2020/12/26 阪神芝1400m(良)

出走各馬のレース内容

ダノンファンタジー

　好スタートを決めると前から4、5番手辺りのインコースで先行策を取る。

　道中はイベリスのペースに楽に追走して脚を溜めると、直線ではゴーサインと共に内ラチから2頭分空けたコースから素早く加速し、1着入線。

　先行有利な状態だったので展開には恵まれたが、芝が荒れたインコースを通って勝利した荒れ馬場適性は評価可能。

マルターズディオサ

　大外枠から好スタートを切るとジワジワと加速して先行3、4番手辺りのポジションを確保。

　馬場の3分所で直線を向くと抜群の手応えで追い出しに反応し、6番人気ながら2着に好走した。

　先行有利な馬場が味方した結果につき、際立った評価点は無い。

インディチャンプ

　まずまずのスタートだったが中団10番手以下で末脚勝負にかける。

　直線では馬場の5分所付近からピッチ走法で猛然と追い込むも3着入線が精一杯だった。

　この結果は前有利な展開と馬場によるものなので、大目に見ることが出来る。

サウンドキアラ

　スタートはさほど良くなかったが、鞍上がやや強めに追っ付けると隊列の丁度中間付近に収まった。

　直線では外にいたインディチャンプと併せ馬で末脚を伸ばして4着入線。

　この敗戦は展開及び馬場に泣いた結果なので、大目に見ることが出来る。

クリノガウディー(除外)

　やや出足が悪く、道中は前から9番手程のポジションに付ける。

　3～4コーナーは最内を進んでロスを抑えると、直線で馬場の2分所から末脚を伸ばすが、馬場の3分所から強襲したインディチャンプらに差されて5着に終わる。

　4コーナーで前にいたダノンファンタジーとマルターズディオサがワンツーな上に、逃げたイベリスが6着に残る先行有利な展開だったことと、やや芝が荒れた馬場の2分所から差してきた割には最後まで末脚を伸ばしていることを考えると、クリノガウディーの地力の高さが改めて実感出来る内容だった。

ミッキーブリランテ

　15番枠からまずまずのスタートを切ると、3コーナーまでのバックストレッチを利して一気に先頭から4番手辺りまでポジションを押し上げる。

　3コーナー終い付近からは鞍上の松若騎手に一杯に追われながらスパートを始めたが、直線に入って余力が残っておらず、ビリになってしまった。

　バックストレッチでの急なポジションアップが裏目に出た印象だ。

シルクロードS(G3) 1/31 中京芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

シヴァージ(回避)

　平凡なスタートを決めると中団10番手辺りに付ける。

　3～4コーナーでは馬群の外に位置取りつつ追走し、直線の馬場の5分所へなだれ込んだ。

　残り400m付近から一杯に追われると抜群の手応えで末脚を伸ばし続け、待望の重賞タイトルを獲得した。

　当時の中京のトラックバイアスが味方したのと、追い込み競馬でなく中団待機策を取った鞍上の好判断による勝利につき、特に評価点は無い。

ライトオンキュー

　内枠から好スタートを決めると先団5番手辺りのインコースで脚を溜める。

　直線は芝が荒れた馬場の2分所から粘り込み、2着に好走。

　ライトオンキューの背負ったハンデ(57.5kg)と直線で馬場が傷んだコースを通り続けたのを考えると、健闘したと言える走りだった。

ラウダシオン

　スタートは平凡だったが、鞍上のデムーロ騎手に促されながら先行グループに取りついた。

　直線は馬場の4分所から末脚を伸ばして3着に好走。

　馬場傾向通りの好走につき、特に評価点は無い。

セイウンコウセイ

　内枠から好スタートを切るとスンナリと先頭から3番手の位置を確保。

　直線は馬場の2分所と3分所の間を通って粘り込むが、5着に終わった。

　特に不得意な条件ではないように見えたのに5着止まりだったのは、流石に能力の衰えが出てしまった印象を受けた。

エイティーンガール

　好スタートを切ったにもかかわらず、前目にポジションを取らずに最後方にポジションを取った。

　直線は馬場の6分所辺りから追い込むが、14着に惨敗。

　後方勢に不利な馬場が合わなかった。

トゥラヴェスーラ

　まずまずのスタートを切ると中団に位置取るが、道中でかかって前に行きたがるのを鞍上が手綱を引いて懸命になだめていた。

　そのせいか、4コーナーでは若干耳を絞っており、直線で伸びを欠いて15着に大敗。

　折り合いを欠いてしまったのが一番の敗因だ。

クリノガウディー(除外)

