今年のジャパンカップのテーマが「頂上決戦」だとしたら、有馬記念は「多士済々」といったところだろう。
8頭ものG1馬や牡馬に引けを取らない力を持つ牝馬、さらに新進気鋭の3歳馬までも参戦を表明し、どこから馬券を買うかは贅沢な悩みになりそうだ。
そこで、今回は有馬記念に向けて「穴馬を見つけたい方」や「出走各馬の前走をざっとおさらいしたい人」、「ステップレース分析が面倒な人」向けに、出走全馬のステップレースをざっくりまとめ、予想作業の手間を省くことを目的とした記事を作成した。
この記事で分かること
- 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
- ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる
筆者の自己紹介
筆者の自己紹介
- 筆者名
ロールス
- 趣味
競馬、麻雀、読書
- 予想スタイル
水族館や動物園で生き物をじっくり観察するのが楽しみの1つ。
そんな性質から、各馬の調教とステップレースの内容、土曜日の馬場傾向に注目し、穴馬を選んでいくスタイルが好み。
- 2020年度の主な指名穴馬
ソーグリッタリング(エプソムカップ 5人気)
キセキ(宝塚記念 6人気)
ディメンシオン(キーンランドC 9人気)
マジックキャッスル(秋華賞 10人気)
更なる穴馬をお届けするべく、現在は競馬予想本を読み漁って仕入れた知識を予想に取り入れるべく、鋭意修行中!
各ステップレースのまとめ
有馬記念(G1) 2019/12/22 中山芝2500m(良)
出走各馬のレース内容
ワールドプレミア
道中は後方15番手で待機。
4コーナー付近で鞍上からゴーサインが出ると大外を回って直線馬場の5分所へなだれ込み、ジワジワと末脚を伸ばして3着。
差し、追い込み向きの展開と馬場が向いた好走につき、特に評価すべき点は無い。
フィエールマン
スタートでやや立ち遅れたものの、10番手を確保。
3コーナーから捲りを開始し、直線に入るころには前から4番手までポジションを上げた。
直線は馬場の4分所から粘り込み、4着に好走。
道中の進路及び直線で通った進路の馬場は良かったものの、3コーナーから自ら動いて勝ちに行った結果の好走なので、評価出来る。
キセキ
スタートで出遅れ、後方4番手辺りからレースを進める。
3~4コーナーで鞍上からゴーサインが出ると馬場の4分所から捲り始め、直線では馬場の良い外を突き、5着入線。
差し、追い込み向きの展開と馬場が向いた好走につき、特に評価すべき点は無い。
宝塚記念(G1) 6/28 阪神芝2200m(やや重)
出走各馬のレース内容
クロノジェネシス
向こう正面では内から5頭程空けた外目7番手辺りで待機し、3コーナー辺りで各馬がスパートを開始すると馬なりのまま外からポジションを上げた。
4コーナーで先頭に立つと絶好の手応えで直線の馬場の4分所辺りに雪崩れ込み、後続をみるみる突き放して圧勝した。
馬場も展開も向いた形だが、重馬場での凄まじい爆発力のなせる業だ。
キセキ
スタートがあまり良くなく、後方14番手辺りで追い込み態勢。
ところが、向こう正面に差し掛かると内から7頭分程空けた外目からじわじわと進出を開始。
さらに、3~4コーナー間から一気にペースアップしてクロノジェネシスの直後で直線を迎えると、馬場の5分所から渋とく伸びて2着。
馬場状態とワンペースな展開は向いたが、向こう正面からジワジワ加速出来るように上手く乗った武豊騎手の技術が光る一戦だった。
モズベッロ
道中は中団10番手付近で芝が荒れていない馬場の3分所を立ち回り、直線でジワジワ末脚を伸ばして3着に好走。
渋った馬場での追い比べが向いた印象なので、特に評価点は無い。
ラッキーライラック
スタートからやや追っ付けて先行策を取る。
3角から捲りを仕掛けると、直線ではそのまま馬場の1、2分所へなだれ込んだ。
しかし、伸び脚が悪かったのでラスト200mを切った辺りで徐々に馬場の3分所へ進路を変えるが、末脚は不発に終わった。
渋った馬場が合わなかった印象。
ペルシアンナイト
スタートからやや追っ付けて先行策を取る。
しかし、3~4角からペースが上がると付いていけずに後退してしまい惨敗。
馬場とペース、芝が荒れたインを走らされる枠順と、全てが向かなかった。
ブラストワンピース
スタートはさほど良くないが、1コーナーまでの長い直線を利用して先団5番手辺りに陣取る。
向こう正面では前を走るラッキーライラックをマークしながらレースを進めるが、3コーナーで各馬がスパートを開始した頃にはすでに手応えが怪しくなる。
果たして、直線の叩き合いでは早々に脱落し、巻き返すことなく16着に大敗してしまった。
