例年通り、今年の小倉大賞典も同日に開催されるフェブラリーステークスに負けず、難解なメンバー構成となった。
1番人気濃厚なボッケリーニが8枠を引いた上に、続く人気馬も「今の速いタイムが出る小倉では?」と買うべきか悩む馬ばかりでは、穴馬を狙いたくなるだろう。
そこで、今回は「馬券取捨の材料を探している人」や「出走各馬の前走をざっとおさらいしたい人」、「ステップレース分析が面倒な人」向けに、出走各馬のステップレースをざっくりまとめ、予想作業の手間を省くことを目的とした記事を作成した。
この記事で分かること
- 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
- ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる
- 巻き返しに期待がかかる1頭が分かる
筆者の自己紹介
筆者の自己紹介
- 筆者名
ロールス
- 趣味
競馬、麻雀、読書
- 競馬歴
14年0ヵ月(2022年3月現在)
- 予想スタイル
水族館や動物園で生き物をじっくり観察するのが楽しみの1つ。
最近は、YouTubeで『ナショナルジオグラフィックTV』の動物動画を見るのがマイブーム。
そんな性質から、各馬の調教とステップレースの内容、土曜日の馬場傾向に注目し、穴馬を選んでいくスタイルが好み。
- 2021年度の主な指名穴馬
ラストドラフト(AJCC 6人気)
カテドラル(東京新聞杯 12人気) ※『東京新聞杯の出走全馬の前走まとめ』の記事にて紹介
ギベオン(金鯱賞 10人気) ※『金鯱賞の出走全馬の前走まとめ』の記事にて紹介
スーパーフェザー(小倉記念 8人気) ※『小倉記念の出走全馬の前走まとめ』の記事にて紹介
エイシンヒテン(ローズS 12人気) ※『ローズSの出走全馬の前走まとめ』の記事にて紹介
- 2020年度の主な指名穴馬
ソーグリッタリング(エプソムカップ 5人気)
キセキ(宝塚記念 6人気)
ディメンシオン(キーンランドC 9人気)
マジックキャッスル(秋華賞 10人気)
更なる穴馬をお届けするべく、現在は競馬予想本を読み漁って仕入れた知識を予想に取り入れるべく、鋭意修行中!
各ステップレースのまとめ
福島記念(G3) 2020/11/15 福島芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
バイオスパーク
まずまずのスタートでインコースの7番手辺りに潜り込む。
道中はインでジッと脚を溜め、直線は内ラチから3頭程空けたコースから末脚を伸ばし、1着でゴールした。
直線は比較的馬場の3分所から外が伸びやすかったとはいえ、この勝利は終始ロス無く立ち回った鞍上の好騎乗とバイオスパークの荒れ芝適性が活きた印象だ。
ヴァンケドミンゴ
まずまずのスタートで外目の7番手辺りに控える。
3~4コーナー中間からジョッキーに追われると、直線では勢いそのままに馬場の3分所辺りへなだれ込んだ。
残り200m辺りで鞭が入ると反応良く加速し、僅差の2着に好走。
馬場傾向とハンデが向いた印象なので、特に評価点は無い。
テリトーリアル
好スタートを切った途端に鞍上の石川騎手に押っ付けられ、前から2番手のポジションを確保。
向こう正面ではトーラスジェミニの後ろにピッタリ付けると、3~4コーナーで馬なりのままこれをかわした。
そして、直線では内ラチから1、2頭空けたポジションから粘り込みを図り、3着に好走した。
差し馬がやや有利な馬場で逃げ馬を競り落とした先行策での好走につき、高く評価出来る走りだ。
デンコウアンジュ
平凡なスタートで中団に位置取る。
3~4コーナーで柴田騎手に追われると大外からスパートを開始。
直線は馬場の3分所からジワジワ末脚を伸ばし、4着に好走。
馬場傾向は向いたが、牡馬換算にして実質58kgのハンデを考えたら健闘したと言える。
トーラスジェミニ
好スタートでハナを奪うも直線入りの時点でガス欠。
速い展開が合わなかったので、ここはノーカウント。
アドマイヤジャスタ
平凡なスタートを切ると、1週目の直線でで好位のポジションをうかがうが、やや行きたがる仕草を見せ、鞍上に手綱を引かれていた。
3~4コーナーで鞍上に追われて、直線では馬場の3分所へなだれ込む。
だが、脚色が鈍いと鞍上が見るや馬場の4分所へ進路を切り替えるも、結局伸びきれずに10着に敗北。
この敗戦は、序盤の気性難が響いてしまったように見えた。
ロードクエスト
平凡なスタートを切ると、後方15番手に付ける。
3~4コーナーで鞍上に追われると勢いが余り気味に直線の馬場の真ん中辺りへ躍り出た。
そのまま追い込むも、前を捕らえることが出来ずに大敗。
