近頃の芝G1は本命サイドのガチンコ勝負ばかりで食傷気味だったが、今週行われるG1に出走する馬達の波乱を予感させる顔ぶれに、ワクワクが止まらない。
無敗の馬と持てはやされている馬が何頭かいるが、その前走は強いかと問われるといずれも微妙なレースばかりで、穴絡みの高配当にありつくには絶好の機会かもしれない。
そこで、今回は「穴馬を見つけたい方」や「出走各馬の前走をざっとおさらいしたい人」、「ステップレース分析が面倒な人」向けに、出走全馬のステップレースをざっくりまとめ、予想作業の手間を省くことを目的とした記事を作成した。
予想の参考にしていただければ幸いである。
- この記事で分かること
- 筆者の自己紹介
- 各ステップレースのまとめ
- 巻き返しに期待がかかる馬について
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この記事で分かること
- 各ステップレースで発生したトラックバイアスと求められた能力が分かる
- ステップレースにおける各馬の好走・凡走要因が分かる
- 巻き返しに期待出来る馬が分かる
筆者の自己紹介
筆者の自己紹介
- 筆者名
ロールス
- 趣味
競馬、麻雀、読書
- 予想スタイル
水族館や動物園で生き物をじっくり観察するのが楽しみの1つ。
そんな性質から、各馬の調教とステップレースの内容、土曜日の馬場傾向に注目し、穴馬を選んでいくスタイルが好み。
- 2020年度の主な指名穴馬
ソーグリッタリング(エプソムカップ 5人気)
キセキ(宝塚記念 6人気)
ディメンシオン(キーンランドC 9人気)
マジックキャッスル(秋華賞 10人気)
更なる穴馬をお届けするべく、現在は競馬予想本を読み漁って仕入れた知識を予想に取り入れるべく、鋭意修行中!
各ステップレースのまとめ
ききょうS(OP) 10/3 中京芝1400m(良)
出走各馬のレース内容
ポールネイロン
まずまずのスタートを切るとハナに立ち、直線ではインで粘り込み辛勝。
勝ちタイム1.21.1は当時の2歳コースレコードだが、やや先行有利な馬場に助けられた感があり、ゴール前での余力もあまり残っていなかったので、あまり評価出来ない。
フラリオナ
道中は最後方から競馬を進める。
直線は馬場の3分所から末脚を伸ばして2着。
ゴール時の脚色を見る限り距離延長は問題無さそうだし、直線で右→左→右とスムーズに手前を替えて長く良い脚を使っていたので、阪神の長い直線も苦にしないだろう。
また、残り200m付近で左手前に替えてからの伸びが凄まじく、フラリオナがこのレースで記録した上がり3ハロン34.2秒は、レース平均上がり3ハロンよりも1秒早い末脚だった。
勝ち馬をクビ差まで追い詰めた走りは負けて強しの競馬なので、高く評価出来る。
ルクシオン
まずまずのスタートで先行4番手を主張。
道中はインに1頭置いた位置に進路を取り、直線は馬場の2分所へなだれ込む。
しかし、目立った末脚は見られず、4着に終わる。
流れは先行馬に向いたがやや垂れ気味なのを見るに、早い走破タイムを求められる展開は不得手なようだ。
サフラン賞(1勝クラス) 10/4 中山芝1600m(良)
出走各馬のレース内容
サトノレイナス
スタートのタイミングが合わず、最後方からレースを進める。
4コーナーから直線にかけて、鞍上のルメール騎手に馬場の良い4分所へ上手くリードされると、ジワジワ脚を伸ばして優勝。
差しが届く馬場が向いたのと、ルメール騎手の手腕が光る1戦だったので、馬自体に評価点は無い。
サウジアラビアRC(G3) 10/10 東京芝1600m(不良)
出走各馬のレース内容
インフィナイト
スタートはあまり良くなかったが序盤のポジション争いがあまり激しくなかったので、インの好位4番手の位置を確保出来た。
直線もインからジワジワ脚を伸ばして2着に好走。
展開はやや差し馬向きだったにせよ、終始インをロス無く立ち回っての好走につき、多少の道悪適性くらいしか評価出来ない。
アルテミスS(G3) 10/31 東京芝1600m(良)
ソダシ
外枠から好スタートを決めて2番手につけると、道中でかかりながらも比較的スムーズにレースを進める。
直線は馬場の2分所に進路を取り、ラスト400m地点でゴーサインが出るとすぐに加速して後続を引き離して勝利。
先行策で好走したので差しが利きやすい馬場には一応反したが、1000mの通過タイムが1.00.9のスローペースが味方した形なので、あまり評価出来ない。
あと、勝ち時計が同日に同距離で行われた未勝利戦より遅いのもちょっと……。
ウインアグライア
好スタートを切ると、前から2、3番手辺りで内ラチ沿いを立ち回る。
直線もインを突いてロスを抑えようとしたが、粘り切れずに6着に敗北。
終始芝が荒れたインを立ち回ったのが裏目になってしまった形だ。
ユーバーレーベン
スタートして中団に付けた矢先に馬群に揉まれたせいで狙いのポジションが取れず、馬場が荒れたインコースで後方からの競馬を余儀なくされる。
また、直線でも前が壁になったせいでスムーズに追えなかったり、進路を求めて次第に外にスライドしたせいで真っすぐ走れなかったりと散々な競馬だった。
したがって、この敗戦はノーカウントで良い。
ファンタジーS(G3) 11/7 阪神芝1400m(良)
出走各馬のレース内容
メイケイエール
スタートがあまり良くなく、向こう正面半ば辺りからかかり気味に先行グループに取りついた。
そのまま上手く流れに乗り、直線では馬場の3分所から粘り込んで優勝。
かかって先行した結果、馬場傾向の恩恵を受けることが出来た棚ぼたの勝利につき、特に評価点は無い。
