【ローズステークス2021】5分で分かる！出走全馬の前走のまとめ

　G1馬が未出走な上に重賞勝ち馬もクールキャット1頭のみというカオスなメンバーなため、レース前日の段階で1人気のオッズが4.4倍も付く混戦模様となっている。

　そのため、ローズステークスで狙いが定まらずにお困りの方が多いのではないだろうか。

　そこで、今回は「ローズステークスでの穴馬をお探しの方」や「ローズステークスの各ステップレースをざっくり見直したい方」、「いちいち各ステップレースを見直すのがメンドイ方」向けに、前半では出走各馬のステップレースをざっくりまとめ、後半では巻き返しに期待がかかる穴馬をピックアップすることで、予想作業の手間を省くことが目的の記事を作成した。

　この記事が何らかの形で参考になれば幸いである。

この記事で分かること

• 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
• ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる
• 巻き返しに期待がかかる1頭が分かる

筆者の自己紹介

各ステップレースのまとめ

フィリーズレビュー(G2) 3/14 阪神芝1400m(良)

出走各馬のレース内容

オパールムーン

　平凡なスタートで殿からレースを進める。

　直線では馬場の4分所から追い込んだが上位入線を果たせずに9着に終わった。

　スタートが悪く、後方ポジションしか取れなかったのが敗因だ。

エイシンヒテン

　スタートで出遅れてしまって後方からのレースを余儀なくされる。

　直線では馬場の3分所から追い込むが、残り200m付近で脚色が鈍ってしまい11着に敗北。

　出遅れで得意の逃げが打てなかったのが主たる敗因なので、このレースは度外視でよい。

フローラS(G2) 4/25 東京芝2000m(良)

出走各馬のレース内容

クールキャット

　8枠からまずまずのスタートを切ると、徐々に前から4、5番手の馬群外目で先行策を取る。

　バックストレッチではアンフィニードルから約5、6馬身離れた位置で大馬群を引っ張る、ララサンスフルの作る緩いペースをリラックスして進めると、直線では馬場の1、2分所から抜群の手応えで脚を伸ばして優勝した。

　先行勢に有利なスローペースに恵まれた上に、ルメール騎手の先行策がハマった勝利なので特に評価なし。

オヌール

　まずまずのスタートを切ると好位8番手辺りのインコースで折り合って脚を溜める。

　3,4コーナーでもリズム良く運ぶと直線で馬群を割って伸びてくるかに見えたが、外からジェニーアムレットに被せられると一旦これに食い下がったものの、残り200mのハロン棒付近で力尽きて8着に敗北した。

　先行有利な馬場を味方に付けられなかったものの、直線で馬群を割れずに末脚が伸ばせなかったのを見ると、揉まれ弱い馬だったことかコンディション不良が敗因だろう。

優駿牝馬(G1) 5/23 東京芝2400m(良)

出走各馬のレース内容

タガノパッション

　スタートは悪くなかったが、先団グループに取り付かずに後方で脚を溜める。

　直線では馬場の3分所から追い込み、アールドヴィーヴルにアタマ差先着の4着に好走。

　馬場傾向と展開が味方したため特に評価点はないが、4角の位置取りが少し後ろ過ぎたのが着差に響いた。

アールドヴィーヴル

　7枠から平凡なスタートを切ると後方待機して脚を溜める。

　直線では馬場の3分所から追い込んで5着に好走した。

　展開が向いた好走だったが、ゴール前で若干脚がアガり気味だったのを見ると、芝2400mの距離が少し長かったかもしれない。

クールキャット

　スタートは際立って良い訳ではなかったが、内枠のアドバンテージで首尾良くハナに立つ。

　直線ではラチ沿いで抵抗したが、残り300m付近で後続に捕まってしまい、14着に大敗。

　先行したソダシを他の馬がマークしたことで発生した淀みない展開と差し有利な馬場傾向が向かなかったことが敗因だ。

エンスージアズム

　平凡なスタートだったが二の脚で加速して好位グループを追走。

　道中では何事もなく脚を溜めたが、直線では早々にガス欠してしまい、末脚を発揮することなく最下位に大敗。

　直線入り口でガス欠を起こしたのを考えると、現状は芝2400mどころか芝2000mも距離が長い可能性がある負けっぷりだった。

3歳上1勝クラス 6/27 阪神芝2200m(良)

出走各馬のレース内容

プリュムドール

　並のスタートだったが、1周目のホームストレッチで徐々に加速して好位のインコースを確保。

　道中はインでジッと脚を溜めると、直線では馬場の2分所辺りから脚を伸ばし、1着入線。

　馬場傾向と斤量には恵まれたが、余力残しで勝利した点は少し評価出来る。

ラジオNIKKEI賞(G3) 7/4 福島芝1800m(やや重)