道中のポジション取りが後ろ過ぎたのに加え、直線も必要以上に外に進路を取ってしまったロスがあったので、このレースは度外視可能だ。
ドゥオーモ
平凡なスタートを切ると、後方14番手に付ける。
3~4コーナーで鞍上に追われるとに直線の馬場の真ん中辺りへなだれ込んだ。
しかし、追い込みは不発に終わり、12着に大敗。
道中のポジション取りが後ろ過ぎたのに加え、直線も必要以上に外に進路を取ってしまったロスがあったので、このレースは度外視可能だ。
マイルCS(G1) 2020/11/22 阪神芝1600m(良)
出走各馬のレース内容
ベステンダンク
内枠からまずまずのスタートを切り、インの3番手で先行策を取る。
直線も最内からこの馬なりに末脚を伸ばしたが、9着に終わった。
やや最内が伸びにくかったとはいえ、高速馬場における現状の能力差が出た印象だ。
中日新聞杯(G3) 2020/12/12 中京芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
ボッケリーニ
まずまずのスタートを切ると最内の好位6番手辺りに潜り込むと、道中はジッとインコースで脚を溜める。
直線だけ馬場の2、3分所へ出した後に、ラスト250m辺りから鞭が入ると鋭い末脚を繰り出した。
終いの脚色はやや減速気味だったがシゲルピンクダイヤの追撃をクビ差でしのいで勝利する。
馬場傾向をフルに活かした松山騎手の好騎乗のおかげで勝てた印象なので、馬に関しては勝負所の反応の良さ以外に特に評価すべき点はない。
ショウナンバルディ
まずまずのスタートを切ると前から4番手で先行競馬の構えを取る。
道中はジッとインコースで脚を溜め、3~4コーナーでも経済コースを通った後、直線もインベタ競馬で粘り込みを狙う。
だが、最後は馬場の2、3分所から末脚を伸ばしたボッケリーニらにかわされ、4着に終わる。
この結果は、馬場傾向を活かした岩田康誠騎手の好騎乗の賜物なので特に評価点はない。
テリトーリアル
内枠から難なくスタートを決めると、スンナリ先団グループに取りついた。
道中はジッとインコースで脚を溜めた後に、直線では内ラチから3、4頭空けたインコースで粘り込もうとするが、ゴール前50m付近で力尽きて9着に終わる。
瞬発力勝負が向かなかった印象だ。
デンコウアンジュ
スタートは悪くなかったが、前目のポジションを取りに行かずに後方17番手辺りに付けて追い込む競馬を選択する。
直線は馬場の3分所から末脚を伸ばそうとするが、伸びきれずに16着に大敗してしまう。
追い込み馬に向く馬場傾向と展開ではなかったので、このレースは度外視可能だ。
ターコイズS(G3) 2020/12/19 中山芝1600m(良)
出走各馬のレース内容
フェアリーポルカ
内枠から好スタートを切ったが、先行争いには加わらずに中団に付ける。
直線は馬場の3分所に出して末脚を伸ばしたが、前を捉えきれず3着に終わる。
先行有利な馬場とハンデ56㎏を考えると、健闘したと言える走りだった。
ディセンバーS(L) 2020/12/20 中山芝1800m(良)
出走各馬のレース内容
トーラスジェミニ
外枠から難なく発走を決めると、一気に加速してハナを奪う。
そのままマイペースの逃げを打ち、余力十分で直線に入ると最後までライバルに抜かせず、難なく勝利した。
終始経済コースで楽に逃げを打てたのが勝因なので、特に評価点は無い。
元町S(3勝クラス) 2020/12/26 阪神芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
ヴァンランディ
スタートでやや出遅れ、後方9番手辺りに付けて末脚を溜める。
3~4コーナー中間で鞍上の福永騎手からゴーサインが出ると大外からポジションを上げると直線の馬場の3分所付近へ駆け込み、ムジカの追撃を振り切って勝利した。
瞬発力が活きる馬場が向いたものの、前半1000mの通過タイムが1.03.1という先行勢に有利な展開だったのを考えると、今回の勝利はまずまず評価出来る。
日刊中山金杯(G3) 1/5 中山芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
アールスター
発馬は悪くなかったが、1週目の直線で進路が塞がってしまい、好位のポジションを取れない不利を受ける。
さらに、直線でもまともに追えたのは残り100m付近からという状況で、5着に終わった。
レース序盤の不利で後方ポジションしか取れなかった上に直線では馬群を捌くのに手間取っていた。
その上、直線の急坂を上り切った所でのゴーサインに対して瞬時に加速した所を見るに、明らかに脚を余していた。
したがって、このレースはノーカウントでよい。
テリトーリアル