流れが速く、差し有利の展開が向かなかった。
菊花賞(G1) 10/25 京都芝3000m(良)
出走各馬のレース内容
ディープボンド(除外)
好スタートを切ると、好位5番手でレースを進める。
直線は馬場の5分所付近から粘り込み、4着に好走。
展開が向いたので、特に評価すべき点は無い。
ブラックホール(除外)
道中は中団に位置取りつつ、終始芝の荒れたインを避け、馬場の3~4分所で脚を溜める。
直線でも馬場の良い5分所に進路を取り、追い込んで5着に好走。
馬場と展開が向いたので、特に評価すべき点は無い。
バビット
好スタートを切ると、前から2番手でレースを進める。
残り800m付近から内田騎手が手綱をしごき始めるが、手応えがあまり良くなく、直線ではフラフラした足取りで次第に減速してしまい、10着に敗北。
ここでは展開が向かなかったので、度外視可能。
天皇賞秋(G1) 11/1 東京芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
フィエールマン
スタートは悪くなかったが、両脇を走るウインブライトとクロノジェネシスに挟まれてしまったせいで進路が塞がり、想定より後方の競馬になってしまう。
道中はクロノジェネシスをピッタリとマークするような位置取りでレースを進め、直線は馬場の2分所へなだれ込んだ。
しかし、その直後でまたしてもウインブライトに前を、クロノジェネシスに外を塞がれたせいで追い出しが遅れ、馬場の3、4分所への進路変更を余儀なくされる。
そんな不利を受けたにもかかわらず、残り400mからゴーサインが出ると内を走るライバル達をごぼう抜き、1着のアーモンドアイまで1/2馬身まで迫る2着に好走。
鋭い末脚が発揮しやすい馬場だったとはいえ、前半1000m通過タイムが1.00.5のスローペースで前有利な流れの上に、スタート直後と直線で不利を受けたにもかかわらず、上がり最速の末脚で勝ち馬と0.1秒差まで迫った内容は高く評価出来る。
クロノジェネシス
スタート直後に外から先行策を取るキセキとアーモンドアイに進路をカットされ、やや不利を受けた。
直線は馬場の3分所から末脚を発揮して3着に好走。
鋭い末脚が発揮しやすい馬場だったとはいえ、前半1000m通過タイムが1.00.5のスローペースで前有利な流れに逆らって上がり2位の末脚で勝ち馬と0.1秒差まで迫った内容は高く評価出来る。
キセキ
発馬良く飛び出し、3番手で先行策を取る。
直線は馬場の2分所で粘り込むが失速して5着まで。
瞬発力勝負では、少し分が悪かった。
ブラストワンピース
向こう正面では、終始他馬が避けて走った芝の荒れたインコースを走る。
直線では最内から1、2頭空いたインコースから末脚を伸ばそうとするが不発。
向こう正面のコース取りが悪かった上に瞬発力勝負が向かなかったので、度外視可能。
アルゼンチン共和国杯(G2) 11/8 東京芝2500m(良)
出走各馬のレース内容
オーソリティ
好スタートを切ると、外枠から先行策。
向こう正面では雁行馬群の先頭から3番手で、インの芝が荒れたコースと荒れてないコースの瀬戸際を走ってロスを防ぐ。
直線は馬場の3分所から抜け出して快勝。
差し有利な展開には逆らったので、少し評価出来る。
ラストドラフト(除外)
1枠2番を引いたせいで、道中は芝が傷んだインコースの追走を余儀なくされる。
4コーナー付近で鞍上の戸崎騎手が外へ進路変更を促し、直線は馬場の3分所と4分所の間から直線勝負の構えを取る。
そこから追われるとジワジワ脚を伸ばして2着に好走。
差し有利な馬場と展開は向いたものの、スタート直後の直線~向こう正面は芝が傷んだコースを走らされたロスがあり、その点で若干の不利を受けた印象。
サンアップルトン(除外)
向こう正面では芝の状態が良い2分所を追走し、中団10番手付近で脚を溜める。
直線は芝の状態が良い馬場の4分所から末脚を伸ばし、3着に好走。
馬場と展開が向いただけなので、特に評価すべき点は無い。
ユーキャンスマイル
道中は中団10番手付近で待機。
3~4コーナーではインコースを通り、直線を向いた所では前から4頭目でスパートを開始。
しかし、比較的馬場の良い3分所を通った割には末脚を伸ばせずに4着。
久々の上にトップハンデ。そして3~4コーナーで動いた分が響いた印象。
アールスター(除外)
向こう正面及び直線ではオーソリティの直後を追うような形で先行策。
しかし、次第に垂れてしまい、8着に終わった。
差し有利な展開が向かなかった。
オセアグレイト
向こう正面では逃げるミュゼエイリアンから2馬身程離れた2番手でレースを進める。
