【CBC賞2020】荒れるサマーシリーズ第二弾!出走全馬の前走を解説!

ステップレース

 先週の宝塚記念では穴馬としてキセキを大体的に取り上げ、何とか予想を的中させることが出来た(こちらのページ)。尚、肝心の馬券は馬連3410円を100円分引っ掛けただけという体たらくな結果だった……。

 しかし、今週行われるCBC賞は週明けから波乱説が囁かれ、あまつさえ今年は中京ではなく阪神開催(しかも、道悪馬場濃厚!)。一難去ってまた一難とは、まさにこのことである。

 とはいえ、穴馬選定の基本は前走を振り返って悪条件だった馬に注目するという点は、開催馬場が良かろうが悪かろうが変わりはない。

 今回も各ステップレースを振り替って馬場や展開の有利不利を受けた馬を炙り出し、注目の穴馬+αをピックアップしていく。

この記事で分かること

  1. 全出走馬の前走の馬場傾向や展開を振り返り、立ち回りの有利不利を解説

  1. 「1」を踏まえ、注目の穴馬+αと危険な人気馬をピックアップ

各ステップレースの振り返り

重賞

CBC賞(G3) 2019/6/30 中京(不良) 1200m

当時の馬場傾向

  • 最内は伸びにくく、馬場の2分所から外が伸びやすい
  • 好走脚質の偏りは無く、展開一つ

【出走馬のレース内容の評価】

  • アウィルアウェイ

 道中は最後方で待機し、直線で最内を突いて一瞬良い脚を使うもラスト200m付近でガス欠を起こしてしまい、8着に敗北。道悪馬場が合わない感じの結果だった。

  • ショウナンアンセム

 道中はインから1頭分空けた好位で脚を溜めるが、直線は馬場の2分所を選ぶも伸びずに失速。渋った馬場が堪えた印象。

  • レッドアンシェル

 道中は外目の6番手辺りで追走。直線で馬場の3分所に持ち出されて追われると、最後まで末脚を伸ばして勝利。差し有利の展開且つ伸びる進路を選択しての好走につき、馬場傾向通りの走りだったと言える

阪急杯(G3) 3/1 阪神(良) 1400m

当時の馬場傾向:

  • 走破時計はクラス水準以上
  • インコースで脚を溜めて、直線もインに進路を求めた逃げ~差し馬(道中10番手以内)に有利
  • 外も一応伸びるが、差し切りは難しい

【出走馬のレース内容の評価】

  • アンヴァル

 発馬を決め、インから2頭分位空けた先団グループの最後方でレースを運ぶ。また、3~4角でも終始外を回らされ、直線は馬場の4分所に出したが16着に惨敗。圧倒的イン有利な馬場では外枠を引いた時点でほぼゲームセットなので、このレースはノーカウントでよい

  • クリノガウディー

 道中ではインに潜れず、外を回らされる。さらに直線では馬場の2、3分所にコースを取るが伸びきれずに7着。インベタ馬場と少し早い展開が堪えた印象だった。

  • ジョイフル

 発馬は決めたが、道中は中団の外で脚を溜めていた。また、直線では大外から差し脚を伸ばそうとするが、特に目立った伸びは無かった。当時の馬場傾向の煽りを受けた形なので度外視可能

高松宮記念(G1) 3/29 中京(重) 1200m

当時の馬場傾向:

  • 逃げ・先行馬にやや優勢
  • 馬場の3~5分所を回した馬が好走

【出走馬のレース内容の評価】

  • アウィルアウェイ

 発馬は良かったが、行きたがる馬を騎手がなだめている内にポジションが後方になってしまう。さらに、直線では後方から馬場の4~5分所へ進路を求めるが、前が中々開かなかったので3分所に進路を変更。しかし、すでに大勢は決しており、凡走。序盤で折り合いを欠き、前目のポジションが取れなかったことが敗因

