【シルクロードS2021】予想の手間が省ける！出走全馬のステップレースのまとめ

　出走馬の大半が敗戦からの臨戦過程で、戦前からハンデ重賞ならではのカオスぶりが十二分に感じられる。

　また、最重量と最軽量の斤量差が4kgと、ハンデ重賞としては比較的マイルドな設定や、今週の中京競馬場のBコース替わりといった要因も馬券取捨の難しさに拍車をかけている。

　そこで、今回は「出走各馬の前走をざっとおさらいしたい人」、「ステップレース分析が面倒な人」、「馬券取捨の材料を探している人」向けに、出走各馬のステップレースをざっくりまとめ、予想作業の手間を省くことを目的とした記事を作成した。

この記事で分かること

1. 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
2. ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる

筆者の自己紹介

各ステップレースのまとめ

セントウルS(G2) 2020/9/13 中京芝1200m（良）

出走各馬のレース内容

タイセイアベニール

　まずまずのスタートで好位8番手辺りに付ける。

　直線は馬場の3分所から末脚を伸ばし、4着に好走。

　比較的先行有利な展開の中で中団から差して好走したのは若干評価出来る。

トゥラヴェスーラ

　好スタートを切ったが先行争いには加わらず、好位6番手辺りで追走する展開を選ぶ。

　直線は馬場の2分所から末脚を伸ばすが、終いは脚が上がり気味の6着に終わる。

　概ね馬場傾向通りの走りにつき、特に評価点は無い。

クリノガウディー

　発馬が悪く、後方12番手辺りからのレース運びを余儀なくされる。

　直線では馬場の3、4分所から追い込みをかけるが7着までが精一杯。

　外枠の上に発馬が悪く脚を余した形なので、この一戦は度外視してよい。

ラヴィングアンサー

　好スタートを切るが、先行争いには加わらず中団で脚を溜める作戦に出る。

　直線を向いた当初は馬場の2分所から抜け出そうとするが、進路が空かずに馬場の3分所へ進路を切り替える。

　だが、ラヴィングアンサーにとって忙しい競馬だったのか、結局脚が上がり気味に8着入線で終わる。

　道中のポジションがやや後ろだったことに加え、直線ではスムーズに捌けなかったので、この一戦は度外視可能。

シヴァージ

　好スタートを切ったが先行勢を追わず、殿しんがりからの競馬。

　直線では馬場の2分所から上がり3ハロン33秒2の末脚で追い込むが、先行勢を捕まえきれずに10着に敗れる。

　直線で脚を余した上に、ゴール手前で内を走るノーワンと接触して若干スムーズさを欠いてしまったため、このレースは度外視可能。

セイウンコウセイ

　内枠から好スタートを切るとすぐさまハナに立つ。

　直線は最内で逃げ込みを図るが、残り200m地点でガス欠して最下位に終わる。

　テンの3ハロンが33秒というオーバーペースの逃げが裏目になった印象だ。

スプリンターズS(G1) 2020/10/4 中山芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

クリノガウディー

　まずまずのスタートを切るも、先行争いには加わらず後方からレースを進める。

　直線では馬場の4分所から追い込んで5着に好走したが、展開と馬場に恵まれた形なので、特に評価点はない。

モズスーパーフレア

　内枠から好スタートを切るが、直後にビアンフェにピッタリとマークされる。

　3コーナー手前で馬群を5馬身程引き離す逃げを打ち、直線は最内で逃げ込もうとするが、残り100m付近で力尽きてしまう。

　差し有利な馬場に加え、終始ビアンフェにマークされたせいで一息入れる事もままならない展開だったので、度外視可能。

ライトオンキュー

　好スタートと内枠を利して前から4番手辺りで先行策。

　直線では馬場の3分所辺りから粘り込みを図るが、伸びきれずにあえなく大敗してしまう。

　差し有利な馬場のせいで、先行策が裏目に出た印象。

エイティーンガール

　まずまずのスタートを切るが、先行策は取らずに後方に下げる。

　4コーナーでは少し手応えが悪かったものの、直線は馬場の4分所付近に上手く出して追い込みの体勢を取る。

　だが、ラスト200m付近で外からクリノガウディーに寄られたせいで進路がカットされ、思ったように末脚を伸ばすことが出来なかった。

　展開は差し有利だったが勝負所でスムーズさを欠いたので、このレースは度外視可能。

JBCスプリント(Jpn1) 2020/11/3 大井ダ1200m(やや重)

