【安田記念2022】5分で分かる！出走各馬の前走のまとめ

　女王グランアレグリアが去り、群雄割拠の様相を呈する今年の安田記念。

　シュネルマイスターを始めとした次代を担うマイラー達が上位人気に支持されるも、全幅の信頼が置ける馬がいないため、予想に悩む方が多いのではないだろうか。

　そこで、今回は「安田記念での穴馬をお探しの方」や「安田記念の各ステップレースをざっくり見直したい方」、「いちいち各ステップレースを見直すのがメンドイ方」向けに、前半では出走各馬のステップレースをざっくりまとめ、後半では巻き返しに期待がかかる穴馬をピックアップすることで、予想作業の手間を省くことが目的の記事を作成した。

　この記事が何らかの形で参考になれば幸いである。

※前走のステップレースがダートだったカフェファラオの情報は未掲載です。

この記事で分かること

• 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
• ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる
• 巻き返しに期待がかかる1頭が分かる

筆者の自己紹介

各ステップレースのまとめ

安田記念(G1) 2021/6/6 東京芝1600m(良)

出走各馬のレース内容

シュネルマイスター

　五分の発馬を決めると、バックストレッチでは馬群外から掛かり気味にポジションを押し上げた。

　直線では馬場の4分所辺りからダノンキングリーと併せ馬で末脚を伸ばしたが、ゴール直前でキングリーの決め手に屈して3着に終わった。

　斤量に恵まれた上に外枠とインが荒れた馬場が味方したものの、3歳ながら強豪古馬に最後まで食らいついたのは評価出来る。

サリオス

　スタートでやや後手を踏み、中団インコースで脚を溜める競馬を取る。

　直線を向くと馬場の3分所辺りからジョッキーに追われたが手応えは悪く、あまつさえグランアレグリアに進路をカットされたことで末脚の勢いが萎えてしまい、見せ場無く8着に敗北した。

　前走の大阪杯では重馬場を走らされたことに加え、安田記念の道中では最内枠が仇となって終始芝が傷んだインコースを走らされ続けたのが終いの脚色に影響した印象だ。

カテドラル

　スタートで出遅れたため、殿からのレースになる。

　3～4コーナーでは馬群外に進路をスライドして直線に備える。

　だが、残り400m手前から一杯に追われると、そこから200m程高スピードで追い上げた所で脚がアガってしまい12着に大敗。

　出遅れと初めて背負う58kgの斤量が堪えた印象だ。

カラテ

　スタートがあまり良くなかったせいで後方2,3番手辺りでのレースとなる。

　直線では馬場の2分所に進路を取ってスパートを始めたが、上位争いに加われる決め手を繰り出せずに13着に惨敗。

　瞬発力不足で伸び切れなかったのが敗因だ。

東京新聞杯(G3) 2/6 東京芝1600m(良)

出走各馬のレース内容

イルーシヴパンサー

　五分のスタートだったが、道中は殿付近に控えて脚を溜める。

　直線では残り400m辺りから馬場の4分所に出されてゴーサインが出ると反応良く弾け、2着に1馬身3/4差を付けて快勝。

　差し有利な展開と馬場傾向は味方したが、ゴーサインが出てすぐにスピードを上げた加速力と、最後は流してゴールした点は評価に値する。

ファインルージュ

　五分のスタートを切るとルメール騎手にやや促され、好位の馬群に付けて脚を溜める。

　直線序盤では前にホウオウアマゾンとドナアトラエンテが居たため追い出しを待たされたが、残り400m辺りでゴーサインが出ると反応良く加速。

　だが、残り200m辺りで外に居たカレンシュトラウスがヨレてきたことで芝がやや傷んだ馬場の2分所へ押し込められるような形となる。

　それでも懸命に脚を伸ばしたが、外から鋭く伸びたイルーシヴパンサーには及ばず、2着に敗れた。

　差し有利な馬場と発走直後に好位のポジションに付けたルメール騎手の手腕には恵まれたが、ラスト200m辺りで他馬の煽りを受ける形でやや伸びにくい進路を取らざるを得なかった点と斤量55kg(牡馬換算で57kg)という条件のレースだった点を考えると、悪くはない内容だ。

