【スプリンターズS2022】5分で分かる！出走全馬の前走のまとめ

　メイケイエール、ナムラクレア、シュネルマイスターと強力な人気馬が揃ったが、いずれも一抹の不安を抱えており、穴馬による一角崩しがあっても不思議ではない。

　ただ、穴馬に関してはどこからでも入れるメンバーなため、どの馬を買うべきか狙いが定まらずにお困りの方が多いのではないだろうか。

　そこで、今回は「スプリンターズSでの穴馬をお探しの方」や「スプリンターズSの各ステップレースをざっくり見直したい方」、「いちいち各ステップレースを見直すのがメンドイ方」向けに、前半では出走各馬のステップレースをざっくりまとめ、後半では巻き返しに期待がかかる穴馬をピックアップすることで、予想作業の手間を省くことが目的の記事を作成した。

　この記事が何らかの形で皆様の参考になれば幸いである。

この記事で分かること

• 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
• ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる
• 巻き返しに期待がかかる1頭が分かる

筆者の自己紹介

各ステップレースのまとめ

スプリンターズS(G1) 2021/10/3 中山芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

メイケイエール

　平凡なスタートを切ると、行きたがる所を池添騎手に宥められる。

　残り800m辺りから押さえきれない手応えで馬群外から好位7番手辺りのポジションへ進出すると、直線では馬場の3分所辺りから脚を伸ばし、4着に好走した。

　この4着は斤量に恵まれた上に、スタートが良くなかったのに加え折り合いを欠いてポジションを上げたら、若干脚がアガりながらも4着に入線出来たという結果オーライな面もある。

　だが、直線でインコースを通った馬と先行勢に有利な馬場状態でありながら、直線で外を回して脚を伸ばした点は評価に値する。

　さらに、道中も押さえきれない手応えで馬群外から進出し、そのままゴールまで外を回らされながら最後まで脚を伸ばした点も考えると、芝1200mにおけるスタミナ戦への適性も感じられた。

ラヴィングアンサー

　五分のスタートを切ると後方12番手辺りのインコースで脚を溜める。

　直線で外に持ち出されるとジワジワと脚を伸ばしたが、上位入線は叶わずに12着に敗れた。

　前有利な展開が向かなかったことが敗因だ。

ジャンダルム

　五分のスタートだったがあまり行き脚が付かずに後方待機となる。

　4角から鞍上に叩き一杯でゴーサインが出るとすかさず追い込み体制に入ったが、末脚は不発に終わり、11着に敗れた。

　逃げ、先行勢に有利な馬場を味方に付けられず、直線で外を回らされたロスがあったとはいえ、直線では鞍上のゴーサインにすぐさま反応して加速をしたため、この敗戦は大目に見ることが出来る。

タイセイビジョン

　スタートで後手を踏み、殿に控える競馬となる。

　直線で大外に出されてゴーサインが出ると反応良く加速して脚を伸ばしたが、上位入線は叶わずに12着に大敗。

　前有利な展開が向かなかったのが敗因だが、終いの脚色は良く、最後まで伸びていたため、このレースは度外視可能だ。

エイティーンガール

　スタートが良くなく、後方2,3番手からのレースとなる。

　直線では大外から脚を伸ばしたが、上位入線は叶わずに13着に大敗。

　前有利な展開が向かなかったのが敗因だが、ゴール前で脚が若干アガっていたため、早い走破時計が求められる展開も堪えたようだ。

ファストフォース

　ゲートの出があまり良くなかったが、鞍上に一杯に追われてハナを奪いにかかる。

　しかし、レースの主導権は得られず、中団7,8番手でのレースになってしまう。

　さらに、3コーナー半ばで手応えが悪くなって鞍上に押っ付けられると、直線では見せ場なく馬群に沈んで15着に惨敗。

　ハナに立って主導権が得られなかったのが敗因だ。

高松宮記念(G1) 3/27 中京芝1200m(重)

出走各馬のレース内容

ナランフレグ

　まずまずのスタートを切ったが、後方4,5番手に控えてレースを進める。

　直線では最内に進路を取ると一杯に追われながら前が開くのを待ち、残り100mで内から抜け出して優勝した。

　馬場傾向と展開には恵まれたが、直線で進路が開くのをジッと待った集中力と、進路が開いた途端にすかさずゴーサインに反応して抜け出した瞬発力は少し評価出来る。

トゥラヴェスーラ

　7枠14番ゲートからまずまずのスタートを切ったが、鞍上は中団のインコースに付けて脚を溜める競馬に出る。

　直線ではラチ沿いから3頭分程外のインコースから脚を伸ばしたが、ゴール前でロータスランドらに差されてしまい、4着に敗れた。

　決め手が上位3頭へ僅かに及ばなかったのが敗因だったが、外枠発走ながら直線ではインコースを突いた鮫島騎手の好騎乗は評価出来る。

メイケイエール

　スタートはあまり良くなかったが、馬群の外から馬なりでポジションを押し上げ、好位7,8番手辺りに付けてレースを進める。

　直線では馬場の4分所辺りからジワジワと脚を伸ばしたが、5着入線に終わった。

　スタートがあまり良くなかったせいで先行出来なかったのが敗因だが、インコース有利なトラックバイアスでありながら直線で外から伸びてきた内容は、負けて強しの走りだと言える。

