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巻き返しに期待がかかる1頭
今回は④アケルナルスターに注目する。 理由は次の通りである。 まずは、今年のディープ記念で予測される展開から述べていきたい。 今回の出走メンバーに展開を早くしそうな高速ラップの逃げ馬が不在、3,4コーナーで捲りそうな馬が何頭かいる、そして土曜日のオーシャンSでの上がり3ハロン最速はナランフレグの33.5秒。 これらを加味すると、今年のディープ記念は前半1000mは1.01後半~1.02秒台のドスローペースで推移したのち、3,4コーナーでロジハービンやジャスティンロックの捲りが呼び水となり、一気にペースアップ。 そして直線では上がり3ハロン34秒台前半の瞬発力勝負が繰り広げられるのだ。 つまり、今回の展開はいわゆる「ヨーイドンのレース」である。無論、そんな展開ならば前に付けた馬に有利なのだが、逃げを打ちそうなメイショウゲキリン、リューベック、ボーンディスウェイはいずれも上がりがかかるタフな馬場で結果を出してきた上、早い上がりが求められる展開の実績に乏しいか未経験な馬達なのだ。 したがって、展開利が得られそうだが瞬発力がないこの3頭は馬券外に消えると考える。
次に3,4コーナーで発生しそうなロジハービンやジャスティンロックの捲りは不発に終わるだろう。 何故なら、今の中山芝コースの馬場はインコースが荒れておらず、内を立ち回った馬が比較的有利な傾向にあるからだ。 「外から捲る=距離ロスが発生する」ということなので、インコースを立ち回ることが不利な状況にならなければ捲りが成功する可能性は低い。 さらに、前半がスローペースで各馬が余力を残しやすい状況で外から捲りを仕掛けても、元々インコースや前目に付けた馬達は道中で無駄なスタミナを消費してないため、捲った馬が返り討ちに遭う展開は想像に難くない。 そのため、ロジハービンとジャスティンロックも今回は着外だろう。 残す穴馬候補はラーグルフ、マテンロウレオ、アケルナルスターの3頭になるが、その中でアケルナルスターを選んだ理由は「アケルナルスターが高い瞬発力を有し、直線でインコースを突ける馬」だからだ。 アケルナルスターが持つ瞬発力の高さの裏付けは、3走前に東京競馬場で行われた2歳未勝利戦にある。 アケルナルスターはこのレースの直線で外に出されると抜群の反応で加速し、上がり最速の末脚(しかも、出走メンバーで唯一の上がり33秒台)でインコースで粘る逃げ・先行馬達をごぼう抜きしたのだが、勝ちっぷりが実に濃い内容なのだ。 このレースは1000m通過タイムが1.02.2のドスローペースで、内枠を引いた逃げ・先行馬がこぞって上位入線したレースだったのだ。 いわゆる「イン前有利」な展開だったのだが、アケルナルスターは馬場の外から追い込んで圧勝した。 要するに、「後続勢に不利な展開を覆して勝利した」のだ。 この結果が意味することは、アケルナルスターは軽い馬場での瞬発力勝負においては不利を覆す高い能力があるということである。 しかも、当レースのレース平均上がり3ハロンが34.6秒に対し、アケルナルスターが繰り出したタイムは33.5秒と、平均よりも1秒以上高かった。 さらに、出走メンバー中3頭が記録した上がり3ハロン2位のタイムは34.8秒だったため、この点からもアケルナルスターが優れた瞬発力を有していることがうかがえる。 そのため、この勝ちっぷりは高く評価出来る。 さらに、アケルナルスターがインコースを突ける根拠は前々走のホープフルSで認められた。 当時のアケルナルスターの鞍上だった柴田大知騎手は、3コーナーでラチ沿いを立ち回ったが、4コーナーで前にいたフィディルが進路を塞いでいたため、進路を外に移してスパートを開始。 そして内側にフィディルを置いた格好で直線を向くと、4コーナーで加速した遠心力のままに馬場の外から抜け出しを狙った。 しかし、前が壁になってしまったため再び進路をインコースに切り替えると、残り200mを過ぎた地点でようやく追うことが出来た。 惜しむらくは、追われてからの加速が鋭く、直線が短い中山でも十分にやれる脚色だったことと、ホープフルSで記録したアケルナルスターの上がり3ハロン35.1秒が出走メンバー最速だったことだ(しかも、勝ったキラーアビリティの上がり3ハロンのタイムより0.7秒も早いという・・・)。 そのため、当時の鞍上が柴田大知騎手よりも状況判断力に長けた騎手だったならば、ひょっとすると3着になっていたかもしれないのだ。 そんな実力を持った馬が、ホープフルSで僅差の着順だったマテンロウレオやラーグルフ、さらにはボーンディスウェイよりも人気薄ならば、狙わない手はないだろう。 このように、アケルナルスターは一発を秘めた注目すべき穴馬である。 幸いなことに、上位人気3頭は揃って外枠を引いた。 おそらく人気の3頭は直線で外を回すはずなので、菅原騎手がインコースから追い込めば位置取りのロスがリカバリー出来、一泡吹かせることが可能だろう。 そのため、今回はアケルナルスターの好走に期待する。
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