【クイーンS2021】5分で分かる！出走全馬の前走のまとめ

　牝馬マイル路線からマジックキャッスルらの参戦こそあったものの、小粒感が否めないメンバー構成で狙う馬の取捨にお困りではないだろうか。

　今回は「クイーンステークスでの穴馬をお探しの方」や「クイーンステークスの各ステップレースをざっくり見直したい方」、「いちいち各ステップレースを見直すのがメンドイ方」向けに、前半では出走各馬のステップレースをざっくりまとめ、後半では巻き返しに期待がかかる穴馬をピックアップすることで、予想作業の手間を省くことが目的の記事を作成した。

　この記事が何らかの形で参考になれば幸いである。

この記事で分かること

• 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
• ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる
• 巻き返しに期待がかかる1頭が分かる

筆者の自己紹介

各ステップレースのまとめ

愛知杯(G3) 1/16 中京芝2000m(良)

出走各馬のレース内容

マジックキャッスル

　無難なスタートを切ると出たなりに馬群外の中団10番手辺りに控える。

　向こう正面でジッと脚を溜めると3、4コーナーでは馬なりのまま徐々に馬群外から進出を開始。

　余力十分に直線馬場の4分所に進路を取るとジワジワと加速して2着のランブリングアレーにクビ差を付けて勝利した。

　差し馬向きのハイペースと、直線で荒れたインコースを回避出来たことによる勝利なので高評価は出来ない。

　しかし、3着以下に3馬身差を付けたことを考えれば、距離2000m以下の差し馬向きの馬場ならば地力は高いと見ることが出来る。

シゲルピンクダイヤ

　まずまずのスタートを切ると出たなりに馬群外の好位7番手辺りを確保。

　道中は大馬群を離して逃げる3騎から離れた4番手でレースを進めるサトノダムゼルの直後に付ける。

　3、4コーナーでは馬群外から逃げる3騎との差を詰めると直線では馬場の3分所から末脚を伸ばそうとしたが、直線の急坂を上り切った辺りで脚がアガってしまい、9着に敗北した。

　差し馬有利な速いペースでの先行策が裏目に出たのが敗因だ。

ウインマイティー

　スタートした途端に隣のディアンドルへヨレてしまって馬体が接触してしまったが、鞍上が前へ行くように促しても二の足があまり早くないせいで先団ポジションの確保は叶わず、好位6、7番手のインコースで競馬を進めることになってしまう。

　道中は大馬群を離して逃げる3騎から離れた4番手でレースを進めるサトノダムゼルから約2馬身離れたインコースで脚を溜める。

　しかし、3、4コーナーでの各馬のスパートに付いて行けずに徐々に後退し、14着に大敗してしまった。

　差し有利なハイペースと荒れたインコースを通らされる1枠に祟られてしまったため、このレースは度外視可能だ。

福島牝馬S(G3) 4/24 新潟芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

ドナアトラエンテ

　7枠13番から好スタートを切ったが先行策には出ずに他の先行馬達を見送る形で中団10番手辺りに落ち着く。

　その後は長いバックストレッチで馬群外からジワジワポジションを上げると、3コーナー地点で前から6番手辺りの位置に付く。

　4コーナーで馬なりのまま馬群外を通ると、直線では馬場の3分所辺りからストライド走法でジワジワ脚を伸ばし、勝ったディアンドルとハナ差の2着に好走した。

　スローペースには恵まれたものの、レース序盤で無理に先行グループに取りつかなかったおかげでキッチリ折り合って脚を溜められたことが好走要因だ。

　つまり、この結果は川田騎手の好騎乗の賜物だと言える。

シゲルピンクダイヤ

　4枠8番からまずまずのスタートで発馬するとそのまま先行グループをうかがうが、前に行きたがって掛かってしまったので鞍上に宥められていた。

　直線では馬場の3分所から末脚を伸ばそうとした時は上手く伸びず、残り200mで馬場の外に出されて追われるとジワジワ加速し、インコースのムジカを捕らえようとした所で決着。

　直線では残り200m地点からの末脚が悪くなかっただけに、荒れ馬場適性の少なさが敗因。

ヴィクトリアマイル(G1) 5/16 東京芝1600m(良)

出走各馬のレース内容

マジックキャッスル

　スタートを難なく決めると戸崎騎手がやや押っ付けて中団10番手のインコースに付ける。

　道中でキッチリ折り合うと直線を向くまでインベタでジッと脚を溜めると、直線では内ラチから4、5頭分空けたインコースで馬群を割って末脚を伸ばして3着に好走。

　馬場傾向が向いた好走だったが、終始インコースを立ち回ってコースロスを防いだ戸崎騎手の好騎乗が光った。

シゲルピンクダイヤ

　スタートが若干悪かったが、鞍上の和田騎手が押っ付けて好位のインコースに取りついた。

　4コーナーに入ると直線での追い比べに備えるべく、最内から1、2頭分外のコースに進路を切り替える。

　直線では馬場の2分所から舌を出しながらジリジリと末脚を伸ばしたが、外から差してきたランブリングアレーらに先着を許し、5着に敗北。

　直線で求められた瞬発力の差が出てしまったのが敗因だ。

テルツェット

　平凡なスタートで後方15番手目辺りのラチ沿いに収まる。

　直線入りした途端にデムーロ騎手からゴーサインが出ると抜群の反応で最内から追い込み出したものの、残り300m辺りで脚がアガってしまい、14着に大敗した。

　直線で最内を突いたデムーロ騎手の判断は悪くなく、ゴーサインですぐさまギアを上げる加速力が馬に備わっていることが分かる走りだったが、レコード級のタイムが出る高速馬場で瞬発力のある脚を長く使えるスプリント能力に関しては低いということも分かった。

