【桜花賞2022】5分で分かる！出走各馬の前走のまとめ

　有力所の差し馬がこぞって外枠を引いた一方で、内枠には比較的人気薄の馬が揃った。

　さらに、何が何でも逃げたい馬やスプリント気質の馬もおらず、レース展開は差し馬に有利なハイペースにならず、前残りの波乱決着の可能性も出てきた。

　そのため、どの馬を買うべきか狙いが定まらずにお困りの方が多いのではないだろうか。

　そこで、今回は「桜花賞での穴馬をお探しの方」や「桜花賞の各ステップレースをざっくり見直したい方」、「いちいち各ステップレースを見直すのがメンドイ方」向けに、前半では出走各馬のステップレースをざっくりまとめ、後半では巻き返しに期待がかかる穴馬をピックアップすることで、予想作業の手間を省くことが目的の記事を作成した。

　この記事が何らかの形で参考になれば幸いである。

※カフジテトラゴンの前走はダートレースのため、未掲載になります。予めご了承ください。

この記事で分かること

• 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
• ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる
• 巻き返しに期待がかかる1頭が分かる

筆者の自己紹介

各ステップレースのまとめ

阪神JF(G1) 2021/12/12 阪神芝1600m(良)

出走各馬のレース内容

サークルオブライフ

　五分のスタートを切ったが、行き脚が付かずに中団馬群外での競馬となる。

　道中でM.デムーロ騎手とキッチリ折り合って脚を溜めると、直線では馬場の4分所辺りから末脚を伸ばし、2歳女王の座を射止めた。

　終始スムーズにレースを運んだ上に、外が伸びる馬場傾向を味方に付けた勝利だったので高評価は出来ない。

　ただし、直線を向いてデムーロ騎手に追われるとすぐにスパートを開始したギアチェンジの早さに関しては評価出来る。

ラブリイユアアイズ

　まずまずのスタートを切ってスンナリと馬群外の好位に付けると、やや行きたがるも鞍上に宥められながら脚を溜める。

　直線では馬場の2分所と3分所の瀬戸際から脚を伸ばして2着に好走。

　今回の好走要因は、6枠を引けたおかげで道中と直線で芝が荒れたコースと荒れてないコースの瀬戸際を立ち回れたことにある。

　そのため、馬自体には高評価不要だが、終始ロス無く立ち回った団野騎手の腕は評価出来る。

ウォーターナビレラ

　抜群のスタートを切ってハナを奪うかに見えたが、内から脚を伸ばしたトーホウラビアンらに主導権を譲り、自身は先手を主張した2騎から離れた3番手でレースを進める。

　道中で折り合って脚を溜めると、直線では馬場の3分所を突いて後続を引き離しにかかる。

　だが、ゴール前でサークルオブライフらにかわされてしまい、3着に敗れた。

　外枠のおかげで芝が傷んでいない外目を立ち回れた恩恵を受けたものの、差し有利な展開を先行策で好走したスピードの持続力とスタミナは評価出来る。

　ただし、芝1600mでの決め手は世代随一というわけではないので、1600mで行われる桜花賞よりも2400mのオークスや2000mの秋華賞で期待したい。

ナミュール

　スタートで出遅れたせいで、馬群最後方付近からのレースを余儀なくされる。

　3,4コーナーで外ではなく内に進路を取ると、直線ではC.デムーロ騎手からゴーサインが出た途端に抜群の加速力でラチ沿いから3頭分程外のインコースへ切り込んだが、馬場の外から脚を伸ばした上位3頭には及ばず、4着に終わった。

　今回の敗因は出遅れたせいで良いポジションが取れなかったことにある。

　そんな不利があったにもかかわらず、直線では鞍上から追われた瞬間に急加速するギアチェンジ力の高さと、芝が荒れたインコースを物ともせずに脚を伸ばしたパワーを披露して見せた。

　そのため、ナミュールのレースぶりは負けて強しの内容だったので高く評価出来る。

ナムラクレア

　好スタートを切ったが、鞍上の浜中騎手は中団に控える競馬を選択。

　道中でキッチリ折り合うと、直線では馬場の3分所からジワジワと脚を伸ばし、5着に好走した。

　中団に控えてジックリと脚を溜めたのが好走理由だが、1枠発走のせいで道中は芝が傷んだインコースに閉じ込められてしまったのと、なまじスタートが良かったばかりに必要以上にポジションを下げたのは少し勿体ない競馬だったと言える。

