巻き返しに期待がかかる1頭
今回は、⑮アドマイヤハダルに注目する。
狙う理由は、次の2点だ。
狙う理由①:グッドな調教に好感触!
若葉Sから中3週で行われた皐月賞時の追い切り本数は計3本で、その時の1週前追い切りはCW6ハロンを馬なりで駆ける内容だった。
だが、今回の追い切りは皐月賞から中5週と前走より間隔は開いたものの、追い切りの内容は格段に良化していた。
まず、追い切り本数が前走の3本から6本に増えたこと。
追い切り本数を多くこなせる=体調が良好ということなので、追い切り本数の増加は単純に評価点だ。
次に、前走時の1週前追い切りは馬なり調整だったのに対し、今回は一杯に追って負荷をかけていたこと。
皐月賞時と同じく関東輸送が控えていることに加えて使い詰めにもかかわらずに1週前追い切りの負荷を強めたことは、ダービーをピークに仕上げたいという陣営の意気込みが表れたと見ている。
また、1週前追い切りの内容も実に素晴らしい。
鞍上のデムーロ騎手からゴーサインが出ると、併せたチュウワノキセキをあっという間に抜き去る瞬発力を見せた。
さらに、ゴーサインの後にデムーロ騎手が追うのを止めると瞬時に速度を落とすという従順さも見せたため、折り合いの不安は一切ない。
そして、追い切りが軽かったため坂路2本に変更された最終追い切りでは、手前を替えながら鋭い脚を長く使えているので、直線が長い東京競馬場でも問題なく末脚を伸ばせるだろう。
狙う理由②:ロングスパートで切れ味が活かせる展開は望むところ!
次に、皐月賞が行われた渋ったパワー馬場での持久力戦とは打って変わって瞬発力が活きる馬場での早い上がりが必要なロングスパート戦は、アドマイヤハダルの良さが最大限に発揮出来る馬場だと考えている。
まず、瞬発力が必要なロングスパートになると考えた根拠は、「逃げ馬が少ないので先行争いが緩くなりそう」なことと、「スタミナがある馬に横山典弘騎手が騎乗するから」だ。
ロングスパートになる1つ目の根拠
1つ目の根拠については、逃げそうな馬がバスラットレオンくらいしかおらず、それを追うタイトルホルダーやバジオウ、エフフォーリア、タイトルホルダーらも自ら流れを作るよりも、他の馬に行かせて先団グループでゆっくり脚を溜めたいクチの先行馬ばかり揃ったからだ。
また、純粋なマイル志向の馬もバスラットレオンのみでは、レース序盤のペースは緩む公算が高い。
すると、逃げ馬に続く先行勢及び中団差し馬達は追走に体力を使わずに済み、温存したスタミナでいつでも仕掛けることが可能になる。
そうなることで、我先にと抜け駆けを目論む馬達が台頭しやすくなるのである。
ロングスパートになる2つ目の根拠
そして2つ目の根拠については、横山典弘騎手(以後、「横山」)のレーススタイルと『Number』の記事を引用した上で横山の仕掛けてくる作戦を説明したい。
まず、横山のレーススタイルを一言で表すなら、「奇襲」と表現するのが相応しい。
去年のダービーでマイラプソディ(11人気)に騎乗した横山は、コントレイル、サリオスという圧倒的1、2番人気が存在しながら、向こう正面では後方17番手辺りから一気に捲ってハナを奪うという型破りなレースを仕掛けて来た上に、キタサンブラックが勝利した2015年菊花賞でミュゼエイリアン(11人気)に騎乗時は先団3番手に控えて先行策かと思いきや、2周目のバックストレッチでハナを奪ってレースを支配しようとしたこともある。
加えて、ゴールドシップが6つ目のG1タイトルを獲得した2015年天皇賞春では、2周目のバックストレッチで一気の捲りを仕掛けて他の先行馬を潰して優勝した経験もある。
そして横山が今回騎乗するレッドジェネシスは、京都新聞杯で他の出走馬が3コーナーでガス欠する中を涼しい顔でスパートし、自慢のスタミナでバテずに最後まで末脚を伸ばして勝利した馬なので、横山の奇襲オーダーを難なく遂行出来る可能性が高い。
次に、『Number』の記事にて、横山は騎手になることを決心した息子の武史に対してこんなことを言ったことがある。
中学のときに「お前は何になりたいんだ? ジョッキーか? それとも一流のジョッキーか?」と言われました。
https://number.bunshun.jp/articles/-/845395 Sports Graphic Number Webの記事 『横山典弘「はっきり言って全然足らない」武史「アドバイスは聞く。でも…」 父子が明かす“3代騎手ファミリー”の親子関係』の3ページ目より抜粋
普通は我が子が自分の背中を追うと言ってくれたら親にとって嬉しいものだが、横山は厳しい言葉で息子に尋ねることで息子の騎手を目指す覚悟を試した。
そのようなことを言う男が、自分の息子が圧倒的1人気の馬に騎乗した時に指を咥えて見ているだけの騎乗をするとは到底思えないのだ。
横山は、向こう正面でペースが緩んだ所で必ず仕掛けてくる。
横山武史を全力で倒すために―――。
瞬発力が必要なロングスパート戦になると、誰にとって有利になる?
さて、瞬発力が活きる馬場でロングスパートが起きたら誰に有利になるか。
当然、「速い脚を長く使える馬に有利になる」のだ。
アドマイヤハダルの長所は「速い脚が長く使えること」である。
その良さが出たのが、2走前の若葉Sだ。
レース序盤でスンナリ折り合うとペースが上がった中盤で馬なりのまま楽にスパートを開始し、直線では残り1ハロン付近からゴーサインが出ると瞬時に加速し、打たれたステッキが1発だけという完勝ぶりだ。
しかも、ラスト200m~ゴールまでのラップが11.3という驚きの内容だ。
「競馬のラップタイムで基準になるのはその地点で先頭の馬(※)」なので、アドマイヤハダルが残り200m地点で先頭に立った時は、ステッキ1発のみ―――余力を残した状態で11.3秒の末脚を繰り出したということになる。
※『JRA 競馬用語辞典 「ラップタイム」』より抜粋。
このレースぶりは、今年の3歳牡馬クラシック戦線で瞬発力勝負におけるかなりのハイパフォーマンスを披露したレースだったと考える。
また、ゴール時は余裕綽々といった手応えだったので、さらなる距離延長も苦にしないだろう。
挙句には、若葉Sのラスト1000mのラップは12.2-11.8-11.6-11.1-11.3と推移していることからも「瞬発力が必要なロングスパート戦だった」と判断出来るので、アドマイヤハダルは速い脚が長く使える馬だと言えるのだ。
そして、一見不利と思われる8枠15番も、包まれない枠なので絶好枠だと言えるだろう。
したがって、アドマイヤハダルは日本ダービーで巻き返せる穴馬だと考えている。
今回の記事のまとめ
- 狙いたい穴馬
⑮アドマイヤハダル
- 狙う理由
①調教内容がグッド
②瞬発力が必要なロングスパート戦が得意だから
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