  • クリノガウディー

 スタートを決め、スムーズに先団に取りつく。直線も馬場の3分所から脚を伸ばし、次第にインに斜行するも1着入線。馬場とやや遅い展開の全てが向いたので、特に評価点は無い

阪神牝馬S(G2) 4/11 阪神(良) 1600m

当時の馬場傾向:

  • 走破時計はクラス水準より0.5秒程早く、馬場の状態はかなり良い
  • インがよく伸びる
  • 脚質は先行有利

【出走馬のレース内容の評価】

  • ディメンシオン

 スタートからじりじりと押し上げてインの3番手に付ける。さらに直線も最内から1頭空いたコースから押し切りを図り、3着に好走。馬場傾向がハマった好走なので、特に評価点無し

  • ノーワン

 スタートが悪く、殿しんがりからレースを進める。直線は馬場の3分所を突こうとするが、前が開かずに13着。馬場傾向の恩恵を受けられなかったとはいえ、追えば伸びる姿勢を見せていたので、内容は悪くなかった

京王杯スプリングカップ(G2) 5/16 東京(良) 1400m

当時の馬場傾向:

  • 馬券内に来た殆どの馬は4コーナーの位置取りが5番手以内の、所謂前残り馬場
  • 走破時計はレコード級のタイムが出る超高速馬場
  • 上がり3Fも33秒台が連発し、瞬発力が存分に活かせた

【出走馬のレース内容の評価】

  • レッドアンシェル

 スタート良く飛び出すが、道中6番手を選択。直線では最内を突いて手応え良く伸びてくるが、他にも切れ味のある馬が沢山いたため、スローの瞬発力勝負では分が悪かった。ただ、最後まで伸びてはいたので次に繋がりそうな内容

L(リステッド)以下

淀短距離S(L) 1/11 京都(良) 1200m

当時の馬場傾向:

  • 走破時計は水準より1秒以上かかっており、上がり3Fも33秒台が全く出ていなかった
  • 脚質は逃げ・先行に有利で枠順は不問
  • 最内から1、2頭空けたコースの伸びが特に目立ったが、いずれにせよ時計のかかる馬場への適性が好走のキーポイントだった

【出走馬のレース内容の評価】

  • ラブカンプー

 内ラチ沿いを先行するも失速。概ね馬場傾向の恩恵を受けやすい位置取りにいたため、物足りない印象。

  • エイシンデネブ

 終始14番手で追い込みにかけるも、前優勢且つ時計がかかる馬場では出番が無かった

鞍馬S(オープン) 5/10 京都(良) 1200m

当時の馬場傾向:

  • 走破時計は1ランク以上上位のクラス水準タイムを計測する高速馬場
  • 外差しが非常によく決まっていた

【出走馬のレース内容の評価】

  • グランドロワ

 ナインテイルズと逃げ争いを繰り広げて最下位。展開もだが、差し優勢の馬場も向かなかった

  • タイセイアベニール

 道中は中団で脚を溜め、直線は馬場の3~4分所を強襲して勝利。馬場傾向通りの走りなので、特に評価点は無い

  • ダイシンバルカン

 前から6番手辺りで競馬を進める。直線も伸びやすい3分所を突いたが終いに減速してしまい、これといった強調点が無い淡白な競馬。

  • ナインテイルズ

 グランドロワと逃げ争いを繰り広げてブービー。展開もだが、差し優勢の馬場も向かなかった。

韋駄天S(オープン) 5/24 新潟(良) 1000m

当時の馬場傾向:

  • 走破タイムは好時計が出るが、直線の外が伸びやすい馬場

【出走馬のレース内容の評価】

  • ダイシンバルカン

 中団からの競馬。特に末脚を伸ばすわけでもない敗戦だった。したがって、特に注目点は無い。

  • ラブカンプー

 好スタートを利して馬場の外に進路を取るが、最後は垂れた。直千と相性の悪い内枠とはいえ、進路は伸びやすい箇所を取ったため、少し物足りない内容。

安土城S(L) 5/31 京都(良) 1400m

当時の馬場傾向:

  • 走破タイムはクラス水準より0.2秒程遅いくらい
  • 圧倒的な外伸び馬場。2分所から外がよく伸びる
  • 枠の偏りは特に無い
  • 10レース(安土城S)から逃げ・先行馬優勢の馬場になる

【出走馬のレース内容の評価】

  • エイシンデネブ

 道中はインから1、2頭空けた中団で脚を溜め、直線は2.5分所辺りに進路を取った。しかし、特に目立った伸び脚は無く、最後はバテ気味だったので、不向きなレース展開に加えて距離が長かったのかも。

  • グランドロワ

 ロケットとの競り合いを制してハナへ。直線は馬場の3分所を通って2着に粘り込むが、馬場傾向通りの走りだったので特に評価点無し

  • ロケット

 道中は番手競馬。直線では馬場の3~4分所を選択して粘り込みを図るも、ラスト100m辺りでガス欠。レース展開は向いたが距離が少し長かったか。また、ゴール直前にロードクエストに寄られて少し伸びあがるような動きをした。致命的な不利では無いにせよ、あれが無ければ着順を1つ上げれたのかもしれない。

朱雀S(3勝クラス) 5/31 京都(良) 1200m

当時の馬場傾向:

  • 走破タイムはクラス水準より0.8秒遅かった
  • 圧倒的な外伸び馬場。2分所から外がよく伸びる
  • 枠の偏りは特に無い
  • 10レースを境に逃げ・先行馬優勢の馬場になる

【出走馬のレース内容の評価】

  • ミッキースピリット

 道中はインの4番手辺りで先行し、直線は馬場の2分所を突いて押し切った。傾向通りに走っただけなので、特に評価点無し

米子S(L) 6/21 阪神(良) 1600m

当時の馬場傾向:

  • 走破タイムはクラス水準より0.5秒程早かった
  • 逃げ・先行有利
  • 直線は最内~2分所が良く伸びる
  • 上がり33秒台も出せるので、瞬発力が活きる

【出走馬のレース内容の評価】

  • ジョイフル

 発馬を決めると他の先行馬を見ながら中団にポジションを取った。直線も最内を進むが、伸びきれず15着。逃げ・先行有利の馬場を考えると、ポジションが良くなかった

パラダイスS 6/28 東京(不良) 1400m

当時の馬場傾向:

  • 枠順はフラット
  • ポジションは先行勢がやや優勢
  • 直線は馬場の4分所から外が伸びやすい

【出走馬のレース内容の評価】

  • グランドロワ

 ハナを主張し、馬群をやや離した逃げ。直線で最内に切り込むも、ラスト50m付近で止まってしまった。前有利の展開はともかく、荒れたインを通り続けて勝ち馬から0.4秒差まで食い下がったのは評価材料

注目馬2頭と危険な人気馬

注目の穴馬1頭+α

  1. ジョイフル

 近3走は着外だが、4走前に阪神で行われたタンザナイトSの末脚は鮮やかだった。好走歴のある阪神1200mはプラスに働くだろう。また、父キングズベストは今年のトーラスジェミニの一件から、道悪馬場では要注意である。差し馬場なら、さらに期待大

  1. レッドアンシェル

 近2走は2桁着順が続くが、前走は不得手な瞬発力勝負、2走前は長期休養明け+差し馬場で先行策と敗因は明白である。また、渋った馬場での好走歴もあるため、雨予報は歓迎だ。ジョイフル同様、後方有利な展開なら。

危険な人気馬

  • アウィルアウェイ

 好走パターンが平坦コースに集中しており、阪神コースへの変更は微妙。さらに道悪馬場の実績にも乏しく、それでいてハンデ55.5kgでは積極的には買いたくない馬だ。

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