牝馬クラシック第一弾の桜花賞は波乱の幕切れとなった。
人気を背負ったナミュール、サークルオブライフといった外枠の差し馬は揃って馬券外に飛び、馬場の内から末脚を伸ばしたスターズオンアースが見事桜の女王に輝いた。
だが、1着から11着のプレサージュリフトまでのタイム差が0.5秒というハンデ戦のような結果で終わったため、舞台を東京芝2400mに移したオークスでも波乱の臭いが立ち込めている。
そのため、どの馬を買うべきか狙いが定まらずにお困りの方が多いのではないだろうか。
そこで、今回は「オークスでの穴馬をお探しの方」や「オークスの各ステップレースをざっくり見直したい方」、「いちいち各ステップレースを見直すのがメンドイ方」向けに、前半では出走各馬のステップレースをざっくりまとめ、後半では巻き返しに期待がかかる穴馬をピックアップすることで、予想作業の手間を省くことが目的の記事を作成した。
この記事が何らかの形で参考になれば幸いである。
この記事で分かること
- 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
- ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる
- 巻き返しに期待がかかる1頭が分かる
筆者の自己紹介
筆者の自己紹介
- 筆者名
ロールス
- 趣味
競馬、麻雀、読書、TVゲーム
- 競馬歴
15年2ヵ月(2023年5月現在)
- ブログ開設のきっかけ
日頃から、自分が狙っている穴馬の情報を探すためにネット検索してて、「穴馬の情報が意外とないのが不便だな」って思ってました。
そのため、「自分が穴馬情報の発信源になって、穴から勝負する人の背中を押そう」と思い立ってブログを始めました!
- 予想スタイル
生き物の観察が好きなので、各馬の調教とステップレースの内容、土曜日の馬場傾向に注目し、穴馬を選んでいくスタイルが好みです。
一方、「過去~年の好走例」といったデータは見ても意味がないんでスルーします。
- 今年の目標
馬券の買い方がゴミのように下手なせいで何度も万馬券をゲットし損なっているので、馬券の買い方を上手くなって万馬券を獲ります。
- 2022年度の主な指名穴馬
ナムラクレア(桜花賞 6人気) ※『桜花賞の出走各馬の前走まとめ』の記事にて紹介
ガロアクリーク(エプソムカップ 8人気) ※『エプソムカップの出走各馬の前走まとめ』の記事にて紹介
ジャンダルム(スプリンターズS 8人気) ※『スプリンターズSの出走各馬の前走まとめ』の記事にて紹介
- 2021年度の主な指名穴馬
ラストドラフト(AJCC 6人気)
カテドラル(東京新聞杯 12人気) ※『東京新聞杯の出走全馬の前走まとめ』の記事にて紹介
ギベオン(金鯱賞 10人気) ※『金鯱賞の出走全馬の前走まとめ』の記事にて紹介
スーパーフェザー(小倉記念 8人気) ※『小倉記念の出走全馬の前走まとめ』の記事にて紹介
エイシンヒテン(ローズS 12人気) ※『ローズSの出走全馬の前走まとめ』の記事にて紹介
更なる穴馬をお届けするべく、現在は競馬予想本を読み漁って仕入れた知識を予想に取り入れるべく、鋭意修行中!