　スタートから一杯に追われながら果敢に先団グループを目指し、先頭から2番手の位置に付けた。

　残り400m地点からゴーサインが出ると抜群の反応で加速したが、残り200m地点で失速してしまって16着に終わる。

　クリノガウディーが先行競馬で押し切るには、少し流れが速かったようだ。

モズスーパーフレア

　好スタートを切るとスンナリとハナに立つ。

　直線は馬場の3分所から逃げ切りを狙うが、残り200mを待たずに後続勢に捕まってしまい、ブービーに終わる。

　今回の条件は苦手な左回りな上に、ホームストレッチではずっと右手前で走っていただけに、モズスーパーフレアに条件が向かなかったゆえの敗戦だったと言える。

阪急杯(G3) 2/28 阪神芝1400m(良)

出走各馬のレース内容

レシステンシア

　好スタートを切るとスンナリ先団グループのポジションを得る。

　その後、3コーナーまでのバックストレッチを利用して、ロードアクアからジワリとハナを奪った。

　すると、3～4コーナー及び直線では経済コースを立ち回り、逃げ切り勝ちを収めた。

　馬場傾向を活かした好走につき、際立った評価は出来ない。

ミッキーブリランテ

　内枠から好スタートを決めて先行策を取る。

　道中ではインコースを立ち回ると、直線では馬場の2分所からジワジワと脚を伸ばして2着に激走。

　馬場傾向が味方した好走につき、特に評価点は無い。

インディチャンプ

　まずまずのスタートで前から9番手辺りに付けると、3～4コーナーでは直線で外から追い出すべく、馬場の外へ進路を変える。

　直線では馬場の3分所から末脚を伸ばすが、4着に敗北。

　前有利な馬場で中団から末脚を伸ばしたことを考えれば、悪くない走りだった。

ダノンファンタジー

　スタートで出遅れてしまい、後方からの競馬を余儀なくされる。

　直線は馬場の2、3分所から末脚を伸ばすが、5着入線に終わった。

　スタートでの出遅れが敗因なので、このレースは度外視可能だ。

クリノガウディー(除外)

　好スタートを決めると先行策を取るが、3コーナーの入り口付近でかかる仕草を見せた。

　4コーナー終いから岩田望来騎手からゴーサインが出るが、レコードタイム級の速い流れに付いていけず、9着に終わった。

　脚質的には有利だったにもかかわらず、直線であっけなく馬群に沈んだのを見ると、速い基礎スピードが問われる展開への適性が低いと言わざるを得ない。

　もう少し馬力が問われる馬場でなければ、クリノガウディーの好走は期待出来ないだろう。

カツジ

　スタートで出遅れてしまい、後方からの競馬を余儀なくされる。

　直線では馬場の2分所から抜け出しを図るが、残り300m付近から追われても目立った伸びを見せず15着に大敗した。

　スタートで出遅れなければ、もう少し着順を上げられたかもしれない。

オーシャンS(G3) 3/6 中山芝1200m(やや重)

出走各馬のレース内容

ダイメイフジ

　まずまずのスタートを切ると出たなりのポジションの好位6番手辺りに付ける。

　3、4コーナーでは馬群の外を立ち回って、直線の馬場の3分所から末脚を伸ばすが、6着に終わった。

　道中のポジションが少し後ろだった印象だ。

アストラエンブレム

　スタートが悪く、後方からのレースになってしまう。

　直線では馬場の3分所から末脚を伸ばすが9着に終わった。

　前に付けた馬に有利な馬場が合わなかった。

アイラブテーラー(除外)

　スタートからやや強めに押っ付けるも馬が出ていかずに最後尾からの競馬になる。

　もちろん、当時の前目の馬に有利な馬場では末脚は不発に終わり、11着に惨敗。

　差しが利かない馬場だったので、ノーカウントでよい。

アウィルアウェイ

　スタートは良かったが、すぐにポジションを後方に下げる。

　4コーナーから鞍上の三浦騎手から一杯に追われて大外(馬場の5分所辺り)から追い込むも12着に惨敗。

　アイラブテーラー同様に展開が向かなかったものの、直線で大外を通った上に最後まで末脚を伸ばしていたので、内容的にはアイラブテーラーより評価が上だ。

エイティーンガール

　スタートはまずまずだったが、すぐに後方ポジションに付ける。

　直線は馬場の5分所付近から追い込もうとするが、伸びきれずに15着に大敗。

　差しが利かない馬場だったので、ノーカウントでよい。

巻き返しに期待がかかる1頭

　今回はライトオンキューに期待する。

　前走はトップハンデと0.5kgしか違わない57.5kgを背負いながら、直線で荒れたインコースを通って2着に好走する地力の高さを見せた。

　ライトオンキューはこれまでは時計がかかる条件での好走が目立っていたが、前走の走破タイムは過去の高松宮記念の勝ちタイムと遜色がないもので、これで速いタイム決着にもメドが立ったと言える。

　また、レース当日はもしかしたら雨が降るかもしれないが、ライトオンキューは渋った馬場にも実績があるため、良馬場だろうが重馬場だろうが大勢に影響はあるまい。

　ビッグアーサーが勝った時のような超高速馬場になった時はさすがに怪しいが、それ以外の馬場ならば好走の期待が大だと考える。

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