エイティーンガール

　五分のスタートだったが、位置取りを殿付近まで下げてレースを進める。

　直線で大外に出されると良い脚を使ったが、8着まで追い上げた所でゴール板を通過。

　道中での位置取りが後ろ過ぎたのが敗因だが、終いの脚色は良かったので、もう少し時計を要する展開ならば挽回に期待出来る。

ファストフォース

　五分のスタートを切った途端に鞍上に一杯に追われてハナを打とうとしたが、他馬のダッシュ力には及ばずに好位での競馬を余儀なくされる。

　直線では馬場の3分所辺りからジリジリと脚を伸ばしたが、上位入線馬達の決め手には敵わず、9着に終わった。

　首尾良く逃げを打ち、マイペースの競馬に持ち込めなかったのが敗因だ。

ジャンダルム

　まずまずのスタートを切ると鞍上に促されて先行策に打って出る。

　道中は逃げるレシステンシアをピッタリとマークしてレースを進めると手応え良く直線入りして脚を伸ばしたが、残り100m付近で力尽きて11着に敗れた。

　1人気のレシステンシアをマークして勝ちに行った競馬をしたものの、結果的に差し有利な展開になったのを見ると、マークする相手を間違えたのが敗因だと言える。

ダイアトニック

　スタートのタイミングが合わず、最後方付近で追い込みの競馬となってしまう。

　3,4コーナーでラチ沿いを立ち回ると、直線では最内に進路を取って抜け出そうとしたが、目立った末脚を繰り出せずに大敗。

　スタートで出遅れたことが致命的な敗因のため、このレースは度外視可能だ。

安田記念(G1) 6/5 東京芝1600m(良)

出走各馬のレース内容

シュネルマイスター

　五分のスタートを切ると中団馬群で折り合いを付けて末脚を溜める。

　直線に入ると残り400m辺りで馬場の4分所から脚を伸ばして2着に好走。

　馬場傾向には恵まれたが、状態が芳しくなかったのを加味すれば、十分強い競馬をしたと言える。

ナランフレグ

　五分のスタートを切ると、出たなりに馬群後方で脚を溜める。

　直線を向くと馬場の4,5分所から脚を伸ばしたが、残り200m手前で完全に脚がアガってしまい、9着に敗れた。

　ナランフレグにとって芝1600mの距離が長かったのが敗因だ。

ダイアトニック

　まずまずのスタートを切ると鞍上の岩田康誠騎手に追われて先行策に出る。

　だが、前半600m地点まで行きたがる仕草を見せ、鞍上に必死に宥められる。

　直線では馬場の3,4分所辺りから抜け出しを図るが、次第に後続に捕まっていき、残り200m地点で馬群へ沈んで14着に終わった。

　レース序盤で折り合いを欠いたのと芝1600mの距離が長かったのが敗因なので、このレースは度外視可能だ。

アイビスサマーダッシュ(G3) 7/31 新潟芝1000m(良)

出走各馬のレース内容

マリアズハート

　まずまずのスタートだったが、他馬とのダッシュ力の差で後方からのレースとなる。

　終いは鞍上のゴーサインに応えて脚を伸ばしたものの、掲示板内の着順を確保出来ずに7着に敗れた。

　道中での位置取りが後ろ過ぎたのが敗因だ。

ヴェントヴォーチェ

　7枠からまずまずのスタートを切ると、枠なりに馬場の外側の中団馬群に潜り込んで脚を溜める。

　道中では上手く折り合ってレースを進めたが、終いでは前を行く馬達が壁になってしまったせいで満足に脚を伸ばせず、9着に終わった。

　進路が確保出来ずに末脚が不発に終わったのが敗因なので、このレースは度外視可能だ。

北九州記念(G3) 8/21 小倉芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

タイセイビジョン

　五分の発馬だったがダッシュ力がないので、枠なりに後方12,3番手のインコースで脚を溜める競馬となる。

　道中は終始インコースを立ち回ると、直線では馬場の外を回す各馬とは裏腹にインから脚を伸ばして2着に好走。

　差し有利な展開は向いたが、直線でインコースを付いた鞍上の判断力は評価出来る。

ナムラクレア

　五分のスタートを切ると出たなりに中団馬群の外に付ける。

　3,4コーナーでラチ沿いから2,3頭分外のコースを立ち回ると、直線では膨らみ気味に馬場の3,4分所へ出されるが、徐々にインコースへ切り込みながら脚を伸ばして3着に好走。