各ステップレースのまとめ
チューリップ賞(G2) 3/5 阪神芝1600m(良)
出走各馬のレース内容
ナミュール
五分のスタートを切ると出たなりに中団に付ける。
道中で折り合って脚を溜めると、直線入り口付近ではインコースから進出を窺うも前が壁でモタついてしまう。
残り300m辺りから外に進路を切り替えるとジワジワと末脚を伸ばし、内で粘るサークルオブライフらをかわして勝利した。
馬群を瞬時に捌ける瞬発力は認められなかったものの、インコースが有利な馬場で外から脚を伸ばしてサークルオブライフらを捩じ伏せた勝ちっぷりは評価に値する。
ピンハイ
スタートが悪かったため、中団馬群での競馬になる。
道中はラチ沿いで脚を溜めると、直線でもラチ沿いへ進路を取って脚を伸ばし、2着に好走した。
スタートが悪かったのは1着との着順に響いたが、今回の好走はスタートが悪くても直線でインコースを突けば挽回出来る程内が有利な馬場傾向に恵まれたものなので、高評価は出来ない。
サークルオブライフ
内枠からまずまずのスタートを切ると、鞍上に軽く促されて先行策に出る。
道中でキッチリ折り合うと直線ではラチ沿いから3頭分程外のインコースから脚を伸ばし、3着に好走した。
インコースが有利な馬場傾向を味方に付けた結果だったが、いつもの中団待機策ではなく先行策で結果を残した点からはレースセンスの高さが知れたため、少し評価出来る。
サウンドビバーチェ
好スタートを決めるとハナを取りに行ったが、内からジャマンにハナを奪われたため、2番手でレースを進める。
直線ではインコースで粘り込んだものの、ゴール前でナミュールらの末脚に屈し、4着に敗北。
馬場傾向は味方に付けたものの、末脚の決め手の差で敗れてしまったため、後続の決め手が削がれる展開でなら見直したい。
ウォーターナビレラ
好スタートを切るとそのままハナに立つかに見えたが、内から来たジャマンらに主導権を譲り、自身は好位5,6番手辺りに控える。
道中でキッチリ折り合った後に直線ではインコースを突こうとしたが、前が壁で進路が開かなかったせいで鞍上がゴーサインを出せなかった。
残り250m付近でようやくゴーサインが出たが、先に追われてスピードに乗ったサークルオブライフらをかわせずに5着に終わった。
直線ではインコースを突いて馬場傾向の恩恵を受けたが、いつもの先行策ではなく好位に控える競馬を試みて一定の結果を出した点については少し評価出来る。
とはいえ、出走メンバー1の好スタートを切ったにもかかわらず好位に控えたのは少し勿体ないレースだった。
また、直線で一時は前が塞がったにせよ、追い出されてからのトップスピードは世代随一という訳ではないので、やはり持ち前の持久力とスピードが活かせる条件でこそ見直すべきだろう。
フラワーC(G3) 3/21 中山芝1800m(良)
出走各馬のレース内容
スタニングローズ
若干伸び上がるようなスタートだったが、最内枠発走だったのでロスなく二の脚が伸ばせ、先団のインコースのポジションを確保する。
道中は先団で折り合うと、直線では反応良く弾けてニシノラブウインクを下した。
馬場傾向と枠順に恵まれた勝利につき、特に評価点はない。
ニシノラブウインク
五分のスタートを切ると二の脚を活かして先行策を取る。
先行2番手で折り合うと直線では反応良く末脚を伸ばしたが、ゴール前で勝ち馬にかわされてしまい、2着に敗北。
スタニングローズ同様に馬場傾向に恵まれたが、勝ち馬とはスローペースへの適性とローテーションが明暗を分けたように見えた。
したがって、オークスの展開と仕上がり次第では勝ち馬との逆転は可能だ。
パーソナルハイ
スタートで出遅れてしまい、中団馬群でのレースとなる。
道中はキッチリ折り合うと3コーナー地点から鞍上の手が動き出し、ラチ沿いでスパートを開始。
直線では馬場の2分所辺りから末脚を伸ばそうとしたが、上位入線出来る程の脚色はなく、6着に凡走。
出遅れたせいで道中での位置取りが後ろになってしまい、3,4コーナーで脚を使ってしまったのが敗因だ。
ミモザ賞(1勝クラス) 3/27 中山芝2000m(重)