ベルクレスタ

　五分のスタートだったが、行き脚が付かずに後方馬群からのレースとなる。

　向こう正面途中で折り合いを欠いて馬群外から進出を始めると、3,4コーナーの地点で外の前から6頭目辺りまでポジションを上げる。

　そして、直線では馬場の4分所辺りから脚を伸ばしたが、ゴール前では脚が上がってしまい、6着に終わった。

　道中で折り合いを欠いてしまったせいで、直線で末脚を伸ばす余力が確保出来なかったのが敗因だ。

アネゴハダ

　五分のスタートだったが、鞍上に促されて先団馬群の外目に取り付くとキッチリ折り合ってレースを進める。

　直線では馬場の3,4分所から粘り込もうとしたが、残り200m手前で脚がアガり出してしまい、結局バテ気味の9着入線に終わった。

　スタートがあまり良くなかったせいで前目のポジションを取りに行くのに脚を使ってしまったものの、アネゴハダにとって芝1600mが少し長かったのが敗因だ。

パーソナルハイ

　五分のスタートを切ると、出たなりに中団に付ける。

　道中は特に何事もなく馬群を追走したが、4角終いから各馬のスパートが始まるとスピードに付いて行けずに16着に大敗。

　特に不利は受けておらず、阪神芝1600mへの適性の低さが敗因か。

フェアリーS(G3) 1/10 中山芝1600m(良)

出走各馬のレース内容

ライラック

　平凡なスタートだったので、最後方からのレースとなる。

　前半600mを過ぎた辺りで馬なりのままピッチを上げると、3コーナー終いまでに前から10番目位までポジションを上げる。

　さらに、４コーナーでは大外から再びピッチを上げると、直線馬場の3分所から脚を伸ばし、最後は流して勝利した。

　スタートの遅さはいただけないが、道中で後方からポジションを上げ続けたにもかかわらず、ゴール前で流したスタミナについては評価出来る。

スターズオンアース

　2枠から好スタートを決めるとハナを主張する馬達を行かせ、自身は先行4,5番手のインコースに控える。

　直線では外の進路が開かなかったため芝が傷んだ最内へ切り込んだが、ゴール前で外から脚を伸ばしたライラックにかわされて2着に終わった。

　比較的前に付けた馬達に有利な展開が向いたが、直線で芝が傷んだ最内のコースから脚を伸ばした荒れ馬場適性は少し評価出来る。

紅梅S(L) 1/15 中京芝1400m(良)

出走各馬のレース内容

フォラブリューテ

　スタートが悪かったため、レース開始後すぐにルメール騎手に促されて前から5,6頭目のインコースに付ける。

　直線で馬場の3分所辺りに出されて追われると反応良く末脚を伸ばして優勝。

　馬場傾向を考えれば外から脚を伸ばした内容は悪くないが、出走メンバーのレベルの低さに恵まれた感もあるため、手放しに高評価は出来ない。

エルフィンS(L) 2/5 中京芝1400m(良)

出走各馬のレース内容

アルーリングウェイ

　まずまずのスタートを切ると、出たなりに先行2,3番手に付ける。

　道中はキッチリ折り合うと、直線では馬場の3分所辺りから脚を伸ばして優勝。

　馬場傾向通りの好走につき、特に評価点はない。

クイーンC(G3) 2/12 東京芝1600m(良)

出走各馬のレース内容

プレサージュリフト

　やや煽ったようなスタートで、道中はそのまま後方待機策となる。

　3,4コーナーで馬群外を追走すると、直線では自然と馬場の4分所に進路を取って追い込み、前で粘るスターズオンアースをクビ差捉えて優勝。

　先行馬に有利な緩いペースを後方から差した内容は少し評価出来る。

スターズオンアース

　五分のスタートを切ると、出たなりに先団グループに付ける。

　道中でキッチリ折り合ってレースを運ぶと、直線ではインコースの馬群を割って早目に抜け出したが、ゴール前でプレサージュリフトに捕らえられて2着に終わった。

　先行馬に有利な流れを前目で上手く立ち回った好走につき、特に評価点はない。

ベルクレスタ

　平凡なスタートを切ると出たなりに後方集団に付けると、やや行きたがるのを鞍上に宥められながら脚を溜める。

　直線入り口で馬群がバラけると馬場の3分所辺りから脚を伸ばそうとしたが、前が開かずに追い出しを待たされてしまう。

　残り250mからようやく一杯に追われると先に抜け出したスターズオンアースを捕らえにかかるが、ゴール手前で脚色が鈍り、3着に終わった。

　今回のレースは、道中の位置取りが後ろ過ぎた上に直線でスムーズさを欠いたのが敗因だ。

　しかし、内枠を引いて前に馬が置けたことで折り合いが付けられたという、ベルクレスタにとっての枠順からの恩恵を受けた点も否めないため、内枠発走且つ距離や展開等のバイアスで先行勢が垂れる条件でなら見直す手はある。

チューリップ賞(G2) 3/5 阪神芝1600m(良)

