【天皇賞秋2020】人気から穴馬まで!出走各馬のステップレースのまとめ

ステップレース

 無敗の3冠馬の誕生という偉業に終わった菊花賞の興奮が冷めやらぬまま、G1レース8勝という次なる偉業が成し遂げられようとしている。

 アーモンドアイの強さは語るまでもないが、8冠を阻むライバルには各路線でG1を勝ったビッグネームが揃い、バラエティー豊かな選択肢に目移りしてしまうのは無理もない。

 そこで、今回は「ステップレースで見所のある走りをした馬をお探しの方」、「天皇賞秋までのステップレースを改めて振り返りたい方」へ今一度出走各馬のステップレース当時の馬場傾向をまとめることで予想の参考になることを目指す。

この記事で分かること

  1. 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
  2. ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる
  3. 巻き返しに期待出来る馬が分かる

筆者の自己紹介

筆者の自己紹介

  • 筆者名

ロールス

  • 趣味

競馬、麻雀、読書

  • 予想スタイル

 水族館や動物園で生き物をじっくり観察するのが楽しみの1つ。

そんな性質から、各馬の調教とステップレースの内容、土曜日の馬場傾向に注目し、穴馬を選んでいくスタイルが好み。

  • 2020年度の主な指名穴馬

ソーグリッタリング(エプソムカップ 5人気)

キセキ(宝塚記念 6人気)

ディメンシオン(キーンランドC 9人気)

マジックキャッスル(秋華賞 10人気)

 更なる穴馬をお届けするべく、現在は競馬予想本を読み漁って仕入れた知識を予想に取り入れるべく、鋭意修行中!

各ステップレースのまとめ

中山記念(G2) 3/1 中山芝1800m(良)

当時の馬場傾向:

■当日芝の走破タイム傾向
クラス水準タイムより1秒以上早い

■コース取りの傾向
最内~馬場の2分所が有利

■枠順傾向
内枠がやや有利

■脚質傾向
逃げ、先行有利

求められた能力:

  • 先行力
  • 早い走破タイムで完走できる基礎スピード
  • 上がり3ハロンを34秒台で加速出来る瞬発力と多少の馬力

出走各馬のレース内容

ダノンキングリー

 飛ばすマルターズアポジーとソウルスターリングから離れた3番手でレースを運んだことで実質的な逃げを打つ形となる。

そのおかげで楽に追走出来、優勝。

 馬場傾向を考えれば実質逃げは絶好の展開だったので、特に評価点は無い。

ウインブライト

 外枠発走のせいでポジションが取れず、道中は終始外を回らされる。

そのせいで直線では内ラチ沿いを走った他の有力馬よりも脚色が鈍く、伸びきれずに7着に敗れる。

 この1戦は、馬場と展開が向かなかった。

天皇賞春(G1) 5/3 京都芝3200m(良)

当時の馬場傾向:

■当日芝の走破タイム傾向
水準タイムより0.5~1秒程度早い

■コース取りの傾向
直線は馬場の3分所から外がよく伸びる

■枠順傾向
内枠はやや不利

■脚質傾向
差し有利

求められた能力:

  • 道中でジッと脚を溜められる折り合い
  • 直線で末脚を発揮出来る瞬発力

出走各馬のレース内容

フィエールマン

 道中は中団でジッと脚を溜め、直線は馬場の5、6分所から脚を伸ばして優勝。

馬場傾向通りの好走につき、特に評価点無し。

キセキ

 向こう正面でかかり気味にハナを奪うと12秒台前半を刻むやや早いラップで逃げてしまう。

そのせいで直線では力尽きてしまい、6着に敗北。

 馬場傾向うんぬんよりも、鞍上と折り合わなかったのが痛かった。

安田記念(G1) 6/7 東京芝1600m(やや重)

当時の馬場傾向:

■当日芝の走破タイム傾向
水準タイムより0.5~1秒程度早い

■コース取りの傾向
外有利でインはやや不利

■枠順傾向
内枠はやや不利

■脚質傾向
差し有利

求められた能力:

  • 早い走破タイムで完走できる基礎スピード
  • 上がり3ハロンを33秒後半~34秒台で加速出来る瞬発力と多少の馬力
  • 上がり3ハロン33秒後半~34秒台の脚を長く使える持久力