出走各馬のレース内容

モズスーパーフレア

　スタートで若干後手を踏んだことで、序盤は内枠で好スタートを切ったノブワイルドとヒロシゲゴールドとの主導権争いを余儀なくされる。

　ハナを奪った後は経済コースでハイラップを刻み、直線に臨む。

勝負所では最内で逃げ粘るが、残り100mで後続に捕まってしまい、4着に終わる。

　馬券外に負けはしたものの、差し有利な馬場で勝ち馬と0.5秒差ならば惜敗といえる。

　次走の巻き返しに期待がかかる内容だった。

マイルCS(G1) 2020/11/22 阪神芝1600m(良)

出走各馬のレース内容

ラウダシオン

　好スタートですんなり番手を確保。

　直線は内ラチから4頭程空けたインコースで粘り込もうとするが、残り200m地点でバテてしまい、15着に大敗。

　上がり3ハロン33秒台の決め手勝負は不得手なようだ。

京阪杯(G3) 2020/11/29 阪神芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

シヴァージ

　まずまずのスタートを切ったが、後方15番手の待機策を取る。

　3コーナーに差しかかると馬なりのまま大外を進出すると、直線では馬場の4～6分所へなだれ込んで末脚を伸ばし、5着に入線。

　展開にはやや恵まれたが、外を回すより内を通った方が好走しやすい馬場だった。

　したがって、今回の追い込みに関しては外を回したロスがあったので、評価出来るレースぶりだ。

トゥラヴェスーラ

　まずまずのスタートを切ると、好位6番手に付ける。

　直線は馬場の3分所辺りから末脚を伸ばすが、ややバテ気味の6着に終わった。

　これといった不利は受けていないが、展開がやや差し馬に恵まれたのを考えると、今回のレースは展開が向かなかったと大目に見ることが出来る。

リバティハイツ

　まずまずのスタートを切ると、中団10番手辺りに付ける。

　直線では馬場の3分所から末脚を伸ばすが、終いで脚が上がってしまい7着に終わる。

　位置取りがやや後方寄りだったのと、直線で若干外を回らされたロスがあったので、多少大目に見れるレースだった。

タイセイアベニール

　外枠からまずまずのスタートを切ると、道中は外目8番手辺りを追走。

　4コーナーに差しかかると追っ付けながら大外を進出し、直線では馬場の4分所付近になだれ込み、末脚を伸ばす構えを取る。

　しかし、200mのハロン棒前で脚が上がってしまい、凡走。

　直線の余力の無さは物足りないが、直線で大外を回すロスがあったので、度外視可能。

プリモシーン

　平凡なスタートの後、序盤は後方10番手以下からレースを進める。

　3コーナーに差しかかると進路を徐々に外に変える。

　直線では外を回すかと思いきや、インコースに潜り込んで末脚を伸ばそうとする。

　しかし、目立った伸びはなく、10着に敗れてしまう。

　直線進路は比較的有利なインを通ったのでコース取捨については評価点はないが、位置取りが後方寄りだったのは追い込み勢に不利な馬場傾向を考えれば大目に見れる。

ラピスラズリS(L) 2020/12/6 中山芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

コントラチェック

　まずますのスタートだったが先行争いには加わらず、前から10番手位の最内で脚を溜める作戦に出る。

　直線は最内に進路を取ったが、アマルフィコーストがインに切り込んできたせいで進路が塞がり、一瞬手綱を引くロスが発生。

　残り100m辺りで再び進路が開いた時に鞍上に追われると反応良く加速したが、馬場の外から追い込んだ馬達に先着を許し、10着に終わる。

　脚質だけで見れば展開に恵まれたが、勝負所で馬場の外よりやや伸びにくい最内を突いたこととアマルフィコーストに進路を塞がれた不利を考えれば、このレースは度外視可能で、次走以降の巻き返しが期待出来る。