カラテ

　五分のスタートだったが、行き脚が付かなかったので強目に追われて中団の位置に付ける。

　直線では馬場の3,4分所から末脚を伸ばして3着に入線。

　差し有利な展開には恵まれたが、直線で進路が開かずに外へ持ち出したロスがあった点に関しては大目に見ることが出来る。

カテドラル

　スタートが良くなく最後方からの競馬となるが、3コーナー付近で折り合いを欠いて鞍上に手綱を押さえられる。

　直線では馬場の4分所から追い込んだが、案外伸びずに8着に終わった。

　道中で折り合いを欠いて脚が溜まらなかったのが敗因だ。

ホウオウアマゾン

　好スタートを切ると出たなりに馬群外の好位に取り付き、折り合ってレースを進める。

　だが、直線では残り400m付近で馬群へ沈み、早々に脱落。

　東京競馬場における差し馬有利な速い流れが向かなかったのが敗因だ。

中山記念(G2) 2/27 中山芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

カラテ

　五分のスタートでゲートを出ると、出たなりで中団に付ける。

　向こう正面で折り合うと、3コーナー半ばでスパートを開始。

　直線では馬場の3分所からパンサラッサを捕まえようとしたが、アドマイヤハダルをかわすのに精一杯で、2着に終わった。

　パンサラッサの作ったハイペースには恵まれたが、終いでバテながらも最後まで脚を伸ばした勝負根性は少し評価出来る。

ダノンザキッド

　スタートで煽ったせいで、後方2,3番手の位置でレースを進めることになってしまう。

　向こう正面で馬群外からポジションを押し上げると、3コーナー半ばでゴーサインが出されてスパートを始めたが、直線を向いた時点で余力が残っておらず、馬群に沈んで勝ち馬から1.4秒差の7着に大敗。

　スタートで出遅れたせいでポジションを悪くし、道中で脚を使ってしまったことが敗因なので、このレースは度外視可能だ。

ドバイターフ(G1) 3/27 メイダン芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

ヴァンドギャルド

　まずまずのスタートだったが、後方に控えてレースを進める。

　直線を向くとインコースからジワジワと進出。

　残り200m地点ではもがくシュネルマイスターを尻目に一気に加速してパンサラッサらに襲いかかったが、惜しくも勝ち馬から1/2差の3着に敗れた。

　パンサラッサが刻むハイペースが向いたのは否めないが、勝ち馬と僅差ながら脚を余した入線だったのは評価に値する。

シュネルマイスター

　五分のスタートを切ると出たなりに好位に付ける。

　道中で折り合って脚を溜めると、直線では馬場の3分所に出されて満を持して伸びてくるかに見えたが、末脚は不発に終わり、8着に敗北。

　パンサラッサの刻む速いペースが合わなかったのが敗因だ。

高松宮記念(G1) 3/27 中京芝1200m(重)

出走各馬のレース内容

ナランフレグ

　まずまずのスタートを切ったが、後方4,5番手に控えてレースを進める。

　直線では最内に進路を取ると一杯に追われながら前が開くのを待ち、残り100mで内から抜け出して優勝した。

　馬場傾向と展開には恵まれたが、直線で進路が開くのをジッと待った集中力と、進路が開いた途端にすかさずゴーサインに反応して抜け出した瞬発力は少し評価出来る。

ロータスランド

　まずまずのスタートを切ると出たなりに好位の馬群に付ける。

　道中でキッチリ折り合うと直線では馬場の3分所から差し切りを図ったが、内から抜け出したナランフレグには及ばず2着に敗退。

馬　場傾向と展開は向いたが、勝ち馬とは距離適性と直線でそれぞれが選んだ進路が明暗を分けた印象。

　また、直線で脚を余し気味の入線だったため、距離延長ならばロータスランドがナランフレグを逆転する公算は高い。

レシステンシア

　好スタートを切ると鞍上に追われて一目散にハナに立つ。

　道中は2番手に付けたジャンダルムにピッタリマークされながら逃げを打つと、直線ではラチ沿いの進路を選択。

　その進路から逃げ粘ったが、残り100m辺りで後続に捕まってしまい、6着に敗北。

　終始ジャンダルムにマークされて楽に逃げられなかったのと、差し有利なハイペースを味方に出来なかったのが敗因だ。

ダイアトニック

　スタートのタイミングが合わず、最後方付近で追い込みの競馬となってしまう。

　3,4コーナーでラチ沿いを立ち回ると、直線では最内に進路を取って抜け出そうとしたが、目立った末脚を繰り出せずに大敗。

　スタートで出遅れたことが致命的な敗因のため、このレースは度外視可能だ。

サリオス

　最内枠から好スタートを切ると、鞍上に強目に追われて好位のインコースに付ける。

　道中はインコースを立ち回ると直線で馬場の3分所から末脚を伸ばしたが、思うに伸び切れずに惨敗。

　サリオスにとって1200mのペースが速いせいで脚が溜まらなかったのが敗因だ。

ダービー卿CT(G3) 4/2 中山芝1600m(良)