出走各馬のレース内容

アーモンドアイ

 発馬で出遅れたせいで後方からの競馬を余儀なくされた。

直線は馬場の3分所からジワジワ加速して2着を確保。

 差し有利の展開が向いた好走だが、出遅れのロスがありながら末脚を伸ばしたのは評価出来る

ダノンキングリー

 道中は最内から1頭分程空けたインの中団で脚を溜める。

直線は馬場の2分所から脚を伸ばそうとするが、特に目立った伸びは認められなかった。

 致命的な不利は無かったが、荒れたインを走らされ続けたことが敗因。

ダノンプレミアム

 内枠からまずまずのスタートダッシュを決めるとインの3番手で先行策を取る。

直線はインから2頭分程空けた位置から粘り込みを図るが残り200m付近でガス欠を起こして13着に大敗。

 差し有利の速い流れが向かなかった

宝塚記念(G1) 6/28 阪神芝2200m(やや重)

当時の馬場傾向:

■当日芝の走破タイム傾向
水準タイムより2秒程度遅い

■直線のコース取りの傾向
外有利で、インは馬場が荒れているので超不利

■枠順傾向
外枠有利

■脚質傾向
差し有利

求められた能力:

  • 1ハロン12秒前半のラップが5ハロン程度続くワンペースに耐えられる持久力とスタミナ
  • レース平均上がり3ハロンが36秒台の馬場で決め手を発揮出来る馬力
  • 道中でじっと脚を溜められる折り合い

出走各馬のレース内容

クロノジェネシス

 向こう正面では内から5頭程空けた外目7番手辺りで待機し、3コーナー辺りで各馬がスパートを開始すると馬なりのまま外からポジションを上げた。

4コーナーで先頭に立つと絶好の手応えで直線の馬場の4分所辺りに雪崩れ込み、後続をみるみる突き放して圧勝した。

 馬場も展開も向いた形だが、重馬場での凄まじい爆発力のなせるわざ

キセキ

 スタートがあまり良くなく、後方14番手辺りで追い込み態勢。

しかし、向こう正面に差し掛かると内から7頭分程外目からじわじわと進出を開始。

さらに、3~4コーナー間から一気にペースアップしてクロノジェネシスの直後で直線を迎えると、馬場の5分所から渋とく伸びて2着。

 馬場状態とワンペースな展開は向いたが、向こう正面からジワジワ加速出来るように上手く乗った武豊騎手の技術が光る一戦だった

カデナ

 発馬で行き脚がつかず、殿でレースを進める。

向こう正面では最内から2、3頭空けた位置で脚を溜め、直線では馬場の2分所へ突っ込んだ。

しかし、渋った馬場が堪えたらしく、末脚を伸ばせず不発。

 良馬場でなら前進が見込める

ブラストワンピース

 スタートはさほど良くないが、1コーナーまでの長い直線を利用して先団5番手辺りに陣取る。

向こう正面では前を走るラッキーライラックをマークしながらレースを進めるが、3コーナーで各馬がスパートを開始した頃にはすでに手応えが怪しくなり、直線では早くもガス欠。

 流れが速い差し有利の展開が向かなかった

クイーンS(G3) 8/2 札幌芝1800m(良)

当時の馬場傾向:

■当日芝の走破タイム傾向
水準タイムより1秒以上早い

■コース取りの傾向
最内~2分所優勢

■枠順傾向
やや内枠有利

■脚質傾向
展開次第

求められた能力:

  • 早い走破タイムで完走できる基礎スピード
  • インで脚を溜められる折り合い
  • 短い直線ですぐに加速出来る瞬発力

出走各馬のレース内容

スカーレットカラー

 スタートはまずまずだがすぐに最後方に下がり、道中は内ラチ沿いでジッと脚を溜める。

直線ではラチ沿いから抜け出しを図るが前が開かなかったので残り150m付近で馬場の2分所に進路を切り替えて追い込んで3着を確保。

 直線では窮屈になったせいで追い出しが遅れて脚を余したが、差し有利な展開の上に馬場傾向通りの好走につき、特に評価点は無い。

新潟記念(G3) 9/6 新潟2000m(良)

当時の馬場傾向:

■当日芝の走破タイム傾向
クラス水準タイムより1秒程度遅い

■コース取りの傾向
馬場の4分所から外が伸びる

■枠順傾向
外枠有利

■脚質傾向
差し有利

求められた能力:

  • レース平均上がり3ハロンが33.1秒の展開で脚を伸ばせる瞬発力
  • ラスト3~2ハロンで10秒台が連続で続く展開で早い上がりを保てる持続力

出走各馬のレース内容

ジナンボー

 発馬はあまりよくないが、インコースを通ってポジションをみるみる上げ、3コーナー手前ではハナに立った。

直線では馬場の7分所へ出して粘り込みを図り、僅差の2着。

 レースを支配した形だが、差し馬有利な馬場で前目に付けての好走は一応評価。

カデナ

 道中は後方待機し、直線は馬場の8、9分所から追い込んで6着。

末脚は伸ばしたものの、ポジションが少し後ろ過ぎた印象だ。

京都大賞典(G2) 10/11 京都芝2400m(やや重)

当時の馬場傾向:

■当日芝の走破タイム傾向
展開次第で、水準タイム並~1秒程遅いタイム

■コース取りの傾向
直線は馬場の3分所から外が有利

■枠順傾向
外枠がやや有利

■脚質傾向
差し有利だが、4コーナーで10番以内に付けねば差しあぐねる

求められた能力:

  • レース平均の上がり3ハロンが35秒台の馬場で上がり3位以内の末脚が使える多少の馬力
  • 4コーナーで前から10番手以内に付けられる機動力
  • 4コーナーで馬場の3分所から外に出せるポジショニング

出走各馬のレース内容

キセキ

 発馬が悪く、殿しんがりから競馬を行う。

3コーナー手前から11番手まで、さらに4コーナーでは7番手までポジションを上げ、直線は大外(馬場の5番手付近)に進路を取った。

すると、そこから猛然と追い込んで2着。

 馬場は向いたが、3コーナーから自ら動いて2着を確保した持久力は評価出来る

毎日王冠(G2) 10/11 東京芝1800m(やや重)

当時の馬場傾向:

■当日芝の走破タイム傾向
走破タイムはクラス水準タイム並だが、
渋った馬場状態にしてはかなり早い。

■コース取りの傾向
直線は馬場の2分所が末脚を伸ばしやすい

■枠順傾向
外枠がやや有利

■脚質傾向
差しがやや有利。追い込み不利

求められた能力:

  • 早い走破タイムで完走できる基礎スピード
  • 道中で前から10番手以内を走れる多少の先行力
  • 上がり3ハロン35秒台の展開で脚を伸ばせる多少の馬力と瞬発力

出走各馬のレース内容

ダイワキャグニー

 道中は逃げ馬2騎から5、6馬身離れた3番手で実質逃げの形を取る。

直線は馬場の2分所から粘り込みを図り、2着に好走。

 実質逃げでレースを楽に運んでの好走につき、特に評価点は無い。

カデナ

 道中は中団待機し、直線では馬場の3分所から差して4着。

末脚は伸ばしたが、ポジションが少し後ろ過ぎた印象だ。

巻き返しに期待がかかる馬について

 この項目では、巻き返しに期待がかかる馬を1頭ピックアップする。

  1. ダノンキングリー
  • 何故、巻き返しに期待がかかるのか?

 ダノンキングリーにとって、最も得意な条件での開催になるからである

 ダノンキングリーの持ち味と言えば、スローペースの東京競馬場で発揮出来る瞬発力だ。

実際、ダノンキングリーの戦績は東京競馬場の良績が目立つが、2019年毎日王冠の内容が特に優秀である。

開幕週で前有利な馬場で行われたこのレースでダノンキングリーは出遅れて最後方からレースを進めると、直線は馬場の3分所からごぼう抜きを決めたのだ。

 今年の東京競馬場は立て続けの降雨のせいで例年より馬場が悪いとはいえ、Bコース替わりで多少の馬場回復が見込めるので、瞬発力勝負の馬場に変化する可能性がある。

 目論見通り瞬発力勝負の馬場になれば、挽回は十分可能だ

  • 狙う時のポイント

  この馬は馬力勝負が不得手なので、芝が傷んだ箇所を走らされないかが取捨のポイントとなる。

そのため、「当日の馬場の上がり3ハロンタイムが早いか」と、「内ラチ沿いの芝の傷み具合」は注意深くチェックする必要がある。

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以上、最後まで読んでいただきありがとうございます。

 皆様の予想の一助になりますように!

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