　したがって、小回りコース且つレコード級のタイムが出ない馬場で見直したい。

HTB賞(2勝クラス) 6/12 札幌芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

マイエンフェルト

　1番枠から好スタートを切ると楽にハナに立つ。

　2コーナー終い辺りでダンツイノーバらに抜かされた際も特にリズムを崩さずに4コーナー終いまでインコースを走り、スタミナを温存。

　そして直線で馬場の2分所辺りに出されると抜群の手応えで末脚を伸ばし、1着入線。

　メンバー最軽量の50kgの斤量と道中で逃げにこだわらなかった川又騎手の好判断による結果なので、好評価は出来ない。

米子S(L) 6/19 阪神芝1600m(重)

出走各馬のレース内容

クラヴァシュドール

　出足が悪かった上に隣のプリンスリターンへヨレてしまったことでこれに弾き飛ばされるという不利を受けてしまうが、二の足の速さで前から9頭目までポジションを上げる。

　3、4コーナーで内ラチから1頭分外を立て回ると直線では馬場の3分所辺りに持ち出される。

　すると渋とく末脚を伸ばし、ゴール前では耳を絞りながらも3着に入線した。

　ゴール前ではバテ気味だったものの、インコースの先行馬に有利な展開で外から末脚を伸ばしたのは評価に値する。

マーメイドS(G3) 6/20 阪神芝2000m(やや重)

出走各馬のレース内容

シャムロックヒル

　1枠1番から好スタートを決めた途端に鞍上の藤懸騎手に強めに追われてハナに立つ。

　向こう正面では2番手のサンクテュエールを約3、4馬身離して気分良く逃げると、3、4コーナー地点で息を抜いて馬群を引き付ける。

　そして、直線では馬場の最内で逃げ粘り、見事重賞初制覇を成し遂げた。

　この勝利は軽ハンデとノーマーク逃げによる恩恵が大きいので、次走以降で再び展開に恵まれて逃げられるとは・・・・・・。

洞爺湖特別(2勝クラス) 7/3 函館芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

サトノセシル

　隣に居たイカットと揃ったスタートを切ると、二の足の速さで先頭に立つ。

　2コーナーでは鞍上に手綱を引かれ気味に逃げていたが、向こう正面に入ると2番手追走のウエストンバートを引き離し、単騎逃げの構えに入る。

　3、4コーナーではイカットに並ばれたものの、リズムを崩すことなく逃げ切って勝利。

　先行有利な馬場と2番手以下の先行馬にプレッシャーをかけられずに進められた展開に恵まれた勝利なので、特に評価すべき点はない。

イカット

　サトノセシル同様に好スタートを決めると、出たなりに先行4番手辺りのポジションを確保する。

　向こう正面では2番手追走のウエストンバートから1、2馬身程離れた3番手でレースを進めると、3、4コーナーでは外から馬なりのままサトノセシルに並びかけ、射程圏に捉える。

　しかし、直線でセシルをかわせなかった上、残り50m付近でインコースから末脚を伸ばしたプライムフェイズらに先着を許し、4着に終わった。

　3、4コーナーで馬群外からポジションを押し上げた事でリズムが崩れたのが敗因か。

スパーキングレディC(Jpn3) 7/8 川崎ダ1600m(重)

出走各馬のレース内容

フェアリーポルカ

　スタートでノメッてしまったせいで想定より後方の位置に付けざるを得なくなる。

　向こう正面では先団グループから3、4馬身離れた5番手でレースを進める。

　4コーナーから先団グループとの差を詰めるべくスパートを開始したが、残り100m辺りで脚色が鈍ってしまい、4着に敗れる。

　序盤でノメるマギレがあった上にダート1600mではスピード負けしているので、このレースは度外視可能だ。

マリーンS(OP) 7/10 函館ダ1700m(やや重)

出走各馬のレース内容

ローザノワール

　8枠13番からスタートした途端に鞍上の国分恭介騎手に一杯に追われ、ハナに立つ。

　だが、1コーナー入り口からタイムフライヤーにピッタリマークされたことで3コーナー終いで手応えが怪しくなり、直線では残り200m付近でタイムフライヤーもろとも馬群に沈んでいった。

　作戦通りハナを奪ったものの、タイムフライヤーにピッタリ追走されたことでハイペース逃げになってしまったのが誤算だった。

かもめ特別(2勝クラス) 7/17 函館芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

イカット

　まずまずのスタートを切ると出たなりに中団馬群に付ける。

　道中で若干かかっていたのをなだめると、直線では内ラチから3、4頭分外のインから馬群を突いて末脚を伸ばし、1着入線。

　行きたがる馬を馬群で上手くなだめた横山武史騎手の好騎乗の賜物だ。