また、距離が伸びることで再現性があるかどうかも疑わしいので、あまりあてに出来ないレース内容だ。
オパールムーン
スタート直後にうるさそうな仕草を見せたせいで最後方の位置取りになってしまう。
直線は大外から手前を替えながら猛追して、レース平均上がり3ハロンより1秒以上早い末脚で2着。
馬場傾向と展開に反した走りなので、高く評価出来る。
ヨカヨカ
スタートでやや出遅れたが、内枠発走を利して好位5番手に取りつく。
直線では馬場の3分所から末脚を伸ばそうとするが、5着に終わった。
馬場傾向通りの走りなので、特に評価点は無い。
サルビア
好スタートを切るとインの2番手でレースを運ぶ。
直線でもインから粘り込みを図るが、早々と減速してしまい、10着に大敗。
高速馬場への適性が低かったようだ。
京王杯2歳S(G2) 11/7 東京芝1400m(良)
出走各馬のレース内容
リンゴアメ
まずまずのスタートで好位6番手のポジションを確保。
直線では、馬場の2分所からゴーサインにすぐさま応じたものの、残り200m地点でガス欠し、10着に終わる。
距離から馬場、直線の進路、展開まで、何から何まで向かなかった。
2歳新馬 11/15 阪神芝1400m(良)
出走各馬のレース内容
シゲルピンクルビー
まずまずのスタートを切ると中団7番手辺りのインコースで脚を溜める。
直線では馬場の2分所へ出して進路が開いた途端に一杯に追われるとすぐさま加速してライバル達を蹴散らした。
展開が先行有利だった点に加え、ゴール前で騎手は追っていなかったため、このレースでは着差以上の強い競馬をしたと言える。
ただ、直線は殆ど左手前で走っていたため、距離と直線が伸びる本番は若干不安だ。
福島2歳S(OP) 11/15 福島芝1200m(良)
出走各馬のレース内容
ルクシオン
スタートはあまり良くなく、道中は後方4番手付近で脚を溜める。
4コーナーへ入る時に馬場の5分所付近からスパートを開始すると、直線は勢いそのままに大外から追い込んで優勝。
馬場と展開が向いた勝利につき、評価点は無い。
赤松賞(1勝クラス) 11/22 東京芝1600m(良)
出走各馬のレース内容
アオイゴールド
まずまずのスタートで好位5番手に付けると、直線は馬場の3分所からスパートを開始。
そこからジワジワ脚を伸ばして3着に入線したが、馬場傾向に反した走りではないので特に評価点は無い。
2歳未勝利 11/23 阪神芝1800m(良)
出走各馬のレース内容
ジェラルディーナ
スタートで出遅れたせいで中団9、10番手からの競馬になってしまう。
3コーナーから馬なりのまま馬場の3分所から進出を開始すると、直線では前から5番手辺りまでポジションを上げた。
満を持して鞭を連打されるも、目立った加速が見られたのは残り200m手前辺りからで、その後も数発鞭を打たれながらジリジリと脚を伸ばして辛勝。
展開が向いた好走につき、特に評価点は無い。
白菊賞(1勝クラス) 11/29 阪神芝1600m(良)
出走各馬のレース内容
エイシンヒテン
好スタートを切ってハナに立つと、道中はインコースを走ってロスを抑える。
直線でも内ラチから1頭分空けたインコースで粘り込み、逃げ切った。
スローペースが向いた好走につき、特に評価点は無い。
ナムラメーテル
好スタートを切るとエイシンヒテンの直後でレースを進める。
直線は馬場の3分所から粘り込みを図るが、ラスト200m付近で脚が上がってしまっていた。
決め手不足か、距離が長かったのかもしれない。
巻き返しに期待がかかる馬について
この項目では、ステップレースで見所あるレースをした馬を2頭ピックアップする。
- オパールムーン
- どこに見所を感じたか?
前が止まりにくい馬場で行われたファンタジーSでは、ゴール前で非凡な末脚を披露し、後方勢としては唯一馬券内に着順を残した。
また、オパールムーンがファンタジーSで記録した上がり3ハロン33.5秒は、前述の通りレース平均上がり3ハロンより1秒以上早い上に、レース当日の全ての芝レースで記録した上がり3ハロンのタイムで1位タイと、決して平凡なタイムではない。
よって、決め手比べになれば、台頭する可能性が高い1頭と言える。
- 狙う時のポイント
確かにファンタジーSの末脚は非凡だったが、当時の走法は首をあまり振らずに四肢だけで加速するという、褒められた走法ではなかった。
そのため、極端なロングスパートになった場合は、首を上手く振れないフォームでは推進力が働かない上に、四肢にかかる負担がより大きくなってしまうせいで鋭い脚を長く使うのが難しくなってしまう。
したがって、オパールムーンを買うかどうかは、持ち前の瞬発力が活きる展開になるか否かがキーポイントとなる。
- フラリオナ
中京1400mで行われたききょうSでは、直線で手前を上手く替えながら長く脚を使って1着馬とタイム差無しの2着。
しかも、終いは脚を余しており、距離延長に不安を残さない内容だった点と、直線で急坂があって長いコースでしっかり末脚が発揮出来たという点が、阪神1600mで好走出来る可能性を抱かせた。
揉まれない8枠はむしろ歓迎で、Bコース替わりで極端な前残り馬場にならない限り、魅力的な1頭と言える。
- 狙う時のポイント
一言で言うなら、当日の気配が最大のポイントになる。
前走後は外厩(グリーンウッド)で仕上げ、11/18に帰厩したが、その後に出した時計は計4本と、いささか少ない感じがする。
そのため、当時のレコード決着での反動が無いかは要チェックだ。
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