出走各馬のレース内容
ラブパイロー
内枠から五分のスタートを切ると鞍上に促されてハナを切る。
道中をマイペースで運ぶと3コーナー終いで鞍上の手綱が動き出す。
直線で最内に進路を取るとラブパイローの直線に付けていたエーデルブルーメが迫ってきたが、これを競り落として逃げ切り勝ち。
前有利な馬場傾向と展開に恵まれた勝利なため、特に評価点はない。
忘れな草賞(L) 4/10 阪神芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
アートハウス
五分のスタートを切ると徐々に加速して馬群外から好位の4,5番手に付ける。
3,4コーナーではラチ沿いで脚を溜めると、直線ではインコースからスルスルと抜け出して快勝。
外枠発走だったが上手く好位のインコースに付け、終始ロスなく立ち回ったことと相手に恵まれたことが勝因。
そのため高評価は不要だが、直線でノーステッキだった点と鞍上のゴーサインにすぐに反応して加速した従順さは評価に値する。
シーグラス
五分のスタートを切ると最後方に控える。
3,4コーナーでは大外に進路を取ると、4コーナー終いから鞍上のゴーサインが出てスパートを始める。
直線では大外から脚を伸ばしたが、上位入線出来る決め手を繰り出せずに6着に敗北。
内が伸びる馬場を味方に付けられなかったのが敗因だが、それを差し引いても決め手が平凡だったのを考えると、オープンクラスでは単純に力不足だろう。
桜花賞(G1) 4/10 阪神芝1600m(良)
出走各馬のレース内容
スターズオンアース
五分のスタートを切ると鞍上に促されて中団ポジションに付ける。
道中は馬込みでジッと脚を溜めると、直線ではラチ沿いから4,5頭分外のインコースから脚を伸ばそうとする。
しかし、前が壁で中々進路が開かずにいたが、内から外にヨレてきたパーソナルハイの煽りを受けながら進路を馬場の2分所辺りに切り替えるとようやく鞍上からゴーサインが出て、ウォーターナビレラをハナ差で差して優勝。
直線では内に進路を取ったが中々追い出せずに居た所を、パーソナルハイの煽りを受けて上手く外に出せたことが勝因なため、レースのアヤに恵まれた結果だったことは否めない。
だが、パーソナルハイに馬体をぶつけられても怯まなかった精神力と、ゴール前でウォーターナビレラを一瞬で差した瞬発力に関しては少し評価出来る。
ウォーターナビレラ
3枠から好スタートを切ると出たなりに前から2番手の位置先行策を取る。
道中でキッチリ折り合うと直線で追いすがるナムラクレアらを突き放して桜のタイトルを手中に収めたかに見えたが、外からスターズオンアースの強襲を受けて2着に敗北。
内伸びの馬場傾向を味方に付けながら惜しくも敗れた格好だが、差し有利な展開で先行馬ながら勝ち馬とハナ差の2着に好走した内容は評価出来る。
サークルオブライフ
スタートがあまり良くなかったせいで後方から追い込み態勢を取る。
直線では馬場の4分所から脚を伸ばしたが、4着まで追い上げた所でゴール板を通過した。
内枠有利な馬場傾向を味方に出来なかったことが敗因だが、大外から追い込んで脚を余した内容は負けて強しのもので、オークス当日が差し・追い込み馬に有利な馬場傾向になるならば桜花賞上位入線馬達との逆転は十分可能だ。
ピンハイ
五分のスタートを切ると出たなりに中団のインコースに付ける。
だが、3コーナー手前でピンハイが馬なりで進出したのを鞍上に制止されて若干ポジションを下げた所で、すかさずパーソナルハイにピンハイの前のポジションを奪われてしまい、ピンハイは位置取りを悪くしてしまった格好になる。
直線ではラチ沿いから3,4頭分のインコースからパーソナルハイを外に弾き飛ばしながらジワジワと伸びてきたが、残り100m辺りでナムラクレアとウォーターナビレラが壁になってしまって手綱を引いてしまう。
そのせいで末脚の勢いが削がれてしまったが、最後まで末脚を伸ばして5着に入線した。
