【菊花賞2021】5分で分かる!出走全馬の前走のまとめ

ステップレース

巻き返しに期待がかかる1頭

 今回は⑰ヴィクティファルスに注目する。

 理由は以下の3点である。

  1. 阪神芝3000mが合いそうな長距離血統だから

 ヴィクティファルスの血統は、父ハーツクライ×母ヴィルジニア(母父ガリレオ)である。

 ハーツクライ産駒のG1タイトルは大半が芝2000m以上で挙げたものという実績から、基本的に中長距離向けの血統ということは論を違わない。

 また、父ハーツクライは過去10年間の阪神大賞典でシュヴァルグランやサトノクロニクル、カフジプリンス、アドマイヤラクティ、ギュスターヴクライといった好走馬を出しており、産駒の入着回数の内訳は(2.5.0.10(※))となっており、連対率は約41%である。

※2021年のアドマイヤジャスタ(父ジャスタウェイ)を含めると (2.5.0.11)となり、連対率は38%。

 連対率41%ならば穴馬としての期待値は悪くなく、十分狙う理由になるだろう

 さらに、ヴィクティファルスの母方は長距離血統のオンパレードだ。

 まず、母父のガリレオは現役時代は芝の中距離で活躍した名馬であり、その産駒には芝1400~2400mの幅広い距離に対応したニューアプローチ、自身は2011年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを制し、2017年、2018年の凱旋門賞を連覇したエネイブルの父であるナサニエル、2014年凱旋門賞でジャスタウェイら日本馬とも戦ったルーラーオブザワールド、芝4000mで行われるゴールドカップを2016年に制したオーダーオブセントジョージ等、芝の中距離以上で活躍した馬が多数いる

 加えて、父としてだけなく母父としてもその産駒に長距離適性を遺伝した例も散見される

 具体的には、2016年青葉賞を制したヴァンキッシュランや2020年目黒記念の覇者であるキングオブコージ、2019年ニエル賞や2020年凱旋門賞を勝利したソットサス、2021年にアイリッシュオークスとヨークシャーオークスを制してヨーロッパを沸かせたディープインパクト産駒の牝馬スノーフォール等が該当する。

 さらに、母方の血統を掘り下げても長距離をこなせそうな素地が目白押しだ

 まず、母母のシルヴァースカヤは現役時代に芝2400m以上の重賞を2勝した馬であり、産駒には2013年の豪G1のザメトロポリタン(芝2400m)を勝利したセヴィル(ヴィクティファルスの母ヴィルジニアの全兄)を輩出している。

 また、シルヴァースカヤは近親に芝中距離を主戦場とし、ディープインパクトの菊花賞で4着に好走したシックスセンスがいる。

 そして、 シルヴァースカヤの父シルバーホークは有馬記念を2度制したグラスワンダーの父であり、シルヴァースカヤの母方の祖父のニニスキは芝3100mのG1ロワイヤルオーク賞を制したステイヤーである。

 また、ニニスキの代表産駒であるロミタスは芝2400mで4勝を挙げた競走馬であり、ロミタス産駒には2011年凱旋門賞覇者のデインドリームや2020年有馬記念で11人気ながらクロノジェネシスにクビ差迫ったサラキアの母であるサロミナ等がいる。

 このように、ヴィクティファルスは例年の京都のような軽い芝ではなく、ヨーロッパや暮れの中山芝コースのようなタフな条件で活躍した馬達の血脈を多数持っていることから、阪神芝3000mのタフな条件はドンピシャになる可能性が高い。

 そのため、今年の菊花賞ではヴィクティファルスの中で眠るステイヤーとしての素質の覚醒を狙うのが最も妙味があると考える

  1. のクラシックホースと接戦を演じた実力は評価に値する

 近走は冴えないヴィクティファルスだが、キャリア2戦目の共同通信杯ではエフフォーリアやシャフリヤール等の並み居る強敵相手に善戦して2着に好走した。

 これは素直に評価すべきレースであり、血統的に向くとは思えない瞬発力比べのレースで結果を出したことから、この時点で世代上位の力を有していることが分かる

 ところが、春のクラシック2冠は見どころなく惨敗してしまった訳だが、これは度重なる関東輸送による負担と瞬発力のある脚を長く使う時計勝負が適性外だったからだと考えている

 今年の菊花賞はどう見ても瞬発力でなくパワーと底力が求められる阪神芝3000mで行われるため、皐月賞と日本ダービーで求められた能力が問われることがなさそうなのも幸いだ。

 共同通信杯で強敵相手に食い下がった一瞬の決め手とスプリングSで見せた馬力のある脚は直線の短い阪神芝内回りコース向きである。

 しかも、今の阪神芝コースは春とは打って違って時計がかかっている上に、飛ばして逃げたい馬がいないメンバー構成、そして各馬が折り合いに専念して道中のペースが緩くなりやすい長距離レースならばヴィクティファルスが追走に困ることはないだろう

 そんな展開で上手く脚が溜まれば、スプリングSで見せた末脚を発揮し、最後の1冠を獲得出来る。

 これこそが、ヴィクティファルスを推す2つ目の理由である。

  1. 調教から今年1番の勝負気配が感じられたから

 最後に、ヴィクティファルスの今回の追い切りから感じた勝負気配について記述する。

 まず、1週前追い切りにおけるCWの6F(ハロン)タイムが今年1番のタイムだった点だ

 しかも、6Fタイムが80秒を切ったのも今年初で、肝心な馬の動きも鞍上の仕掛けにすぐさま反応して加速していたことから字面じづらだけの調教ではないことに加え、併せ馬でなく単走で追い切られたタイムというのも評価に値する

 終いの余力も十分で、この1週前追い切りからヴィクティファルスの心肺能力の高さが感じ取れた

 また、10/20に行われた最終追い切りでは、残り200mから軽く仕掛けられて瞬時に反応してスピードを上げると、地面を高く蹴り上げながら最後まで加速をし、ラスト1ハロン11.9秒のタイムに違わぬ素晴らしい動きを披露した

 追い切り本数は中4週で4本なら丁度いい本数であり、2週連続負荷をかけている上にいつものように1週前にCW→最終追い切りに坂路調教ならば状態は良さそうだ

 そして1週前追い切りが前回は併せ馬だったのに対し今回は単走に切り替えた点だが、「併せ馬で負荷をかけずとも馬が仕上がっているから」だと解釈している。

 去年の有馬記念で11人気の伏兵ながら2着に激走したサラキアも1週前追い切りでCW6F単走→最終追い切り坂路単走という調整を去年の府中牝馬Sから有馬記念時に施していることから、この調整内容こそが池添学厩舎の勝負仕上げなのだろう

 そうとなればヴィクティファルスの取る作戦もサラキアみたいに末脚勝負に持ち込む公算が高く、奇をてらって先行策を取ることもなさそうなので安心してレースを見ていられそうだ。

 以上がヴィクティファルスを推す3つ目の理由である。

ヴィクティファルスを推す理由のまとめ

  1. 一族に中長距離で活躍した馬が多数で、阪神芝3000mが合いそうな長距離血統だから
  2. 共同通信杯での地力を評価。時計勝負にならない阪神芝3000mなら力が発揮出来るから
  3. 調教タイムも動きもヤバい!陣営の勝負気配が今年1番だから

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