アーモンドアイは、誰を連れてくる?
G1通算勝利数が6と、抜けた実績を持つアーモンドアイが着外に飛ぶ展開を描くのは難儀だが、続く人気馬達は幾何かの不安要素を持っている。
そこで、本稿で前哨戦の舞台となった各競馬場の当時のトラックバイアスを加味し、危険な人気馬と注目の穴馬をピックアップしていく。
この記事の狙い
- 前哨戦のトラックバイアスから上位人気5頭を評価する
- 前哨戦のトラックバイアスから見つけた穴馬を共有する
上位人気5頭の評価について
- アーモンドアイ
前走…有馬記念(G1)。2019/12/22中山(良) 2500m
どの脚質も満遍なく好走出来るが、レース全体の上がり3ハロンで11.5以下を記録したのがたったの3地点(※)しかなかったので、馬力が問われた馬場だったといえる。
瞬発力勝負で結果を残してきたアーモンドアイにとって、馬力が要る馬場が合わなかった印象だったので、ここは度外視でよい。
※…5R「サラ2歳新馬」の1400m地点11.4、9R「ノエル賞」の1400m地点11.4、12R「クリスマスカップ」の1000m地点11.5の3地点
- サウンドキアラ
前走…阪神牝馬ステークス(G2)。2020/04/11阪神(良) 1600m
結論から言うと、この日の阪神の芝コースでの好走条件には大きな偏りがあった。具体的には、好走した殆どの馬の4コーナーでの位置取りが5番手より前――つまり、逃げ・先行馬に超有利な馬場だったのだ。
サウンドキアラはインの5番手で脚を溜めた結果、トラックバイアスが味方して重賞3連勝を果たしたが、ハッキリ言ってこの馬が最も危険な人気馬である。
何故なら、いずれのレースもトラックバイアスを活かした勝利だからだ。
京都牝馬ステークスは直線で馬場の4分所より外に出した先行馬に有利な馬場だったのに加え、京都金杯もインで脚を溜めた先行勢に有利な馬場な上に斤量53㎏の軽ハンデだったため、この重賞3連勝はあまり評価出来ないのだ。
そのため、馬場の恩恵を受けられない枠に入った瞬間、遠慮無く消しで構わない。
- ラヴズオンリーユー
前走…エリザベス女王杯(G1)。2019/11/10京都(良) 2200m
先行馬が好走しやすい馬場だが、スタンド前の直線でのコース取りに偏りは認められなかった。
およそ半年のブランクがあったとはいえ、先行有利のトラックバイアスは受けていたため、瞬発力のある脚を長く使える能力に差が出た敗戦に見えた。
今回も早い決め手が問われるなら、厳しそうだ。
- プリモシーン
前走…ダービー卿CT(G3)。2020/04/04中山(良) 1600m
4コーナーで4番手以内につけた先行・捲り差し馬がそのまま直線の最内~2分所へなだれ込んで押し切るシーンが目立ったため、先行有利の馬場といえる。
また、走破時計はクラス水準並みだが上がりがかかって瞬発力より馬力が問われた馬場だったので、プリモシーンのレース適正には合わなかった。
したがって、馬場と枠順次第では挽回が可能である。
- ノームコア
前走…高松宮記念(G1)。2020/3/29中京(重) 1200m
終日、馬場の3~5分所を回した差し馬の伸び具合が際立っていたが、午後に馬場が乾くにつれて逃げ・先行馬にやや優勢な馬場になった。
ノームコアは4コーナー12番手で待機して大外に進路を取った結果15着と惨敗したが、距離不足に加えて上記の馬場も合わなかった。
そのため、プリモシーン同様に挽回の目はある。
馬場に泣いた、スカーレットカラーとコントラチェックについて
続いて、スカーレットカラーとコントラチェックの前哨戦を評価していく。
- スカーレットカラー
前走…阪神牝馬ステークス(G2)。2020/04/11阪神(良) 1600m
前述の通り、逃げ・先行馬に超有利な馬場を上がり3F最速(33.4)の末脚でほぼ最後尾から2着まで差した内容は高く評価出来る。主戦騎手の離脱は痛手だが、直線が長い東京ならばさらに前進可能である。
ただし、この馬より前に付けられそうな早い末脚が身上の馬は他にもいるので、「出走メンバーとの力関係の比較」と「枠順」、「展開の相談」が必要なので、取り扱い注意である。
- コントラチェック
前走…中山牝馬ステークス(G3)。2020/03/14中山(不良) 1800m
当日の悪天候のせいで馬場が不良となったせいで、馬力勝負が不得手なこの馬は最下位に敗れてしまった。
ところで、今回の出走登録馬は差し馬だらけである。もしもアーモンドアイが後方競馬を余儀なくされる展開になって有力な差し馬のマークを集めたならば、必然的に前につけた馬のマークは薄くなるだろう。
そのため、良馬場で先行勢がノーマークになる展開なら、改めて期待出来る。
まとめ
上位人気5頭と穴馬の評価は、以下の通りである。
(上位人気5頭)
- アーモンドアイ…前走は度外視。良馬場なら安牌
- サウンドキアラ…連勝は眉唾物。危険な人気馬筆頭
- ラヴズオンリーユー…瞬発力勝負が不安。危険な人気馬その2
- プリモシーン&ノームコア…前走は度外視。差しが届く馬場なら挽回
(穴馬)
- スカーレットカラー…前走は極めて強いが、鵜呑みは禁物
- コントラチェック…前走は度外視。逃げ・先行勢がノーマークになるなら
最後に、ここまで読んでいただき感謝いたします。次回は5/16(土)のレース終了後に調教と土曜日の東京競馬場の馬場を加味した予想記事を更新いたします。次回も、是非ご覧ください。なお、お問い合わせがある場合は以下からどうぞ。
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