　差し有利な展開には恵まれたが、4コーナーから直線入りの地点でもう少しタイトに立ち回れていれば勝ち負けになっていただろう。

テイエムスパーダ

　五分のスタートを切った途端に鞍上に追われると、内から二の脚を活かしてハナに立つ。

　道中はシンシティら先行馬達を引き連れて逃げを打つと、直線では馬場の3分所辺りから逃げ粘ったが、差し馬達の末脚に屈して7着に敗れた。

　差し有利な展開が向かなかったのが敗因だが、ハンデ込みで現状の実力は出しきった印象だ。

ファストフォース

　まずまずのスタートを切ると二の脚をジワジワ伸ばしてハナに立とうとしたが、テイエムスパーダらのダッシュ力には及ばず、先団4,5番手辺りでのレースとなる。

　道中で折り合って脚を溜めると直線では馬場の3,4分所から脚を伸ばしたが、上位入線は叶わずに10着に敗れた。

　逃げを打って自分の形を作れなかったのが敗因だ。

ジャンダルム

　好スタートを切ると出たなりに好位7,8番手辺りの馬群外に付ける。

　道中は折り合いレースを進められたものの、直線を向いてゴーサインが出ても全くに伸びずに17着に惨敗。

　確かにトップハンデと終始外を回される展開が不利に働いたが、1着から2秒差の敗北は不可解だ。

　苦手な休み明けのレースが堪えたのかもしれないため、このレースは一応度外視出来る。

キーンランドカップ(G3) 8/28 札幌芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

ヴェントヴォーチェ

平凡なスタートを切った直後にマウンテンムスメに寄られた影響で後方からのレースとなる。

道中は芝が荒れたインコースを立ち回りながら脚を溜めると、直線では馬場の2分所と3分所の瀬戸際から脚を伸ばして重賞初制覇を達成。

今回の勝因は、レース序盤に位置取りを悪くしたが、終始タイトに立ち回って序盤のポジションロスを挽回したルメール騎手の手綱捌きでもぎ取ったからだ。

そのため、ルメール騎手の手腕に関しては評価に値する。

ウインマーベル

　五分のスタートを切ると出たなりに好位に付ける。

　道中で折り合って進めると、直線では馬場の4,5分所辺りからジリジリと伸びて2着に好走。

　前有利な展開に恵まれた好走につき、特に評価なし。

エイティーンガール

　スタートで後手を踏むと、そのまま殿で脚を溜めて追い込み体勢を取る。

　3,4コーナーで大外に出されてゴーサインを待つと、直線では馬場の6分所辺りから脚を伸ばして6着に入線。

　前有利な展開が向かなかったのが敗因だ。

メイショウミモザ

　まずまずのスタートを切ったが、後方3番手辺りに控えて決め手勝負に賭ける。

　3,4コーナーで大外に出して進出の機会をうかがうと、直線では馬場の6分所辺りから脚を伸ばしたが、上位入線は叶わずに12着に敗れた。

　レース序盤で後方に控えるも、前有利な展開にならずに後方待機策が裏目に出たのが敗因だ。

セントウルS(G2) 9/11 中京芝1200m(良)

出走各馬のレース内容

メイケイエール

　五分のスタートを切ると鞍上に促されて好位5番手辺りに付ける。

　道中は行きたがる所を鞍上に宥められながら脚を溜めると、直線では馬場の2,3分所辺りから力強く脚を伸ばし、上がり3ハロン最速の末脚で快勝。

　まさに「横綱競馬」といった勝ちっぷりであり、当然高く評価すべき走りだ。

ファストフォース

　まずまずのスタートを切った途端に鞍上に一杯に追われて一目散にハナを目指す。

　結局ハナはシャンデリアムーンに譲ったが、自身はシャンデリアムーンの直後に付けてこれを突きながらハイペースの流れを作る。

　直線ではインコースからジリジリと脚を伸ばすと、ゴール前では脚がアガりながらも2着に好走。

　前走の北九州記念とは違って逃げに打って出たのが奏功した好走のため、団野騎手の積極策は少し評価出来る。

ラヴィングアンサー

　平凡なスタートを切ると、殿付近で待機して追い込みの競馬に賭ける。

　直線では大外から追い込もうとしたが、直線入り口地点ですでに脚がアガってしまい、見せ場なく9着に大敗。

　ラヴィングアンサーにとって、レースで求められた基礎スピードが速過ぎたせいで脚がたまらなかったのが敗因だ。