カイザーメランジェ

　スタートはあまり良くないが、レースが始まった途端に鞍上の内田騎手が一杯に追い、インコースからハナを奪取する。

　道中は経済コースでアユツリオヤジを従えて逃げ、直線も内ラチ沿いで粘り込む体勢を取る。

　しかし、残り200m地点であっけなくバテてしまい、最下位に終わる。

　差し有利な馬場が向かなかったので、ここはノーカウントで良い。

飛騨S(3勝クラス) 2020/12/13 中京芝1400m(良)

出走各馬のレース内容

ヴェスターヴァルト

　外枠から好スタートを切ると内の先行馬達を前に行かせ、自身は前から7、8番手に付ける。

　直線は馬場の3分所から末脚を伸ばして快勝。

　先行有利な展開に逆らったので、評価出来る内容。

タンザナイトS 2020/12/19 阪神芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

ラヴィングアンサー

　まずまずのスタートを切ると、後方12、3番手辺りでレースを進める。

　直線は馬場の4分所辺りに出して末脚を伸ばし、僅差で勝利した。

　展開は差しに向いたが、直線で10番手以下に付けた馬には不利な馬場だったのを考えると、今回の大外一気は評価出来る。

ルッジェーロ

　まずまずのスタートで好位8番手辺りを確保。

　直線は馬場の3分所から末脚を伸ばし、勝ち馬と僅差の3着に好走。

　展開は向いたが、外枠発走ながら直線で馬場の3分所から末脚を伸ばしたのは少し評価出来る。

カイザーメランジェ

　発馬は悪くなかったが、先行争いには加わらずに好位で待機策を取る。

　直線では馬場の2分所から末脚を伸ばそうとしたが、残り200m地点で前の馬達が壁になってしまい、思ったように末脚が伸ばせずに敗北。

　勝負所で進路が開かずに不完全燃焼のため、ここはノーカウントでよい。

阪神カップ(G2) 2020/12/26 阪神芝1400m(良)

出走各馬のレース内容

クリノガウディー

　やや出足が悪く、道中は前から9番手程のポジションに付ける。

　3～4コーナーは最内を進んでロスを抑えると、直線で馬場の2分所から末脚を伸ばすが、馬場の3分所から強襲したインディチャンプらに差されて5着に終わる。

　4コーナーで前にいたダノンファンタジーとマルターズディオサがワンツーな上に、逃げたイベリスが6着に残る先行有利な展開だったことと、やや芝が荒れた馬場の2分所から差してきた割には最後まで末脚を伸ばしていることを考えると、クリノガウディーの地力の高さが改めて実感出来る内容だった。

淀短距離S(L) 1/9 中京芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

トゥラヴェスーラ

　好スタートを切ると先行争いが激しくなかったため、労せずに前から4番手辺りのインコースへポジションを取ることが出来た。

　直線では最内からややもたつきながらも上手く馬群から抜け出し、危なげなく勝利した。

　先行有利な馬場で先行し、ロス無く乗った結果の勝利につき、評価点すべき点はない。

ミッキースピリット

　まずまずのスタートで好位6番手辺りに付ける。

　直線は馬場の2分所を通って末脚を伸ばすも、特に目立った伸びを見せずに6着に終わる。

　特に馬場の不利を受けたわけではないので、評価点すべき点はない。

タイセイアベニール

　まずまずのスタートで好位8番手辺りで脚を溜める。

　直線は馬場の3分所へ進路を取り、末脚を伸ばすが7着に終わる。

　直線でインを突かなかったのが裏目に出た印象だ。

ザイツィンガー

　スタート直後から馬群の後方に付け、直線一気に賭ける競馬に出る。

　直線は馬場の4分所辺りから末脚を伸ばすが、残り200m付近でアンヴァルと接触し、さらに外に進路を取らざるを得ないロスが発生。

　結局8着に終わったが、当時の馬場は外枠の追い込み馬にはほぼノーチャンスな馬場だったので、この敗戦は度外視出来る。

カーバンクルS(OP) 1/16 中山芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

カイザーメランジェ

　平凡なスタートで中団10番手辺りを追走。

　直線は馬場の3分所辺りから末脚を伸ばすが、6着に終わった。

　前半600mが34.5秒という1200mにしては遅いペースが先行勢にとって有利な展開だったので、この一戦は度外視可能だ。

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