出走各馬のレース内容

ナミュール

　五分のスタートを切ると出たなりに中団に付ける。

　道中で折り合って脚を溜めると、直線入り口付近ではインコースから進出を窺うも前が壁でモタついてしまう。

　残り300m辺りから外に進路を切り替えるとジワジワと末脚を伸ばし、内で粘るサークルオブライフらをかわして勝利した。

　馬群を瞬時に捌ける瞬発力は認められなかったものの、インコースが有利な馬場で外から脚を伸ばしてサークルオブライフらを捩じ伏せた勝ちっぷりは評価に値する。

ピンハイ

　スタートが悪かったため、中団馬群での競馬になる。

　道中はラチ沿いで脚を溜めると、直線でもラチ沿いへ進路を取って脚を伸ばし、2着に好走した。

　スタートが悪かったのは1着との着順に響いたが、今回の好走はスタートが悪くても直線でインコースを突けば挽回出来る程内が有利な馬場傾向に恵まれたものなので、高評価は出来ない。

サークルオブライフ

　内枠からまずまずのスタートを切ると、鞍上に軽く促されて先行策に出る。

　道中でキッチリ折り合うと直線ではラチ沿いから3頭分程外のインコースから脚を伸ばし、3着に好走した。

　インコースが有利な馬場傾向を味方に付けた結果だったが、いつもの中団待機策ではなく先行策で結果を残した点からはレースセンスの高さが知れたため、少し評価出来る。

ウォーターナビレラ

　好スタートを切るとそのままハナに立つかに見えたが、内から来たジャマンらに主導権を譲り、自身は好位5,6番手辺りに控える。

　道中でキッチリ折り合った後に直線ではインコースを突こうとしたが、前が壁で進路が開かなかったせいで鞍上がゴーサインを出せなかった。

　残り250m付近でようやくゴーサインが出たが、先に追われてスピードに乗ったサークルオブライフらをかわせずに5着に終わった。

　直線ではインコースを突いて馬場傾向の恩恵を受けたが、いつもの先行策ではなく好位に控える競馬を試みて一定の結果を出した点については少し評価出来る。

　とはいえ、出走メンバー1の好スタートを切ったにもかかわらず好位に控えたのは少し勿体ないレースだった。

　また、直線で一時は前が塞がったにせよ、追い出されてからのトップスピードは世代随一という訳ではないので、やはり持ち前の持久力とスピードが活かせる条件でこそ見直すべきだろう。

フィリーズレビュー(G2) 3/13 阪神芝1400m(良)

出走各馬のレース内容

サブライムアンセム

　スタートで出負けして後方からの競馬になるが、道中はラチ沿いで馬群を追走してコースロスを防ぐ。

　直線ではコーナリングの慣性で馬場の2分所辺りに雪崩れ込むと、馬群を割って末脚を伸ばし、ナムラクレアをクビ差封じて勝利した。

　馬自体は馬場傾向に恵まれため高評価不要だが、終始インコースを立ち回ってスタートの悪さをカバーした池添騎手の手腕は評価出来る。

ナムラクレア

　平凡なスタートを切った後に浜中騎手に少し促され、前から10頭目辺りに付ける。

　その後は折り合って脚を溜めると、4コーナーで進路を外に切り換え、ラストスパートを開始。

　直線では鞍上に追われた途端に反応良く加速したが、内から脚を伸ばしたサブライムアンセムを捉え切れずに2着に終わった。

　差し馬に有利なハイペースには恵まれたが、勝ち馬とは直線での進路選択が明暗を分けた。

　さらに、終いの脚色も内を突いた勝ち馬より優勢で脚を余していたため、この2着は次走に期待が持てる内容だと言える。

アネゴハダ

　まずまずのスタートを切ると出たなりに先団グループに取り付く。

　道中でキッチリ折り合うと直線ではラチ沿いから3,4頭程外のインコースで粘り込み、3着に好走した。

　直線の急坂を上りきった辺りで脚がアガり始めたものの、差し有利なハイペースを先行策で好走した内容は評価出来る。

　そのため、芝1200mで改めて見直したい。

アネモネS(L) 3/13 中山芝1600m(良)

出走各馬のレース内容

クロスマジェスティ

　好スタートを切ると道中は逃げ馬をピッタリとマーク。

　抜群の手応えで直線を向くと、鞍上の仕掛けと共に末脚を爆発させ、1着に入線した。

　先行有利な流れを上手く立ち回った結果につき、特に評価点はない。

ラズベリームース

　まずまずのスタートを切ると、出たなりに好位5番手辺りのインコースに付ける。

　3,4コーナーで徐々に外へ進路を替えると、直線では馬場の3分所辺りから脚を伸ばして2着に好走。

　道中の位置取りが後ろ過ぎたのが敗因だ。

フラワーC(G3) 3/21 中山芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

パーソナルハイ

　スタートで出遅れてしまい、中団馬群でのレースとなる。

　道中はキッチリ折り合うと、3コーナー地点から鞍上の手が動き出し、ラチ沿いでスパートを開始。

　直線では馬場の2分所辺りから末脚を伸ばそうとしたが、上位入線出来る程の脚色はなく、6着に凡走。

　出遅れたせいで道中での位置取りが後ろになってしまい、3,4コーナーで脚を使ってしまったのが敗因だ。