出走各馬のレース内容

アイコンテーラー

　平凡なスタートだったが鞍上に押っ付けられると二の脚で加速をし、好位6番手辺りに取り付いた。

　ただ、外枠とコーナリング力のまずさが祟って、2,4コーナーでは余分に馬場の外目を回らされた。

　そのせいで直線では馬場の2,3分所から末脚を伸ばす羽目になり、8着に凡走した。

　道中で外目を回らされ続けたロスによる凡走なので、このレースぶりは大目に見ることが出来る。

フィリピンT(2勝クラス) 7/11 小倉芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

スパークル

　スタートは平凡だが、少数頭のレースで先行争いが激化しなかったので先行3,4番手のインコースに付けることが出来た。

　直線ではラチ沿いから1,2頭程外のインコースから末脚を伸ばして勝利。

　馬場傾向通りの好走につき、特に評価点はない。

糸魚川特別(2勝クラス) 7/25 新潟芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

タガノディアーナ

　難なく発馬を決めると出たなりに好位6番手辺りに付ける。

　レース序盤では行きたがる素振りを見せたが鞍上に宥められながら脚を溜めた。

　直線では残り300m付近でゴーサインが出ると馬場の2分所辺りから末脚を伸ばし、2着に好走した。

　スローペースで前有利な展開は向いたが、ゴーサインにすぐ反応して加速した従順さは評価出来る。

出雲崎特別(1勝クラス) 8/1 新潟芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

アンドヴァラナウト

　まずまずのスタートを切ると鞍上に手綱を引かれながらバックストレッチで徐々に加速し、道中はインコースで脚を溜める。

　直線では残り400m付近でラチ沿いから5,6頭程外のコースで馬群を割った瞬間に福永騎手の手綱が動いた。

　すると、瞬時に加速して先頭にいたダノンドリーマーを並ぶ間もなくかわし、ノーステッキで勝利した。

　もちろん馬場傾向を味方に付けた勝利だったが、展開的には前半1000mが58.2秒と締まった流れで差し馬向きだった。

　そんな展開を先行策且つノーステッキで楽勝したレースぶりは、間違いなく重賞級の逸材と言えるものだった。

　また、勝ちタイム1.58.2も優秀なタイムなため、この勝利はとても高く評価出来る。

3歳上1勝クラス 8/1 函館芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

メイショウオニユリ

　まずまずのスタートを切ると出たなりに先行策を取る。

　2コーナーを回った所で若干行きたがるのを池添騎手になだめられながら脚を溜めると、直線では馬場の2分所辺りから抜け出して勝利した。

　インコースをロス無く立ち回った勝利なので特に評価点はない。

3歳上1勝クラス 8/14 小倉芝1800m(不良)

出走各馬のレース内容

ストゥーティ

　内枠から好スタートを決めると出たなりに先行集団に加わる。

　道中で特にロス無く進めると、直線では早め抜け出しからのラチ沿いで粘り込んで優勝。

　馬場や展開の不利を覆したレースではなかったので、特に評価点はない。

藻岩山特別(2勝クラス) 8/15 札幌芝2000m(良)

出走各馬のレース内容

エイシンヒテン

　内枠からまずまずのスタートを切ると出たなりにハナに立つ。

　道中は緩いペースで逃げたが、3コーナー地点でソーヴァリアントにハナを奪われると鞍上に追われながらこれに追いすがったが、再び先頭に立つことは叶わずに4着に終わった。

　ペースを緩くし過ぎた逃げで後続に楽をさせてしまったのが敗因だ。

都井岬特別(1勝クラス) 8/21 小倉芝2000m(良)

出走各馬のレース内容

イリマ

　若干アオったスタートな上に二の脚も遅かったが、内枠と小数頭による緩い先行争いのおかげで、1コーナー地点で好位ポジションに付けることに成功。

　道中でしっかり折り合って脚を溜めると、残り400mのハロン棒辺りで馬群外から追われながらスパートを開始。

　すると、直線では脚がアガり気味の他馬を尻目に馬場の真ん中辺りから突き抜けて2着と4馬身差の圧勝。

　スタートの悪さが致命傷にならなかった展開と馬場傾向には恵まれたが、ワンペースな展開をクラス水準以上のタイムで走破したスタミナは評価出来る。

札幌日刊S杯(2勝クラス) 8/21 札幌芝2600m(良)

出走各馬のレース内容

オータムヒロイン

　スタートは悪くなかったが先行策は取らずに後方に付けて折り合い重視でレースを運んだ。

　2周目の3コーナーで鞍上に追っ付けられながら大外から捲り気味のスパートを仕掛けたが、直線入り口ですでに脚がアガってしまい、8着に凡走した。

　スタミナ不足で捲りが不発したのが敗因だ。

3歳上1勝クラス 8/28 小倉芝1800m(良)

出走各馬のレース内容

レアシャンパーニュ

　まずまずのスタートだったが、先行せずに後方で脚を溜める。

　道中は馬群外で進出の機を待つと、3コーナーで鞍上の手が動いた時には反応良く大外からスパートを開始。

　その勢いのまま直線で馬場の真ん中辺りに進路を取って末脚を伸ばし、1勝クラスを勝ち上がった。

　開幕後半でインコースの芝が傷んで外差しが効く馬場傾向と淀みないペースが味方した勝利だが、ゴール時に余力を残していたので、外差しが効く馬場ならば注意すべき馬かもしれない。

英彦山特別(1勝クラス) 8/29 小倉芝2000m(良)

出走各馬のレース内容

コーディアル

　まるで歩くようなゆっくりとしたスタートだったので、自然と後方待機組に収まった。

　4コーナーではコースロスを防ぐためにインコースに進路を取ると、直線では芝が傷んだ馬場の2分所辺りから末脚を伸ばして勝利した。

　直線で芝が傷んだコースから末脚を伸ばした馬力だけは評価出来るが、小数頭でスタートのまずさが大した影響を及ぼさなかったのと、4コーナーで外を回さなかった鮫島騎手の好判断がもたらした勝利なので、高評価は出来ないレースだ。