インコース有利な馬場傾向には恵まれたが、3コーナー手前でパーソナルハイにポジションを奪われて位置取りを悪くしてしまったことと、直線でパーソナルハイを弾き飛ばしながら進路を外に切り替えてしまったことで前が壁になったことが敗因だ。
パーソナルハイ
まずまずのスタートを切ると叩き一杯で追われて好位に付ける。
3コーナー手前で内に居たピンハイがポジションを下げた所ですかさずインコースに潜り込んで一息入れる。
直線ではインコースから脚を伸ばしたが、残り200m付近で内からヨレてきたピンハイに弾き飛ばされてしまう。
それでもジワジワと追い上げたが、6着に終わった。
内枠発走のおかげで馬場傾向には恵まれたが、ピンハイに弾き飛ばされる不利を受けた点に関しては大目に見ることが出来る。
ベルクレスタ
五分のスタートを切ったが中団ポジションを取りに行かずに後方で末脚を溜める。
直線では馬場の4分所辺りからまずまずの脚色で追い込んだが、上位入線は叶わずに7着に終わった。
道中のポジションが後ろ過ぎたのとインコースが有利な馬場傾向を味方に出来なかったのが敗因。
ナミュール
スタートが悪かったため、後方で脚を溜める競馬に出る。
直線では馬場の3分所辺りから末脚を伸ばしたが、残り100m辺りで脚色が鈍り、10着に敗北。
道中のポジションが後ろ過ぎたのとインコースが有利な馬場傾向を味方に出来なかったのが敗因。
プレサージュリフト
スタートが悪く、最後方で追い込みの競馬となる。
直線では馬場の4,5分所から追い込んだが、見せ場を作れずに11着に敗北。
道中のポジションが後ろ過ぎたのとインコースが有利な馬場傾向を味方に出来なかったのが敗因だが、直線での末脚も案外だったため、桜花賞のペースはプレサージュリフトにとって脚が溜めにくいものだったのかもしれない。
ライラック
スタートが悪く、最後方付近での競馬となる。
直線を向くと馬場の3分所から追い込んだが、残り200m付近で力尽き、16着に惨敗。
道中のポジションが後ろ過ぎたのとインコースが有利な馬場傾向を味方に出来なかったのが主たる敗因だが、直線の途中で力尽きてしまったのを見ると、基礎スピードの速さと瞬発力が同時に求められる軽い馬場が向かなかったのも凡走した理由だろう。
フローラS(G2) 4/24 東京芝2000m(良)
出走各馬のレース内容
エリカヴィータ
まずまずのスタートを切ると出たなりに先団のインコースに潜り込む。
向こう正面では逃げ馬からかなり離れた大馬群を率いるモチベーションの直後で折り合ってジッと脚を溜めると、直線では最内から伸びてきてパーソナルハイを捕らえて優勝。
逃げ、先行馬に有利な緩い流れを先団4番手のインコースで脚を溜めるという恵まれた展開がもたらした勝利につき、特に評価点はない。
パーソナルハイ
まずまずのスタートでゲートを出た途端に鞍上に一杯に追われてハナに立つ。
向こう正面では2,3馬身後ろでシンシアウィッシュを引き連れて大馬群を離した逃げを打つと、3,4コーナーではさらにこれを引き離して単騎逃げを続行。
直線ではラチ沿いで逃げ粘ったが、ゴール前でエリカヴィータにかわされて2着に敗北。
他の先行馬が殆ど絡んで来ない緩い展開のおかげで逃げがハマった好走なので、特に評価点はない。
ルージュエヴァイユ
五分のスタートだったが後方に控えてレースを進める。
道中はホウオウバニラの内に付けて馬群を追走。
直線では馬場の3分所から追い込もうとしたが、前が開かずに追い出しを待たされ、その影響で5着に入線して敗北。
今回の敗因は直線でスムーズさを欠いたせいで上手く脚を伸ばせなかったことなので、この結果は度外視可能だ。
ホウオウバニラ
五分のスタートを切ると出たなりに中団に付けたが、2コーナーでシンシアウィッシュが外から進出すると、何かのスイッチが入ったのか馬がうるさそうな仕草を取る。
道中は中団でジッと脚を溜めて直線での追い比べに備えたが、上位着順に食い込める末脚を発揮出来ずに7着に敗退。
前目の馬達に有利な緩い展開が向かなかったことが敗因なため、このレースは度外視可能だ。
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