内枠から難なくスタートを切るとスンナリ先団グループのインコースに潜り込む。
道中はそのままインコースで脚を溜め、直線は内ラチから4頭程空けたコースで粘り込みを図るが、粘り切れずに6着に終わる。
決め手が求められるスローペースが合わなかった印象だ。
ロードクエスト
内枠から平凡なスタートを切るとすかさずポジションを下げ、後ろから2頭目で追走を開始。
向こう正面ではジッとしていたが、3~4コーナーでは大外から捲り始め、直線馬場の3分所へなだれ込む。
だが、前の馬を捕えきることが出来ずに、8着に敗北。
馬場傾向とレース展開が追い込み馬に向かなかったので、このレースは度外視可能だ。
バイオスパーク
大外からまずまずのスタートを切ると、1週目の直線を活かして前から5番手辺りに付ける。
向こう正面では特に動かなかったが、4コーナーから鞍上に一杯に追われるとスパートを開始。
しかし、直線では伸びきれずに馬群に沈んでしまった。
決め手が求められるスローペースが合わなかった印象だ。
カデナ
発馬直後に隣にいたショウナンバルディに寄られたせいで進路が塞がる不利を受けてしまった。
道中は殿から競馬を進める。
3コーナーから馬なりで進出した後に4コーナーでは鞍上にやや強めに押っ付けられ、直線馬場の3分所へなだれ込んだ。
だが、前が止まりにくい馬場だったため、末脚は不発に終わり、11着に敗北してしまう。
馬場傾向とレース展開が追い込み馬に向かなかったので、このレースは度外視可能だ。
ヴァンケドミンゴ
好スタートを切ると外目の3番手辺りに付けて先行策を取る。
残り600m付近から鞭を交えて追われるがすでに手応えが怪しく、残り200m付近で馬群に沈んで11着に終わった。
先行策が裏目に出た印象だ。
ショウナンバルディ
スタート直後に外にヨレて隣のカデナと接触後、インコースから先行争いの行方を見守っていると外から切り込んできたリュヌルージュに進路をカットされ、中団からの競馬になってしまった。
4コーナーが終わる手前から追い出しを始めるが、思うように末脚が伸ばせず、13着に大敗してしまう。
レース序盤のポジション争いに敗れて先行出来なかった瞬間に凡走が確定した印象で、もしも先行策が叶っていたら、もう少し上位の着順で終われたかもしれない。
愛知杯(G3) 1/16 中京芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
デンコウアンジュ
平凡なスタートを切ると、すかさず後方ポジションに付ける。
直線は馬場の2分所と3分所の瀬戸際から末脚を伸ばすが、終いでややバテ気味の6着に終わった。
脚質的には展開が向いたものの、芝が荒れ気味の高速馬場はあまり向かない条件のようだ。
ディアンドル
内枠からまずまずのスタートを切ると、少し押っ付けられながらハナを奪取する。
向こう正面ではタガノアズワドとナルハヤにピッタリとマークされながら逃げたが、直線を向いた頃には早くもガス欠気味で、残り200m手前で後続に捕まってしまった。
このレースでは展開が向かなかったので、今回の敗戦はノーカウントでよい。
巻き返しに期待がかかる1頭
今回はアールスターの巻き返しに期待したい。
中山金杯では序盤で望み通りのポジションが取れない不利を受けた上に、終盤は馬群捌きと急坂に苦しんだにもかかわらず5着に入線した。
加えて、中山金杯のペースは前半1000mの通過タイムが1.02.0という緩い流れと、4着に逃げを打ったロザムール(14人気)が入線したことからも逃げ・先行馬に有利な展開は明らかで、後方で脚を溜めた差し・追い込み馬にとっては絶望的な展開だったにもかかわらず勝ち馬と0.5秒差まで迫り、地力の高さを証明した。
さらに、特筆すべきは追われた時の末脚の爆発力と平坦馬場への適性だ。
まず、追われた時の末脚の爆発力は残り100m付近で認められた。
鞍上に鞭を打たれた途端に鋭く伸びることが出来たのは、直線の短い小回りコースでは大きな武器になる。
そして、平坦馬場への適性は、坂を上っている時の脚色と、上りきった後の脚色の違いから感じられた。
確かに、アールスターへの鞭は坂を上りきった後に打たれた上に、坂の途中では馬群捌きにもたついていたものの、登坂中にも鞍上は手綱をしごいていた。
その脚色に勢いはなく、惨敗を予感させるものだった。
ところが、坂を上りきった途端に脚色がガラリと変わったとなれば、平坦馬場の小倉競馬場ならばパフォーマンスの向上を期待するのを禁じ得ない。
小倉記念を勝った時の馬場傾向の様に馬場の内側が伸びる状態ならば、アールスター復活がより現実味を帯びてくるだろう。
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