直線を向くと馬場の3分所辺りからスパートを開始するが、400mのハロン棒を越した辺りから次第に減速しながら芝の状態が悪い馬場の2分所へヨレていった結果、11着に大敗。
差し有利な展開が向かなかった。
エリザベス女王杯(G1) 11/15 阪神芝2200m(良)
出走各馬のレース内容
ラッキーライラック
向こう正面では、最内から約3頭分空けた外目のコースで脚を溜める。
3~4コーナーにかけては、中団11番手から馬なりのまま外目を通って進出し、前から3番手までポジションを押し上げる。
直線は馬場の2分所にコースを取ると、残り250m付近からのゴーサインに応じて先行押し切り。
差し有利な馬場は向いたが、3~4コーナーで自らポジションを上げたスパート能力と基礎スピードは評価出来る。
サラキア
向こう正面では、ラッキーライラックをピッタリとマークしながら末脚を溜める。
直線は後方12番手から馬場の4分所付近で末脚を伸ばし、クビ差の2着に好走。
展開は向いたが、後方12番手から上がり最速の末脚で好走した瞬発力は評価出来る。
ラヴズオンリーユー
向こう正面では、内側からラッキーライラックに並びかけるような位置で脚を溜める。
3~4コーナーからラッキーライラックが馬なりのままスパートを始めると、こちらもデムーロ騎手に押っ付けられながらスパートを開始。
すると、直線では馬場の3分所を通って末脚を伸ばし、3着入線。
差し有利な馬場が向いた好走につき、特に評価点は無い。
マイルCS(G1) 11/22 阪神芝1600m(良)
出走各馬のレース内容
ペルシアンナイト
道中は後方16番手で追い込み態勢。
直線は馬場の4、5分所から上がり3ハロン2位の末脚で追い込むものの、7着入線が精一杯だった。
道中のポジションが後ろ過ぎたのが敗因なので、度外視可能。
ジャパンカップ(G1) 11/29 東京芝2400m(良)
出走各馬のレース内容
カレンブーケドール
道中は若干かかりながら、アーモンドアイを見るように脚を溜める。
3、4コーナー中間で馬場の良い外へ進路を切り替え、馬場の3分所へ出した所で直線を迎える。
そこからジワジワ脚を伸ばし、3着デアリングタクトとハナ差の4着に好走。
展開は向いたが、強豪相手に僅差の接戦を演じた地力は素直に評価出来る。
ワールドプレミア
向こう正面では後方10番手で脚を溜めるものの、3~4コーナーでは芝が荒れたインを立ち回る若干のロスが発生。
直線は馬場の芝が荒れた2分所と荒れてない3分所の瀬戸際を走りながらジワジワ脚を伸ばして6着。
およそ11ヵ月の休養明け且つ荒れたインを通らされた割には好走しており、評価出来るレース内容だ。
ミッキースワロー(回避)
向こう正面では後方11番手で脚を溜め、直線は馬場の3分所から追い込みを開始。
結果は上がり3ハロン3位の末脚を発揮して7着で、道中のポジションが少し後ろ過ぎた。
キセキ
スタートから出していき、向こう正面地点で後続に10馬身以上の大差を付ける大逃げを敢行。
直線は芝が荒れた最内から一頭空けたコースで逃げ込みを図るが残り100m手前で後続に捕まってしまい、8着に敗北。
差し有利な馬場が向かなかった上に直線では終始芝が荒れたインを通って必要以上に消耗してしまったため、この敗戦は度外視可能。
ユーキャンスマイル
スタートから追っ付けるも前に行く気配が無く、後方3番手からの競馬を選択。
向こう正面及び3~4コーナーでは芝が荒れたインを避けて脚を溜め、直線は馬場の4分所から追い込むも、目立った末脚は認められなかった。
特に評価点すべき点が無い敗戦で、もしかしたら展開よりも馬の状態に原因があったのかもしれない。
クレッシェンドラヴ
道中はアーモンドアイの外で先行策。
直線は馬場の3分所から粘り込みを図るが、13着に大敗。
先行不利で瞬発力が求められる馬場が合わなかった印象だ。
トーラスジェミニ(除外)
好スタートですんなり先行策を取る。
向こう正面では大逃げを打つキセキから離れた2番手で実質逃げの役を担う。
3~4コーナーにかけては芝が荒れたインを避けるように内のグローリーヴェイズと並走し、直線は馬場の3分所へなだれ込んだ。
しかし、早々と失速して14着に大敗してしまう。
距離が長い上に、先行不利で瞬発力が求められる馬場が合わなかった印象だ。
ステイヤーズS(G2) 12/5 中山芝3600m(やや重)
出走各馬のレース内容
オセアグレイト
終始最内3番手でジッと脚を溜め、直線だけ馬場の2分所に出して押し切り勝ち。
1000m通過タイムが1.06.2という、重賞とは思えない超ドスローな展開と、開催初週の先行有利な馬場が味方した勝利につき、評価点は無い。
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