出走各馬のレース内容

カテドラル

　スタートが悪かったため、自然と殿からのレースとなる。

　道中は折り合って脚を溜めると、直線では注文通り外に進路を取って脚を伸ばしたが、急坂辺りで失速してしまい9着に敗北。

　斤量57kgのハンデと外枠という不利があったものの、直線で見せた不可解な失速は衰えから来たものかもしれない。

マイラーズカップ(G2) 4/24 阪神芝1600m(やや重)

出走各馬のレース内容

ソウルラッシュ

　平凡なスタートでゲートを出ると、出たなりに後方ポジションに付ける。

　道中は後方でジッと脚を溜めると、直線では馬場の真ん中辺りに出されて末脚を伸ばし、前目で粘り込んだホウオウアマゾンらを呑み込んで重賞初制覇を飾った。

　インコースの芝が荒れて外が伸びる馬場には恵まれたが、前目に付けた馬達に有利な馬場コンディションで追い込みを決めた馬力は高く評価出来る。

ホウオウアマゾン

　好スタートを切ると坂井騎手に一杯に追われ、先行集団に取り付く。

　道中では逃げるベステンダンクから離れた2番手で馬群を引っ張ると、直線では馬場の4分所辺りに出されてファルコニアの追撃を凌ぐも、勝ち馬の末脚に屈して2着に敗退。

　馬力が要る上に前有利な馬場傾向と逃げ馬から離れた2番手で上手く運べたのが好走要因なため、高い評価は出来ない。

　ただし、ゴール前でファルコニアに詰め寄られた時にすかさず加速した二枚腰に関しては評価出来る。

　阪神芝1600m以下の条件で改めて見直したい。

エアロロノア

　五分のスタートだったが、行き脚が付かずに中団待機策となる。

　3コーナー半ばでは馬群に潜んで抜け出す機をうかがうと、直線では鞍上のゴーサインに応じて馬場の3,4分から末脚を伸ばしたが、直線の急坂半ばで脚色がバッタリと鈍り、バテながら5着に雪崩れ込んだ。

　先行有利で馬力が要る馬場傾向が合わなかったことが敗因だ。

カラテ

　まずまずのスタートを切ると出たなりに好位の馬込みに付ける。

　道中で折り合うと4コーナーからスパートを開始。馬場の4分所辺りから末脚を伸ばしたが、残り200m手前で力尽き、7着に敗北した。

　雨で芝が濡れて馬力が要る馬場コンディションに泣いた印象だ。

NHKマイルカップ(G1) 5/8 東京芝1600m(良)

出走各馬のレース内容

セリフォス

　五分のスタートを切ると二の脚の加速で楽に先行したが、勢い余って馬がエキサイトしてしまい、レース序盤は鞍上に手綱を引かれて宥められる。

　直線ではラチ沿いから粘り込みを図ったが、ゴール前で外から脚を伸ばしたダノンスコーピオンらにかわされてしまい、4着に敗北。

　直線で外を通った差し、追い込み勢に有利な馬場傾向の中、最内で粘り込んで4着ならば上出来と言える。

　そのため、次走以降で先行有利な条件ならば巻き返しに期待出来る。

ヴィクトリアマイル(G1) 5/15 東京芝1600m(良)

出走各馬のレース内容

ファインルージュ

　6枠から五分のスタートを切ると、二の脚で徐々に好位に進出。

　3,4コーナーで馬群外に出すと、直線では馬場の3,4分所から末脚を伸ばしたが、先に馬群から抜け出したソダシを捉え切れずに2着に終わった。

　道中での位置取りが若干後ろだったのが敗因だ。

レシステンシア

　好スタートを切ると出たなりにハナに立とうとしたが、外から一杯に追われながら伸びてきたローザノワールにハナを譲り、自身は先行集団に控えてレースを進める。

　直線を向くと馬場の2,3分所から逃げるローザノワールを捕らえにかかったが、残り100m付近で若干脚がアガってしまい、3着に終わった。

　先行有利な展開に恵まれた好走につき、特に評価点はない。

ソングライン

　五分のスタートを切ると二の脚を使って好位に取り付こうとしたが、鞍上に手綱を引かれて中団に控える。

　3,4コーナーではファインルージュの後をピッタリと追走すると、直線では馬場の2分所辺りから脚を伸ばしたが、2着と僅差の5着まで追い上げた所でゴール板を通過した。

　前有利な展開が味方しなかったのと、道中での位置取りが後ろ過ぎたのが敗因だ。